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第2章⑧異空間の彼との同棲

高校を卒業して、私は彼と暮らし始めた。

赤坂の高級マンション。芸能人も住んでいる場所。

でも部屋は20平米ほどの小さな部屋だった。

そこで私たちは、一緒に暮らすことになる。

最初は、ただ嬉しかった。

好きな人と一緒にいられる。

それだけで幸せだった。

でも、その頃にはすでに何かが少しずつ壊れ始めていた。

彼の嫉妬は、ますます強くなっていった。

誰と話したのか。どこへ行ったのか。何をしていたのか。

細かく確認される。

少しでも気に入らないことがあると、不機嫌になる。

空気が変わる。怒り出す。

そして暴力も、少しずつ増えていった。

彼に初めて殴られた日のことを覚えている。

その瞬間、私の脳裏に浮かんだのは、最初の義理の父だった。

酒乱で、母を殴り続けていた人。

タンスの裏に隠れて、泣いていた子どもの頃の記憶。

あの時の恐怖が、一瞬で蘇った。

なのに――

私は逃げなかった。

逃げられなかった。

好きだった。信じたかった。

きっと変わってくれる。

そう思っていたのかもしれない。

でも同棲生活が始まってから、私の自由は少しずつ奪われていった。

実家へ帰ることは許されなかった。

私一人で部屋を出ることも許されなかった。

お金も持たせてもらえなかった。

気づけば、洋服もほとんどない。

下着さえ、ろくにない。

今思えば、私は恋人ではなく、閉じ込められていたのだと思う。

でも当時の私は、それが異常だとは思わなかった。

ただ、好きだった。

そして、もう居場所を失いたくなかった。

でも――

地獄は、まだ始まったばかりだった。

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