「断られるのが怖い」|営業初心者あるある
営業の断り文句は、大きく3種類に分けられます。
「結構です」と言われたその1件を、あなたはどう記録しているでしょうか。
多くの人は「断られた1件」としか残していません。
ここが、伸びる人と止まる人の分かれ道です。
テレアポでも訪問販売でも、断り文句は種類ごとに次の一手が変わります。
分類さえできれば、切り返しは自動的に決まります。
僕は営業会社3社で、完全な未経験からトップの成績を取りました。
その3社すべてで使っていた分け方を、そのまま書きます。
この記事を読み終えると、今日の断り文句が明日の改善材料に変わります。
この記事はシリーズの4本目です。
1本目から順に読むと、話がつながります。
1本目:まず台本通りにやりきる
2本目:量からしか質は生まれない
3本目:断られるのが怖い

■ 営業の断り文句は、3種類に分けられる
僕が3社で使っていた分類は、この3つです。
1つ目は、タイミング型。「今は忙しい」「また今度」
2つ目は、必要性型。「間に合っている」「他社を使っている」
3つ目は、認知型。「よく分からない」「とりあえず資料を送って」
同じ「結構です」でも、裏にある状態はまったく違います。
ここを分けずに同じ切り返しをするから、全部が失注になります。
トークスクリプトを作り直す前に、まず分類してください。
直すべき場所は、たいてい全体ではなく一部です。
■ タイプ1 タイミング型|判断すらしていない
▼ よくある断り文句
「今、立て込んでいまして」
「また今度でお願いします」
「担当者が席を外しています」
▼ 相手の状態
内容をまだ聞いていません。
これは断りではなく、中断です。
▼ 切り返し例文
「承知しました。では来週の火曜、午前中にあらためてご連絡します」
「お戻りは何時ごろでしょうか。その時間にかけ直します」
日時を切って、こちらから戻る約束を取る。
「いいですよ」が返ってくれば、断られていません。
次にかけるとき、ゼロからのスタートではなくなります。
▼ やってはいけないこと
その場で説明を続けることです。
忙しいと言った人に話し続ければ、印象だけが悪く残ります。
1件のアポより、次にかけられる関係のほうが価値があります。
テレアポでも訪問販売でも、ここは同じです。
■ タイプ2 必要性型|比較の土俵に乗っていない
▼ よくある断り文句
「間に合っています」
「もう他社さんと契約していまして」
「今は予算がありません」
▼ 相手の状態
今の状態で困っていません。
だから、話を聞く理由がない。
必要性が生まれていないだけで、拒絶されているわけではありません。
法人営業の新規開拓では、この型がいちばん多く出ます。
▼ 切り返し例文
「差し支えなければ、今はどちらをお使いですか」
「切り替えを考えるとしたら、どのタイミングになりそうでしょうか」
売り込みではなく、質問に切り替えてください。
現状を1つ答えてもらえた時点で、会話は続いています。
そこから、足りていない部分が出てくることがあります。
▼ やってはいけないこと
その場で比較を始めることです。
「うちの方が安いです」と返した瞬間、値段の勝負になります。
初回接触で値段勝負に入ると、まず勝てません。
■ タイプ3 認知型|判断する材料を持っていない
▼ よくある断り文句
「よく分からないので」
「とりあえず資料を送ってください」
「上に確認しておきます」
▼ 相手の状態
興味がないのではありません。
そもそも、何の話か分かっていません。
判断できないから、いったん止めているだけです。
▼ 切り返し例文
「一言でお伝えすると、◯◯を△△する会社です」
「資料の前に、1点だけ。今◯◯はどうされていますか」
説明を足すのではなく、削ってください。
自社が何をする会社なのかを、1文で言い切る。
この1文が用意できていない人は、認知型の断りが増え続けます。
冒頭20秒のヒアリングが機能していないサインです。
▼ やってはいけないこと
情報を増やすことです。
分からないと言われたときに説明を重ねても、余計に分からなくなります。
■ 判別できないときの、たった1つの質問
現場では、どの型か分からない断り方もあります。
「結構です」だけで切られる場合です。
そのときは、一度だけ確認してください。
「今はお時間の問題でしょうか。それとも、すでに導入済みでしょうか」
時間だと言われればタイミング型です。
導入済みならば必要性型です。
どちらでもない反応が返ってきたら、認知型と判断します。
質問は1回だけにしてください。
それ以上重ねると、断りを説得しにいく形になります。
■ 断り文句を3列に記録すると、直す場所が決まる
ここが、この分類のいちばんの効果です。
1日の終わりに、その日の断り文句を3つの列に振り分けてください。
いちばん多かった列が、あなたのボトルネックです。
テレアポなら架電数、訪問販売なら訪問軒数と一緒に記録してください。
分母とセットで見ないと、比率が分かりません。
認知型が多いなら、冒頭20秒のトークに問題があります。
必要性型が多いなら、リストや訪問先の選び方に問題があります。
タイミング型が多いなら、架電する時間帯に問題があります。
たとえば、1日に20件断られたとします。
そのうち14件が認知型だったなら、直すのは冒頭の20秒だけです。
残りの2列に手をつけるのは、そのあとで構いません。
直す場所が絞れます。
トークスクリプトを全部作り直す必要はありません。
2本目で「量からしか質は生まれない」と書きました。
量をこなして集まった断り文句は、この3列に振り分けた瞬間、改善の材料に変わります。

■ 3分類の早見表
タイミング型
断り文句:今は忙しい/また今度
状態:判断していない
打ち手:日時を切って戻る
多い場合に直す場所:架電の時間帯
必要性型
断り文句:間に合っている/他社と契約中
状態:必要性が生まれていない
打ち手:現状を1つ質問する
多い場合に直す場所:リストと訪問先の選定
認知型
断り文句:よく分からない/資料を送って
状態:判断材料がない
打ち手:説明を1文に削る
多い場合に直す場所:冒頭20秒のトーク
この4行を、手帳やメモアプリに書き写しておいてください。
■ よくある質問
Q. 切り返しは何回まで粘っていいですか
1回です。
2回以上重ねると、提案ではなく説得になります。
説得された相手は、次にかけたときに出てくれません。
Q. 資料送付は、アポとして数えていいですか
数えないほうがいいです。
「資料を送って」は認知型の断りであることが多く、成果として数えると改善が止まります。
送るなら、送付後の連絡日をその場で決めてください。
Q. 3分類のどれにも当てはまらない断り方があります
無理に分けなくて構いません。
その場合は4列目に書き出しておき、1週間ためてから見返してください。
同じ断り方が繰り返し出てくるなら、それが自社特有の4つ目の型です。
■ では、明日から何をするか
やることは1つです。
メモを3列に分けて、断り文句をそのまま書き写してください。
タイミング/必要性/認知の3列だけで構いません。
言い換えず、言われた言葉のまま書くことが大切です。
1日分たまれば、明日どこを直すかが決まります。
今日の断り文句を、思い出せる範囲でメモに書いてください。
そして3つのどれかに振り分ける。
いちばん多かった列が、明日あなたが直す場所です。
断られた数だけ、直す材料が増えていきます。
次回は「行動量を落とさない1日の組み方」について書きます。
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