【司法試験】CBT初年度の「当日運用」〜昼食・水・持ち物であわてないために
いよいよあさってから司法試験本番です。本番前に確認しておいたほうがいいことなどをまとめてみましたので、ぜひ確認してみてください。
司法試験は7月15日(水)・16日(木)・18日(土)・19日(日)。
予備試験の短答式試験は7月19日(日)です。
今年は、司法試験が短答式・論文式ともにCBT方式で実施される初めての年です。予備試験も論文式(9月12日・13日)からCBTが入ります。未知の体験です。
今回は、勉強の中身ではなく当日のオペレーションの話です。
今年に限っては、会場の環境などが大きく変化するため、実力とは無関係のところで消耗する受験生が例年以上に出るおそれがあります。それを避けるために、今わかっている情報を再度整理して、自分の中でイメージトレーニングをしておきましょう。わからない場合や不安な場合にはぜひ誰かに相談してみましょう。特に今年一緒に受ける仲間に相談するのが良いですが、そういう方が周りにいない場合には、この記事を参考にしてみてください。
以下、法務省の「令和8年司法試験に関するQ&A」「令和8年司法試験予備試験に関するQ&A」および法務省公表の資料などを基にまとめました。実際に自分の目でも最後に確認してみてください。
CBTについてはこちら参照。
第1 試験室では食事ができない
ここが大きな変更点だと思います。
法務省のQ&A(Q83・令和8年5月27日更新)は、「試験室内での食事はできません」とはっきり書いています。
従来のように、昼休みに自席でお弁当屋おにぎりを頬張って、そのまま午後の科目に入る——という動き方は、今年の司法試験ではできません。
第2 飲めるのは「水」だけ
これまではお茶やコーヒーでもペットボトル飲料であればOKでした。
しかし、今回は水に限定され、試験室内に持ち込める水の条件は、次の全部を満たすものに限られます。
・容量1,000ml以下の透明なペットボトル入りのもの1本のみ
・ラベルなどのパッケージは事前に外しておくこと
・飲むとき以外はキャップを締めて足元に置くこと
・ペットボトルは必ず持ち帰ること
・品名が「飲用水」「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ミネラルウォーター」「スプリングウォーター」「スプリングミネラルウォーター」「ボトルドウォーター」のいずれかであること(「清涼飲用水」等と記載されたものは不可)
・凍っていないこと
つまり、今年からは司法試験ではお茶もスポーツドリンクもコーヒーも経口補水液も、試験室には持ち込めません。
7月の夏真っ盛りの試験です。試験会場の中はクーラーが効いているとはいえ、真夏です。そのなかで、塩分も糖分も、試験室の中では一切補給できない。その前提で、体調管理を設計してください。
持ち込む予定のものの、ペットボトルの裏の「品名」欄を必ず見てください。「清涼飲料水」と書いてあるものは、たとえ中身がただの水に見えてもアウトです。
そして、ラベルを外すのは事前にです。会場で慌てて剥がすことにならないように、前日のうちに済ませておきましょう。
水分補給は重要です。試験中にちょっと頭を冷やすためにも、少し飲むという方もいたと思います。これまで模試などで再現している方は問題ないですが、気にしていなかった方は再度確認してください。
第3 持ち込めるのを確認する
法務省Q&A(Q82)によれば、試験室内に持ち込めるのは、試験時間外を含め、受験票のほかは次のものだけです。
ペットボトル入りの飲用水(上記の条件を満たすもの)
ハンカチ、ハンドタオル
ポケットティッシュ(元のビニールは可、ケース等は不可)
マスク
ヘアゴム、ヘアピン
眼鏡(サングラス不可)
耳栓
薬
目薬、点鼻薬
これ以外は持ち込めません。例年と異なるものとして、特に注意すべきは次の2点です。
⑴ 時計もストップウォッチも持ち込めません。
現在時刻と試験の残り時間は、アプリケーション上に表示されます。腕時計に頼った時間管理は、今年は成立しません。画面上のタイマーで配分する練習を、残りの日数でしておいてください。
⑵ 自前の筆記具も持ち込めません。
使えるのは、会場備品のメモ用紙とシャープペンシルのみです。使い慣れたペンも、蛍光ペンも、定規もありません。答案構成は、支給されたA3二つ折りのメモ用紙1枚(試験時間ごとに1枚、追加配付なし、持ち帰り可)で完結させる必要があります。
耳栓については、もうひとつ重要な更新があります。令和8年2月のプレテストのときと違い、今年は会場側で耳栓・イヤーマフを準備しません。使う人は自分で持参してください。ただし、金属製部品を使っておらず電子機器でないことが一見して明らかなものに限られ、ヘッドホン型・イヤーマフ型は不可です。
第4 ロッカーが「ない」会場がありうる
法務省Q&Aは、持ち込めない物品について「必ずロッカーにしまってください」としたうえで、「ロッカーがない試験会場では、試験監督員の指示に従ってください」と書いています。
つまりロッカーのない会場が存在することを前提にしているわけです。そのため可能性としてロッカーがない会場もありえます。
仮にロッカーがない会場に当たった場合はどうなるかわかりません。試験の当日にならないとわからないことです。ですから、そういうこともあると認識するくらいはしておきましょう。
第5 昼食と荷物をどう設計するか
今年の司法試験の会場は、従来の大学キャンパスや大規模会場ではなく、全国に分散したCBT形式の会場です。
休憩スペースがどれだけあるか、荷物をどこに置けるかは、会場ごとに違うと考えるべきです。
昼食は「会場の外で食べる」前提で組む。 会場内に食べられる場所があれば儲けもの、くらいに考える。昼に立ち寄る店を、事前に地図で2つ以上決めておく。 同じ会場の受験生が一斉に出てきます。1店だけ想定していると、行列で昼休みが溶けます。事前に近所のコンビニの位置などを確認しておきましょう。
荷物は可能な限り減らしてください。初日は大きなキャリーなどでの会場入りは避けて様子を見るべきです。
試験会場付近の様子を確認しておきましょう。試験会場の施設・敷地内に立ち入ることは、法務省が明確に禁止していますので、下見でも立入りは絶対にやめてください。ただし、駅からの導線など付近の状況を確認すること自体は禁じられていません(迷惑にならないようにとの注意はあります)。
地図と乗換案内でシミュレーションし、どうしても不安なら周辺を歩いてみましょう。
第6 注意!予備試験短答の場合
ここは絶対に混同しないでください。予備試験の短答式試験(7月19日)は、従来どおりのマークシート方式です。そして飲食のルールも、司法試験とはまったく違います。
法務省の予備試験Q&A(Q53)をみると従前の試験運用と変わりません。持ち込み物も変化はありませんので時計も筆記具も持ち込めますし飲み物もペットボトルであればOKです。
逆に、耳栓などは予備短答のほうが厳しい部分もありますので、その点は確認しておきましょう。
司法試験(薬は監督員に申し出れば試験室外で服用可・耳栓は各自持参)とは扱いが逆方向です。
「去年の感覚」でも「司法試験の感覚」でもなく、自分が受ける試験のルールを、自分で読んでください。
なお、予備試験論文式はCBTになるため、司法試験の運用と同じになります。そのため、予備試験受験生の方は短答後の自己採点のあと、今回の司法試験の受験生の様子などをネットで確認して、どういう対策をすればいいのか?確認してみてください。
私も、受験生の教え子にヒアリングしていろいろまとめる予定です。
第7 CBTの操作の確認や試験後に向けた対応
内容とは異なりますが、CBTシステムについて再度確認しておきましょう。使えるショートカットややってはいけない答案の方法などを改めて確認しておきましょう。
紙の六法は今年は配布されます。問題文は配布されません。配布はメモ用紙だけなので、再現答案作成のためにも、メモをどう活用するか?確認しておきましょう。
第8 さいごに~応援メッセージ
司法試験は4日間、中1日を挟みます。
私が教え子にいつも言っていることですが、試験を「ハレの日」にしてはいけません。火事場の馬鹿力で受かるのは実力ではありません。
ここまでやってきた自分が、いつもどおりの手つきで、いつもどおりの答案を書く。それだけです。
そして今年は、いつもどおりが難しい年です。会場が違う、道具が違う、昼食の動線が違う。だからこそ、今やれることをやって可能な限り当日の変数を減らしてください。
・昼に食べるものを決めておく
・立ち寄る店を2つ決めておく
・休憩時間に何をするか(あるいは何もしないか)を決めておく
・迷ったときにどう振る舞うかを、先に決めておく
決めておくと、当日に頭を使わなくて済みます。頭は答案作成に使ってください。
そのほか、受験票や当日の持ち物なども明日用意しようとするのではなく、今日いったん準備しておいてください。もし不足があった際には明日対応できる余裕があります。
改めてになりますが、今年は制度の切り替わりの年です。誰も経験していない環境で、みんなが同じ条件で受けます。
環境で減点されないこと。それだけを守れば、あとは今まで積み上げてきたものが出ます。
応援しています!
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