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芝生の敵は可愛いヤツ??

今年も過酷な暑さの夏がやってきた。

この時期の週末は仕事などの予定を極力入れず、相棒とともに河口湖の拠点へ向かうことにしている。もっとも、目的は世間一般でいう避暑や静養ではない。自分の場合は、ひたすら敷地と庭周りの手入れを行うことにある。

一昨年、意を決して雑草が生え放題になっていた庭を一面の芝生へと再生するチャレンジを始めた。

ここからの…
ここまでやりました!

しかし、昨夏は高原であるはずの河口湖でも東京並みの猛暑日が続き、あえて植えていた寒冷地用の芝生が激しい夏枯れを起こしてしまった。自然環境を相手に、机上の計算通りにはいかない現実を痛感させられた。

その二の轍を踏まぬよう、今年は春先に寒冷地用の芝生を植えたあと、初夏に夏の暑さに強い暖地型芝の種を重ねてまく「オーバーシード」を試みることにした。気候の寒暖差が大きい地域特有の環境変化に対し、異なる特性を持つ芝を組み合わせるハイブリッドな管理手法である。

最近は週末の片方に出張が入ることが重なり、先日はおよそ1ヶ月ぶりの訪問となってしまった。

植物の生育が最盛期を迎えるこの時期の1ヶ月放置は、敷地管理の上できわめて危険である。雑草が最も激しく成長する時期でもあるからだ。夏用の芝生が無事に発芽して育っているかどうかよりも、そもそも庭全体が雑草に呑み込まれていないかが心配でならなかった。

現地に到着し、恐る恐る庭に目をやると、幸いにも最悪の事態は免れていた。何より安堵したのは、昨年あれほど手を焼いた虎杖(イタドリ)がほとんど姿を現していなかった点である。イタドリは深く強靭な地下茎を伸ばし、放置すれば瞬く間に広がる繁殖力の強い多年生雑草だ。昨年、腰を据えて根気よく根の奥深くまで引き抜き続けた地道な作業が、成果として実を結んだのだろう。

こいつが虎杖!根っこは果てしない…

車から荷下ろしを済ませ、早速庭に出て詳しく見て回った。遠目には緑一色に見えていたものの、足元にはやはり手強い雑草がかなり蔓延っていた。それでも、オーバーシードした暖地型のバミューダ種の芝生はしっかりと芽吹き、順調に成長している。

今年は昨夏ほどの極端な連日猛暑ではなかったことも手伝い、寒冷地用のケンタッキーブルー種の夏枯れも昨年ほど酷くはなかった。

しかし、今年の庭に別の深刻なダメージをもたらしていたのはモグラであった。昨年もそこそこ被害はあったのだが、今年は芝生の下を縦横無尽にトンネルを掘って這い回っている。モグラが這い回った跡は土が大きく盛り上がり、根が浮いて芝生が完全に剥がれてしまう。その部分だけが丸ごと芝生のない状態となり、地面がむき出しになっていた。

幼い頃、祖母が自宅の庭で大切に育てていた芝生をモグラに荒らされ、モグラを心底恨んでいた姿を思い出す。子どもの目には絵本に出てくるモグラは可愛らしいイメージがあって、なぜ祖母があれほどまでに恨むのか理由がよく理解できなかったが、大人になり自分で庭を管理するようになった今、その気持ちが痛いほどよく分かる。

私の好きだったモグラの絵本

これには本当に強い無力感しかない。丹精込めた農作物を猪などの野生動物に荒らされた農家の方々の気持ちと同じと言うと、たかが遊び半分での庭整備であるため農家の方に大変失礼ではあるが、胸中に湧き上がるやるせない気持ちはまさにそれである。

しかも敵は地中に潜み、夜間に行動するため、その場で見つけて対処することはほぼ不可能に近い。文字通り「打つ手なし」の状態である。色々と調べてみると、地中に音や振動を発信するなどして敷地内にモグラを寄せ付けない対策器具はあるようだが、月に数回来るかどうかの庭に対して、現段階でそこまで大掛かりな対策を講じる気にも今はなれなかった。

気を取り直し、モグラによって盛り上がってしまった土を足で一つひとつ踏み固めながら、隙間に生えた雑草を手作業で丁寧に抜いていった。続いて、マキタのバリカンを手に取り、伸びた芝を慎重にカットしていった。

本来の適切な芝生管理であれば、芝丈がもっと短いタイミングで頻繁にカットしなければ、本当に綺麗な芝生には仕上がらない。しかし、何せこの頻度での手入れしかできないため、芝生はどうしても想定以上に成長してしまう。成長してからいきなり短くカットすると根元から枯れてしまうリスクがあるため、せいぜい草丈の半分にするかどうかのところでカットする。

完璧な理想の芝生とは程遠く、どちらかというと牧草地の一歩手前のような野趣ある状態ではある。それでも、手をかける前の荒れ果てた状態と比べれば、遠目で見れば悪くはないと自分なりに自負している。

今回は、雑草が生い茂っていた外構周りや、駐車場から玄関へと続くアプローチ周辺なども電動芝刈機を使って綺麗に整えた。

もう少し頻繁に来ることができれば、格段に良い庭に仕上げられるはずだという思いはある。しかし、限られた時間の中でできる最善を尽くしたと納得し、今はこれでよしとして作業を終えた。道具を片付け、足元にいる愛犬のそばで静かに食事の支度に入るのであった。

足元にはいつも相棒がいる!


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