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第3班、銃剣道と木上先輩

戦技訓練の柱の一つ
普通科の戦技といえば、真っ先に挙げられるのが「銃剣道」だ。
当時の自分は、身長170センチ、体重52キロ。決して体格が良いとは言えず、むしろ「きゃしゃ」な体躯だった。武道の経験など一切なく、ただ中、高校時代に培った「ツッパって過ごした学生時代」の気負いなど、自衛隊内では所詮ただのハッタリに過ぎなかった。先輩たちには全く歯が立たなかったのである。
そんな中、木上先輩が外出の支度を後回しにしてまで、1、2時間も自分に稽古をつけてくれた。平日は食堂から戻った後、隊舎の横や自分達の部屋で、「基本」の足の運び方(すり足)や姿勢を徹底的に教え込まれた。
木上先輩から放たれる「腰が高い!」「突きの戻りが遅い!」というゲキは、文字通り容赦がなかった。先輩がよく口にしていたのは、「必勝の信念」――「絶対に勝つという意志を持つこと、常に前に出て引かないこと、相打ちになっても構わない、突っ込む気概を持て!」という教えだった。この環境でシゴき抜かれたおかげで、私には決断力と精神力が叩き込まれた。今思えば、あれは間違いなく人生の財産であり、本当にありがたい経験だったと心から思う。
それでも、1年目の中隊対抗試合では5戦して3勝(他中隊の同期と当たった試合)という結果だった。翌年は入隊が上の先輩たちと当たり、逆に負け越してしまった。しかし、その後も木上先輩はずっと面倒を見てくれ、3年目になる頃にはようやく少しずつ自信がついてきた(他の先輩からも一本が取れるようになっていたのだ)。
冬の道場と独特の緊張感
銃剣道の訓練は、大半が11月後半から3月後半までの間、主に午前中に組まれていた。
グラウンドや道場には、身を切るような冷たい風が吹き抜ける。防具の異様な臭いと、男たちの汗と埃が混ざった独特の匂いが、最初は本当に鼻についたし、慣れるまでに時間がかかった。
道場での日課は、軽い駆け足(縦列になって大声を張り上げながら走る)から銃剣道訓練が始まる。
木上先輩は道場での訓練では一言も指導がなかったように記憶している。
基本的な練習(基本の徹底)
すべての土台となる基礎稽古である。
構え方、目線、足さばき(すり足)、素振り、そして何よりも「正しい突きのフォーム」を体に叩き込む。まずは「姿勢と重心」の矯正から入り、「腰が高い!」「足幅が狭い!」と指導官の怒声が飛び交う中、何十回、何百回と先輩の前で同じ動作を繰り返した。
特に体重52キロの自分にとって、安定した下半身を作るためのすり足の反復は、太ももがパンパンになったことを思い出す。しかし、この基本の徹底こそが、のちに体格差のある相手を一撃で捉えるための「鋭い突き」の最大の武器となった。


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