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山の湖と村の農民博物館で過ごす一日

好天の続いたチロル。娘たちのリクエストで湖へ行くことにした。
山での滞在というのに、ふたりともしっかり水着持参で来ていたのだった。

一日ぐらい湖畔でのんびり過ごすのもいいかと、荷物番を申し出る。


こちらはReintalersee(ラインタラー湖)
遊泳が許可されており、木製のデッキが何箇所かに設けられている。透明度3~6メートル、水質もEU基準で最高ランクの「非常に良好」と評価されている湖だ。

姉妹はしばらく近場で浮いたりしていたが、対岸まで行ってくる、と泳ぎだした。ふたつの頭が近づいたり離れたりしながら遠ざかっていく。ずっと目で追っていたものの、いかんせん距離がある。ぽつんと点のようにしか見えなくなり、その後、見失った。

手でも振ってくれないかと目を凝らしたが見当たらない。夫が「ちょっと見てくる」と、岸辺をぐるりと回って向かった。
かなりの時間が経ち、さすがに心配になってきた。

と、やっと戻ってきた夫。
「M(次女)は泳いで戻るけど、L(長女)は歩いて帰るから靴を持ってきてって言ってる」
ふうう……安心した。でもそれ、とりあえずあちらからメッセージで送ってくれてもよかったよね。

娘たちはこちらからは見づらいデッキに上がっていたようで、手を振ったり飛んだり跳ねたりしていたようだが、私たちはまったく違うところを見ていて気づかなかったらしい。

いつものようにパンを手で割ってハムとチーズを挟んだだけのサンドイッチと果物をいくつかという昼食、持ってきたゲームなどを楽しんだ。

帰り際に白鳥ファミリーがやってきた。写真の画角には入っていないが、周りにはけっこうな数の人がいる。
近づく人たちもいて心配したが、まったく動じない。人馴れしている、というよりは、おこぼれをもらいにやってきているようだった。

レストランに向かう途中、みたいな



宿のあるヴィルトシェーナウに戻り、「Bergbauernmuseum z'Bach(山の農家博物館)」を訪れた。
閉館時間までの30分ほどだったが、ざっと見て回れた。


入り口のチケット係のおばさまは実直でなかなか厳格そうな方だったが、「館内は撮影可能ですか?」と尋ねると、「どうぞどうぞ、たくさん撮ってください」と満面の笑みで迎え入れてくださった。

木工に使う器具の数々



木製のスキー板



意匠をこらされたおまるに愛情を感じる



こちらの小部屋には、特に親近感を覚えた。日本で見られるものとよく似ている。下段の樽に味噌が入っていてもおかしくない。


どこで見ても惹かれる手織り機。
ここでは冬の時期の仕事だったのだろう。


サンプラーにしばし見惚れる。


この日、2階ではハンドメイドの民芸品を売るマーケットが開催されていた。細い毛糸で編まれたくつ下や刺繍の入ったリネン、木彫りの器などのなかに、ガラスの工芸品があった。
クリスマスツリーに飾ったりもできそうなオーナメントだが、真ん中のものは昔懐かしい縁日の水風船を思い出させた。触ってみたかったけれど、思いとどまった。これは柔らかいイメージとして取っておきたい。


中二階といったらいいか、1階と2階の間のスペースに、何やら強烈に気になるものが目に入った。揚げ菓子と思われる。この色、質感。それほど油っぽくはなさそうなところにも惹かれる。さくっとふんわり、なのかな。

どうもドイツのバイエルン地方からこのあたりに見られるもののようだ。地域によって呼び名もいろいろあるらしく、それぞれの土地で親しまれているお菓子なのだろう。
そばにはゆるく仕上げたジャムのようなものが大きな器に入って置かれていた。

もう閉館間際、あたりにはどなたも見当たらず、泣く泣く諦めて外に出た。
記事の最後に置いているということで、私の思いが伝わるだろうか。
またいつか会えることを願っている。


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