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チロルのいちばん大きな宝物|渓谷散歩

大学の夏休み中も美術館でのアルバイトや参加するプロジェクトで忙しく、ひと足先に帰る次女をWörgl(ヴェルグル)の駅で見送った。

いってらっしゃい


さて、午後は何をしようか。
滞在していたWildschönau(ヴィルトシェーナウ)からKundl(クンドル)にかけて、渓谷があるというので行ってみることにした。
渓谷沿いは遊歩道になっているという。往復すると約9km。
この日も30℃を超える暑さ。渓谷はだいたい涼しいし、高低差もほぼない。午後のアクティビティにはぴったりだ。

Maplibre | © komoot | Map data © OpenStreetMap Contributors


渓谷の始まる村の外れまでは車で。地図の下のほうの「ポイントA」付近に駐車スペースがあった。ここからKundler Klamm(クンドル渓谷)方面へ歩きはじめる。


この近辺は様々な種類の岩石が見られることでも有名らしい。


のんびり歩いていると、バーンとそびえ立つ岩壁が現れた。
日陰はひんやりする。体感としては10℃ぐらい違いそう。


こちらは飲用可能な湧水。キリッと冷たく、何よりのごちそう。生き返るようだ。


ベビーカーでも楽しめる、とあった通り、遊歩道は整備されていて歩きやすくはあったのだが……若干注意は必要な感じで、ぞくっとする。
高所恐怖症気味の夫を、長女がいたずらっぽい顔で見ていた。

向こうからやってくるご家族もやはり壁に沿って歩いている


このあたりでは20世紀の初めまで、切り出した材木を春に増水する渓流に沿って流して運んでいたそうだ。その木材流送の事故で亡くなった方を悼む小さな祠のような追悼碑が、岩をくり抜いた場所にあった。


日陰の岩肌に小さな灯りのように咲くウメバチソウ(梅鉢草)を見つけた。


少しずつ幅を増していく渓流。



ちょうど中間地点らしい


ところどころにネットが張ってあるが、遊歩道の縁にも何かしてほしい気はする。


途中、川辺まで降りられるところがあった。

こういうところには石が積まれがち


清流の様子を動画でどうぞ。
*思いのほか音が大きくなってしまいました。音量にご注意ください



Kundl(クンドル)に近くなってきたあたりに、木製のポストのようなものがあった。「Der größte Schatz Tirols(チロルのいちばん大きな宝物)」とある。なんだろう?


そっと小さな扉を開けてみると……

「Das bist du(それはあなた)」


「そうきたか!」となる仕掛けのようでもあるが、なんだか少し心に沁みた。
木を切り出して形作る姿、丁寧な筆の運びや息遣いが立ち現れる気がする。作り手はチロルの山の精に遣わされたのかもしれない。
畏敬の念を持ちながら、山の恵みを享受していきたい。



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