爪は気付くと伸びている
「あれ?爪伸びてるなぁ」
こないだ切ったばかりだと思っていたのに、
ふと見ると、もう随分と伸びている。
爪の伸びるスピードは、少しだけ早すぎる気がする。
正直「もうちょっとのんびりでもいいのに」と思う。
一方で「歯」については、爪のような方向に進化してくれたらいいのに、といつも思う。
どうしてこんなに重要な部位なのに「失敗が許されない」スタイルで進化を止めているのか。
乳歯から永久歯ときて、それで終わりだなんて。
そこから永久歯パート2、永久歯パート3と続いてしかるべきではないか。
映画だったら絶対に続編を作るレベルで、全世界で「歯」は大ヒットしているはずだ。
爪と歯のことをつらつらと思いながら、ふと
「伸び続けるもの」と「やり直せないもの」について考えていた。
子どもの顔が頭に浮かんだ。
子育ては、ある意味ではやり直しがきかない場面がある。
命に続編は無いから。
しかし一方で、「失敗は許されない」からと、
保護し過ぎたり、縛りつけたり、決めつけたりするのは、僕はなんだか違うような気がする。
子どもの育つスピードは早い。
「もうちょっとのんびりでもいいのに」と思っていても、あっという間に手がかからなくなって、気が付いたら巣立っていく。
確かに色んなことはある。
悩んだり振り回されたり、
時に打ちのめされるような気持ちになることもある。
でも、
なんだかんだで子どもはちゃんと育っていく。
毎日を積み重ねているうちに、
いつの間にか伸びているのだ。
親の思い通りとは関係なく。
頼もしくもあり、寂しくもあるが、
それなりのタイミングでパチンと切らなきゃいけない時が来る。
そう言えば、
爪を切ってあげていた小さな手は、
いつのまにか自分で爪切りを持つようになった。
気付けば、僕が切るより上手になっているくらいだ。
静かに寝入る君の隣で、色々なことを思い出し、考えたりはするが
僕に出来ることなんて、もうそんなに多くないのかもしれない。
あとは、なるべく苦労はせぬようにと祈るだけだ。
