コモリン岬の初日の出 祈りの姿は美しかったがまさかの・・・
インドの最南端にコモリン岬というヒンドゥー教の聖地がある。
そこはアラビア海、インド洋、ベンガル湾と3つの海が見渡せる信仰の場所であり、そこで見た初日の出とその光景は、今でも私の心に残り忘れられない思い出となっている。
もう何十年も前のことだから、今は町もずいぶんと変わったことだろう。
それでも元旦の夜明け前に、多くの人がお祈りに集まってくるのは変わらない。
水平線から太陽がほんの少し輝き見えたその時、人々は様々なことを願い太陽に手を合わせる。
祈りの姿は美しい。
その姿はどこまでも純粋で、今ある苦しみや悲しみを手放す瞬間でもあるような気がする。
膝まで海に浸かり鮮やかな色のサリーはびしょ濡れで、それでも祈り続ける人々の姿を私は見つめていた。
すると私の目から涙がポロポロポロポロ溢れ落ちるではないか。
あの時、自分に悩みがあったわけでもなく、悲しかったわけでもなく、だただた感動の涙だったのだろうか。
今でもあの涙の心の底の深い意味はわからないままだ。
やがて太陽が昇り、祈りを終えた人々と一緒に帰る道は、しつこい物売りやボロボロの服を着た子供たちがお金を要求してくる。
この世で生きて行くとはこういうことだ。
私は一気に現実に戻されるのだった。
それでも子供の目に生きるたくましさを感じ、裕福の中で育った日本の子供達より、もしかしたら貧乏でも彼らのほうがはるかに幸せなのかも知れないと思うのだった。
インドのGDPは今年2026年、日本を上回り米国、中国、ドイツに次ぐ世界4位に浮上する見通しだという。
この統計がどのくらい確かなものなのかはわからないが、インドの経済成長が目覚ましいということは確かなようだ。
最近私の住む街でもインド人を多く見かける。
英語が堪能な彼らは新都心のIT企業に勤めているエリートなのだろう。
綺麗なサリーを着て街を歩く女性の姿も目立つ。
ひと昔前までは、インドカレー屋さんはインド人がやっているものと思っていたが、最近の店はほとんどがネパールの人がやっているのだという。
インドでは国富の約4割を上位1%の富裕層が保有するというから、まだまだ貧困が多く存在していることも事実だろう。
こうして格差が広がる今の時代、私たちに平等に与えられたものの意味はいったい何だろう。
もしかしたらそれは祈りの中にあるのではないかとも思う。
あの時のコモリン岬での私の涙はきっとそうだったような気がする。
インドでお正月を迎え、日本に帰ってきた私はたくさん撮った写真を写真屋さんに持って行き、現像をお願いした。
まだスマホの写真などないフイルム写真の時代だ。
数日後出来上がった写真を受け取りに、また写真屋さんに行かなければならなかったが、あの袋から写真を取り出すワクワク感は今ではもう味わうことはできないだろう。
そして私はその中の1枚の写真を見て一瞬目を疑った。
コモリン岬で撮った写真の中に、太陽に向かって祈る4人くらいの女性の後ろ姿の写真があったのだが、海の中にあるはずの足が皆無かったのだった。

お茶にしましょう
今日は体に心に優しく
スペアミント ペパーミント アップルミント カモミールのハーブティー
ハーブはコモリンとたくさん入れて
気分スッキリとリフレッシュです
