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君はクズじゃない!

「俺はダメな人間だ、

そう言って、自分を責めるんじゃなくて
うーん……そうじゃなくて

『俺はクズな人間だ』
と言ってくれよ

親友だろ!

頼むよ!」

「じゃ、……俺はクズな人間だ」




仕事で失敗した。
誰かに迷惑をかけた。
期待に応えられなかった。

だから自分には価値がない。

本当にそうだろうか。

私は、そんな君に一つだけ伝えたい話がある。



宇宙は約138億年前、ビッグバンによって始まったと考えられている。

しかし、その頃の宇宙には、ほとんど水素とヘリウムしか存在していなかった。

人間の身体をつくる炭素も、酸素も、カルシウムも、鉄も、まだ宇宙には存在していなかったのである。

では、それらはどこで生まれたのか。

答えは、星だ。

恒星の内部では、何億年、何十億年という時間をかけて核融合が起こり、水素からヘリウム、ヘリウムから炭素、酸素、カルシウムへと、生命に欠かせない元素が次々と生み出されていった。

そして巨大な恒星は、その一生の最後に超新星爆発を起こす。

その壮絶な爆発の中で鉄などの重い元素が誕生し、宇宙の彼方へと放たれた。

君の骨をつくるカルシウム。

君の血液に流れる鉄。

君の筋肉や脳をつくる炭素や酸素。

その原子の一つひとつには、何十億年も昔、どこかの星で生まれたという壮大な歴史が刻まれている。

長い宇宙の旅を続けたそれらの原子は、やがて地球となり、生命となり、

今、やっとやっと
「君」という存在になった。

だから君は、ただの人間ではない。

君は、星のかけらからできている。




ここで大切なのは、「クズ」と「かけら」の違いだ。

「クズ」とは、価値のない残り物という意味を持つ言葉だ。

一方、「かけら」とは、もとの大切な存在の一部を意味する。

君の身体をつくる原子は、かつて本当に恒星を構成していた一部だった。

だから、どれほど小さな原子であっても、それは星のクズではない。

星のかけらなのだ。

天文学者カール・セーガンは言った。

「We are made of star-stuff.
(私たちは星のかけらでできている)」

これは美しい比喩ではない。

科学が教えてくれた事実である。



だから、もし君が失敗して、

「俺はクズな人間だ」

そう思ったなら、思い出してほしい。

たった一度の失敗で、何十億年もの歴史を持つ原子の価値が消えることはない。

失敗は行動の結果であって、存在そのものの価値ではない。

君はクズなんかじゃない。

君は星のかけらなんだ。




ある日、私は落ち込んでる友人に言った。

「私に『俺はクズな人間だ』って言ってみて」

友人は少し戸惑いながらも、小さな声で言った。


「……俺はクズな人間だ」

そして

私は滔々と流暢に話し続けたのだった。


「違う。だから君はクズなんかじゃない。君は星のかけらなんだ」


友人が呆れて言う

「それを言いたかっただけだろ」


私は苦笑しながら肩をすくめた。

「まぁ、そうなんだけどね」



「ありがとう」

「気持ちよかったよ」

「お前ほんとクズな人間だな」

「いや、星のかけらです」

「……」

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