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セクハラというよりパワハラが問題では?

先月、無事最終回を迎えた『夫婦別姓刑事』。視聴率は振るわなかったらしいが、個人的には無難な終わり方で、シリアスな中にもコメディ要素があったりして、ちょっと男前な橋本愛ちゃんが見れて眼福なドラマだった。

なのに文春砲でとんでもない展開になっていて少なからず驚いている。

そしてなぜか世間的には、橋本愛ちゃんが叩かれているらしいが何で?と思ってしまう。

今回の騒動で初めて知ったことだが、彼女、過去に出演した舞台でセクハラ被害に遭い、そのトラウマで『台本にない、身体接触は事前に言ってほしい』と事務所を通してドラマの制作サイドにお願いしていたという。この文面を読む限り、彼女がすべての身体接触をNGと言っているのではなく、あくまで台本にないアドリブでの身体接触に難色を示していただけのように受け取れる。

でなぜかこの申し出が、佐藤二郎さん本人には伝わっておらず、たまたま収録中の車内の場面で、佐藤さんの手が橋本さんの顎に触れてしまい、橋本さんが激しく動揺してしまったということらしい。

でも佐藤さんにしてみたら、そんな大切なことを自分だけ事前に知らされていなければ驚いてしまうだろうし、おそらく橋本さんと直接話すことで少しでも事態を良くしようと、直接楽屋を訪れたに違いない。

しかし問題は、きっとここから。

おそらくここで彼が『愛ちゃん、そんなことがあったなんて知らなかったよ。ごめんね。今度から気をつけるよ』とでも軽く謝れば済んだ話を...

こともあろうか激昂して『(愛ちゃんに)そんなトラウマがあるなら役者辞めろ!!』とか、それ以降、挨拶しても無視とか(子供かよ)、本人の側でため息をつきながら『我慢我慢』とわざと聞こえるように嫌味を言ったりということがあり、佐藤氏が橋本さんが演技上の制約を有することになった経緯を認識しているにもかかわらず発した言動が、外部弁護士による調査において『重大なハラスメント』と認定されたのだ。

あくまで佐藤氏の行動で問題視されているのは、セクハラ(身体的接触)についてではなく、橋本さん側が、事前に申し出ていた件について確認したことについて激怒し、楽屋で彼女の俳優としての尊厳を傷つけるような発言をしたり、収録期間中にさまざまな嫌がらせ行為をしたという、パワハラ的な行為について。

文春の記事が全て正しいかどうかはともかく、佐藤氏の行き過ぎた言動が橋本さんの心を深く傷つけたことは間違いないだろう。

但しこれは、佐藤氏だけの責任ではなく、テレビ局のドラマの制作側と俳優をマネージメントする事務所との確認事項が十分に周知されていなかった不手際によるものでもあり、佐藤氏が既に決まっていた踊る大捜査線のスピンオフ映画の降板という、個人だけが責任を取らされるのもおかしな話だ。

なので”真偽の定かでないこと”を報じた文春や、”俳優間の問題を適切に対応しなかった”テレビ局が非難されるならまだしも、パワハラで傷ついた橋本さんがバッシングされたり、パワハラをしたとされる佐藤さんだけが出演予定の映画の出演を見送られなど、誰も救われない展開になってしまったことは
、ドラマや芝居好きなわたしからすると、素晴らしい個性と才能を持った2人の役者の今後が心配でならない。

またひとりの女性の視点からみると、やはり日本という国はまたまだ昔の男尊女卑の名残りで、男性からすると軽い気持ちでしたことが、女性からすると重大なセクハラと受け止められても、いまだに泣き寝入りするケースがあるのかなと。

実際、以前所属していたブログサークルでも、還暦過ぎたおじさんが、投稿した記事の中にセクハラじみたオヤジギャグ混じりの不快なコメントや画像を散りばめるなど、”悪しき昭和の風習”をいつまでも引きずってるなんて場面を度々見かけることがあった。

それは男性同士では許容出来ることでも、女性から見ると見るに堪えないものもあったり、もっと酷い場合は、そういうおっさんたちを”殿方”などと持ち上げ増長させるような、いささか的外れな寛容を示すおばさんがいたりして、ほとほと嫌気がさしてしまったこともあった。

昭和の時代では当たり前だったことも、今はハラスメントとみなされるこのご時世。われわれも『令和の今』を生きている以上、肩書きや年齢性別を問わず配慮すべきではないか。

そしていつも思うが、間違いを犯さない人はいないのだから、程度によりけりではあるにせよ、間違いを犯してしまったら、素直に過ちを認め謝罪するなり反省するなどして、二度と同じ過ちを繰り返さないように努めるべきではなかろうか。

また人はいつ自分が加害者の立場になるとも限らず、その逆も然りなのだから、それ相応の禊を済ませたら、いつまでも叩き続けるのではなく、再びやり直せる寛容さがあってもいいのではないか。

わたしは、この2人の俳優さんが、これからも大いに活躍することを期待して止まない。

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