こっちは倫理観の話になるのかな? アノクサ~勉強嫌いな俺の教科書~ 国家建国編100 うーん。俺に答えは出せんよ。意見はあってもな…
政府の会議室に戻ったシンジ。
椅子に座り、ウラさんから貰った檄を思い返していた。
そこに。
ヤマギン「よう。
…ウラさん。
出て行ったんだろ?」
シンジ「うん。
ビックリした。
裸一貫になって海に飛び込んだよ(笑)」
ヤマギン「ハハ(笑)アイツらしいな」
シンジ「うん。色々考えさせられる言葉を遺していった」
ヤマギン「大体想像はつく。
なあシンジ。
実はオイラも政府を離れようと思う。
オイラはウラさん程の自由は求めてないから
べーシックインカムの恩恵を受けて、ひっそり隠居しようと思う」
シンジ「大和の経済はどうするの?」
ヤマギン「もうベースは作った。
あとはアイちゃん達がしっかりやってくれるさ。
それに…。
おそらくそろそろ通貨自体が無くなる」
シンジ「…そりゃ気付くよね?
人口動態がそうなってるもんね」
ヤマギン「ああ。この減り方だとあと10年もすれば今の経済社会構造と年齢別の人口分布では国家の存続は不可能だ。
国民は全員が振り分けられた労働をし、ベーシックインカムにより衣食住を国家から受け取り
それで生活を送るしか選択肢は無い」
大和の年齢別人口分布ピラミッドは、逆三角形のまま推移し、とうとう出生数は0に近付いていた。
多様性を認め、国民が『個』として生活していける基盤を整えることを重視した結果、逆に一人一人が負担する生産価値が増加することになり、子孫を残すことがコストになるというスパイラルに陥っていた。
簡単に言うと、一人で生きる方が楽だから一人で生きてきたけど
年老いて自分が価値を生産出来なくなった時に、自分を支える人は誰もいない。
だから将来の為にも生産が可能な身体の期間に、多くの価値を生産して保管しておかなければならなくなった。
ってことだ。
そして、この時の大和の状況において、実社会での価値とはほぼ
『食料』
これのみになっていた。
シンジ「まあ、ヤマギンはもう高齢者。
無理な労働はせずともベーシックインカムを受けれる権利は持ってる。
今までお疲れ様。
色々ありがとうね。
ゆっくり休んでね」
ヤマギン「…あー。
シンジ。
オイラもお前に遺したい言葉がある」
シンジ「何?」
ヤマギン「まあ、遺したい言葉というか、答え合わせみたいなもんかな」
シンジ「もったいぶるね(笑)何だよ?」
ヤマギン「お前が大和に帰ってきて、内閣選抜総選挙をやった。
そしてお前が総理大臣になった。
革新的な制度の導入で、大和は生き長らえることが出来た。
これは称賛に値することだ。
だが、実は
『これをやれば生き長らえるどころか、大和が再び隆盛する可能性を秘めた理屈』
があったよな?」
シンジ「…うん」
ヤマギン「何故やろうとしなかった?
『出生数の強制増加』」
