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工場見學

午前中、完成して間もない工場の見学会に参加した。ご近所だからと自治会長に誘われ同行する。説明会場には30名程度の人たちがいて、知った顔も少なくない。なかなかの盛況だった。

社名に○○科学とあるから、研究施設か、それに付帯する製品を作っているんだろうと思っていた。帰ってきてホームページを見ると、確かにそれに関連した機器や試薬、消耗品等々あり、プラズマ装置なんて分野もある。
ただし、静岡の工場に限って言えば、研究室・実験室に対応できる「実験台」に特化して製作している。そのパーツ群は、若干のスチール部品を除けば、すべて木材によって組み立てるものだ。つまりこの工場は、木工所もっこうじょと呼んでいい施設となる。

と言っても、木工作業からイメージされる舞い上がる粉塵ふんじんや散らばる木くずとは無縁の環境にあり、全てがオートメーション化され、マスクも不要の快適この上ない作業環境だった。
いわゆる職人の熟練性も不要なようで、あらかじめプログラミングされた加工機に木のパーツを流せば、仕上がったものがベルトコンベアで運ばれてくる。人間の手が必要なのは、パーツをセットする時と検品くらいだろうか。

回収されたおがくずは家畜の寝具に転用されるそうで、廃棄は行われない。循環型社会を意識して、ごみを出さない配慮だ。
事務所周りは、そのままオフィスビルにしても贅沢な作りになっている。
いま風の環境に気を配り、工場内はバリアフリーだし、トイレは人工肛門の人にも対応したバリアフリートイレになっている。エレベーターはタッチレス、指をかざすだけで階を指定できる。

浄化槽は従業員数の倍の容量を設け、雨水を貯留する大型タンクを2段階方式で備えているという。
防災対策のほかに、災害時の避難所としての機能も考慮されている。60人が3日間過ごせる食料と寝具が、完備されているそうだ。
地元住民への対応も、万全である。

取引先は国内のみらしいが、それでどれほどの需要があるのか。
説明によると1日の生産量は25台程度だそうで、それでも需要に追い付かないそうだ。工場内のパーツに貼られた注文先をみると、沖縄やら福岡やらの大学名が並ぶ。今日の受注先は、教育機関という事か。

全国シェアの25%を占め、業界的には3位から4位の地位にあるんだとか。
上位2社まで考えれば、日に100台や200台は生産されていそうだ。

素人考えでは実験台なんて、一度購入したらよほど時間が経たない限り買い替えはしないと思うが、僕の想像よりはるかに世間のニーズはあるわけだ。
「特殊な業界で、外の方にはなかなか分かりませんが」と、責任者もおっしゃっていた。
こういうニッチな分野って、地味で目立たないぶん競合他社も限られるし、事業としては悪くないよなぁ。

この工場自体が、国の指針に沿って作られているわけである。
当然のごとく、平らな屋上には太陽光パネルが敷き詰められる事になる。
年度ごと補助金を申請できる制度があるから、おそらく公的援助も受けながら「地球にやさしい」ソーラー発電を導入したことだろう。
説明によると稼働日は総発電量の40%でまかなえ、土日祝日は100%中部電力に売電できるという事だった。

説明している側はおそらく、環境に良くて自社の利益にもなる再生可能エネルギー発電の導入を、「どんなもんだい」くらいに鼻高々の気分でいるかもしれない。
しかしその買取価格とは、形を変えた国民の税金で成り立っている。

国は2050年までに、日本国内での温室効果ガスの排出が全体としてゼロになる脱炭素社会を実現すると、4年前に宣言している。
脱炭素社会の実現には、省エネによるそもそものエネルギー消費量を削減する取り組みはもちろん、再生可能エネルギーの比率を飛躍的に上げなくてはならない。

太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーの導入を拡大させるために、電力会社はこれらの再エネ電力を買い取る(買い取らなければならない)ルールになっている。
この買取りに要する費用を、電気料金に上乗せするのが再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)と呼ばれるものだ。
電気を使用する家庭や企業が、それを負担することになる。再エネ導入のために国民が支払わなければならない、形を変えた消費税のようなものだ。

そして消費税よりはるかに悪辣あくらつなのは、(2023年を除き)毎年上乗せ単価が、誰の許可なく上がっている事実である。
なんか、おかしくないか。

2024年度再エネ賦課金は3.49円!値上がりの要因と推移をおさらい
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○○科学工場に恨みはないが、なんの利害関係も持たない我が家がなぜ、売電を利益とする企業を支援しなければならないのか。

国からの強制にしろ、買い取る側の電力会社はその分上乗せすればいいだけだから、腹は全く傷まない。
再生可能エネルギー発電(主に太陽光や風力)を導入した企業や個人は、余剰分を売電できて利益になる。

ところがソーラーパネルの事業者は、お日様が顔を出さない雨や雪の日は発電量が極端に落ち、その分通常の電気の供給を受けなければならない。
つまり、いくら太陽光発電を普及させようと、天気の悪い日に備え通常の火力発電や原子力発電の量を控えることは、絶対に出来ないわけだ。

そういう日は停電になっても我慢しましょうと、国民のコンセンサスでも取れているなら話は別だが、それじゃ困る人が100%近くだろうから、モノの道理として普及が進むほど矛盾も拡がるだけである。

ただでさえ高い電力料金に、一般家庭で数千円の上乗せが追加されている。その再エネ賦課金が今後も上がっていく路線、いつまで許されるはずもなかろう。
来年の参議院選挙を控え、再エネ賦課金に反対する政党はどこだ?

Atelier hanami@はなのす