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うなぎ、とったどー!

ふと、たまたま見つけたそれ。

子ども向けのイベント告知。
うなぎの掴み取り体験の募集。

そんなの、行ってみるしかないじゃないか。




陽がジリジリと会場を熱し続ける中、テントの下でしゃがみ込んだ娘は、熱心に丸いビニールプールをのぞいていた。

しっかりとしたサイズ感のうなぎが2匹、膨らんだビニールの影で息を潜めている。生きてるうなぎって初めて見たなあと一緒になって覗き込んだ。

隣で娘と一緒にうなぎを見ていたお兄ちゃん(推定6歳)は、黒くてうねうねした存在にちょっと引き気味。おそらくお父さんだろう激励に対して、「嫌だ」と防戦一方である。

しばらくして時間になり、スタッフの合図で始まった。

子ども4人で囲んでいるのだが、誰も動かない。すぐに手を突っ込みそうだった娘も、いざとなると躊躇している様子で、中腰のまま固まっている。

「がんばれ!」という大人たちの応援が飛び交う。私も、野次のテンションで「いけ〜!」と声をかけながらスマホを構えて叫んだ。

しばらくして、先陣を切ったのは娘だった。

小さな目をじっと凝らし、ついに水に手を突っ込んだ。それまで騒がしかった大人たち10人ほどがシン…っとして固唾をのんで見守る中、スウゥ〜ッと逃げるうなぎ。
娘は隠れていたもう一匹へ狙いを変え、長い胴体に両手をかけて───
捕まえた。

おおぉぉぉ~~!


周りの大人たちから歓声が上がる。

娘の手によって水から姿を現したうなぎは、にゅるん、と身を滑らせ、ダプン、と水の中へ帰っていった。
一度触ったことで自信がついたのか、その後も娘は果敢に挑む。捕まえては逃げられ、尻尾を掴んでは逃げられ、それでもまた捕まえにいく。すっかりうなぎとの攻防を楽しんでいる。「撫でてあげたら?」と言うと、小さな手で頭をやさしく撫で、そのまま隙あり!とばかりに掴みにいく。

その様子を見ていた女性スタッフさんから「なんかやってます?」と言われる程度には、突出してうなぎと触れ合っている娘。

いや、特に何もしていない。
しいて言うなら夫が釣った魚を触ったり捕まえたりした経験があるだけだ。
特殊か?わからない。

うなぎとそこそこ戯れたところで撤退。あまりにも娘が平気そうなものだから、さらに発破をかけられている隣の少年よ、がんばれ。でも嫌なら嫌って拒否してもいいと思うぞ。親ポジションから見ると“やってみて”って思っちゃうけど。子どもの尊重と親心は喧嘩する時もあるのだ。


イートインスペースへ移動し、娘にとって人生初のうな丼を受け取る。

夫と娘が夢中でうな丼を頬張る横で、さっき撮った動画を見返す。“はじめて”に物怖じしない子になってほしい、という私たちの願いは今のところ、娘に届いているみたいだ。

捕まえたうなぎを両手に持って立つ娘の顔が"やんちゃ"を完璧に体現していて、思わずスクショを撮って祖母に送る。ついでに、うな丼を頬張る娘の写真も送っておいた。今度遊びに行く時は「娘が獲ったうなぎです」と、うなぎの蒲焼でも持って行こうか。スーパーで捕獲したやつ。

さーて。
そこそこレアなイベント、これにてミッション完了!


うなぎを鷲掴みにした夏ってのも、なかなかいいんじゃない?


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