おもしれーおばさんになりたくてアイスクリームを作ったお盆休み
「アイスクリーム作ったことあるひとー!?」
さあ始まるよ、長期帰省恒例レクリエーション。
今年はアイスクリーム作りだ!
姉の子どもたち、いわゆる甥っ子たちは小学生だが、よく娘と遊んでくれる。
大人でさえ悲鳴を上げる娘(4歳)からの無茶振りに、「えぇ〜!」と言いながらも、なんやかんやで付き合ってくれる甥っ子たちには頭が上がらない。今回の帰省も、祖母の家にやってきた甥っ子たちは、暇していた娘と室内でブロックやかくれんぼをして遊んでくれていた。
「おにーちゃん!」という娘の喜びの声と、ドタドタドタ!という足音をBGMに大人は会話を弾ませる。
兄弟のいない娘にとって、全力で遊んでくれる相手というのは、とても得難い。保育園の友だちじゃない、ちょっと甘えてもいいお兄ちゃんたち。
そんな甥っ子たちにお礼をすべく、長期帰省の際にはなにかイベントを起こすようにしている。フルーチェ食べ比べ、お菓子の家づくりなど、姉一家や祖父母が絶対にやらない、ちょっと変な思い出になりそうなイベントだ。
と、いうわけで。
唐突な「アイスクリームつくろう」LINEを姉に飛ばした。
材料はとってもシンプル。
特濃牛乳 200ml
砂糖 40g
塩 30g
大量の氷
ジップロック大小1枚ずつ
タオル
これらをお料理教室さながら小皿に用意し、テーブルに並べる。喜ぶだろうと事前に購入していたトッピング用カラーチョコスプレーは持ってくるのを忘れた。悔しい。
「今日のおやつはみんなで作るよ!」
そう声をかければ、それまで走り回っていた子どもたちが集まってくる。アイスを作った経験がないことは、姉経由でリサーチ済み。そして私は1週間前に試作済みだ。まかせろ。ぬかりはない。
(1)小さなジップロックに牛乳と砂糖を入れて、空気をできるだけ抜きながら閉める。
(2)大きなジップロックに大量の氷と塩を入れ、牛乳と砂糖が入ったジップロックを入れる。
(3)タオルで包んで8〜10分間、振る! 全力で振る! 思いっきり振り続ける!
「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」
ガシャガシャガシャ!
雄叫びと氷がぶつかる音がリビングに響き渡る。
必死の形相に私と姉が笑い、祖父が少し遠くからカメラを構え、心配そうにしていた祖母もつられて笑っている。
スマホのタイマーを見ながら、甥っ子たちが交代で振り続け、祖母からのタオルや氷を増やそうかというアドバイスに「いい!いい!溶ける!」と言って抱え直し、また振る。
「腕が!」
「やばいやばい!」
「まだ!?」
なんて悲鳴をあげながら振り続けること10分。
タオルを広げ、ジップロック越しに見えるそれを指でつついて、
「できてる!」
という歓声があがった。
さっと3等分に盛り付け、「こっちも自由に食べていいよ」とポッキー&コアラのマーチが入った小皿と一緒にリビングへ追い出す。
それぞれの定位置に座った子どもたちがアイスを食べ始めるのを見て、ほっと一息。
味が気になる大人たちのために、もう一回分を計量し、のっそり現れた夫にシェイクを頼む。2回目ともなれば見守り部隊の熱量も落ち着き、完成したアイスを5等分に盛り付ける。
「本当にアイスだ〜」という姉のコメントに、「そりゃアイスだよ」と笑って口に含めば、冷たさが口内に広がった。さすが特濃牛乳。試作品にはなかったコクがある。
お盆休みがあっという間に終わり、いつもの日常に戻ってきた。
長期休暇は、できるだけ祖父母の家に行くようにしている。大人同士は会話するだけでも楽しいが、子どもたちはそうもいかないのが現状。
「つまらないから行きたくない」となる未来は、できるだけ遠ざけたい。
アイスクリームを作ったこと。
お菓子の家を作ったこと。
フルーチェをみんなで食べ比べたこと。
「おばあちゃん家、楽しかったな」
「娘と遊んで、おもしろかったな」
そんな思い出を持って帰ってもらいたい。
「真面目」が売りの祖父母には、「型破り」は存在しない。
その娘である私は、いまさら「おもしれー女」にはなれそうにもない。
それでも「おもしれーおばさん」にはなってみたくて、次の長期休みにはまた、なにかを計画していく。
空回りでも、それはそれで。
せめて甥っ子たちが娘と一緒に遊んでくれる間は、「おもしれーおばさん」からエンタメを供給していきたいのだ。
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