お金に関する妬みはなぜ突出して怖いのか?
人間が社会で生きる上で避けては通れない煩悩の一つが「妬み・やっかみ」だ。
自分の身近にいる人間、あるいは有名人、あるいはSNSの顔の見えない誰かに刺激され、欲望が膨れ上がったり、劣等感に打ちのめされたりする。相互比較は健全なライバル意識を産めば活力につながるが、そうでない場合はトラブルと不幸の元となる。
相互比較の材料はいくらでもある。容姿、役職、学歴、モテ、育ち、健康、人脈、ありとあらゆるステータスが比較の対象となる。
その中でも段違いに恐ろしいと認識されているものがる。
それは「お金に関する嫉妬」である。金銭に関する自慢や自己開示は暗黙の了解で際立って危険なものとされていて、富裕層の多くは自分が富裕層と知られることすら嫌がる。
容姿や学歴も羨望と嫉妬を生むことはあるが、せいぜい腹が立つ程度で終わる。しかし、金銭に関する嫉妬心は深刻な犯罪行為につながる恐れがある。学歴マウントを取っても殺される危険は少ないが、資産マウントは殺される恐れがある。実際、殺人事件発生率と経済格差は強い相関関係にある。金銭に関する妬みは極めて危険なタイプの格差なのである。
しかし、金銭に関する嫉妬はなぜここまで危険なのだろうか。他のステータスと何が違うのだろうか。
真っ先に思いつくのは、金銭によって実現できる事物が多岐にわたり、他のステータスよりも価値が高いというものである。確かに容姿や学歴によって得られるメリットは限られているが、金銭は価値が汎用的が圧倒的に高い。どのような人にもメリットをもたらすはずである。
しかし、この仮説は間違っている。人間が生きていく上で最も幸福度に直結するパラメータは健康だからだ。これは各種研究でも明らかになっているし、直感的にもわかりやすいのではないか。巨万の富を持っていても、ベッドで寝たきりで病気に苦しむようでは、羨ましいと思う人は少ないだろう。
健康格差が殺人やその他の犯罪に繋がったという話はあまり聞いたことがない。世間一般の感覚からいっても、自分が健康なことをアピールしたらたちの悪い嫉妬を招くとは言えないのではないか。だから、金銭の嫉妬が深刻な事態を招く理由は、金銭の重要性が高いからだけではない。それでは一体何故か。
筆者の結論は。。。
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