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群れなす赤とんぼの中のたった一匹が紡ぎだす優しい時間と思い出

それはちょうど今ごろの季節の出来事でした。

二階の窓からほど近いところにあった数本の電線に、一斉に止まっていたおびただしい数の赤とんぼが、等間隔でしかも同じ方角を向いて羽を休めていたのです。

ところがその中にたった一匹だけ、みんなとは正反対の方向に止まっていました。

それを目ざとく見つけた父がひとこと、「誰かさんみたいだな」とぽつんと言ったのです。

二人は目を合わせてにやりと笑みを交わしただけでそれ以上は何も言わず、群れが一斉に飛び立つまで並んで窓辺に立ち続けていました。

今思えば、無風の午後のまだ日差しが強い時間帯に、なぜ父が珍しく二階に登ってきたのだろうか?

それを訊ねようにも答える人はもういない。

少しあまのじゃくで、みんなと同じが苦手だったあの頃のまんまの私は、毎年秋の気配を感じるころになるとあの日のことを思い出す。

父との優しくてほろ甘い・・・記憶です。

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写真の花の名前は=”アゲラタム”
開花期は初夏から晩秋(5月~11月ごろ)まで長く咲き続けます。
名前の由来はギリシャ語の「古くならない(ageratos)」が語源。花色は長く色あせないことに由来する。

🌿🌿🌿🌿🌿🌿🌿🌿🌿487文字
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