2歳。ジュース屋が危険物を製造していた件。
母は頭痛につき、お昼寝中。
和室にこもり、
頭から毛布をかぶって寝ていた。
寝る前には、
何もなかった。
母以外、誰もいなかった。
なのに。
目を開けたら、
和室がおもちゃパラダイスと化していた。
そして目の前には、
ジュース屋がいた。
しかも、
顔の前にあるのはジュース屋の尻。
主人は2歳。
バケツいっぱいに食材を詰め込み、
「これはね」と、
商品の説明が始まった。
果物から始まり、
レタス、
パンまで出てくる。
頭痛ありの寝起きには、
なかなか刺激が強い。
一通りの説明を終えると、
いよいよジュース作りが始まった。
オレンジを手に取り、
カップへ入れる。
完成したらしい。
「どーぞ」
渡されたカップを見ながら、
「これなーに?」
と聞くと、
「オレンジジュース」
とのこと。
ここで母、
出来心で聞いてみた。
「何味?」
「みかん味」
……。
オレンジジュース、
オレンジ味ではないらしい。
区別がついていないのか、
何かのこだわりなのか。
母の想定を超える答えに、
寝起きの頭がついていかない。
とりあえず、
細かいことはスルーしていただく。
「甘い!」
「甘すぎるよ!」
と、大げさに反応してみた。
するとカップを回収された。
何やら作業している。
そして再び、
「どーぞ」
今度は、
「酸っぱいよ!」
とのコメント付き。
酸っぱくなったらしい。
「何入れたの?」
「お水入れた!」
……。
水を入れると、
酸っぱくなるらしい。
なんとも不思議な水である。
さらに、
「熱いよ!」
と注意まで受けた。
酸っぱくて、熱くなる。
これはもう、
「混ぜるな危険」の類だ。
どうやら我が家の2歳児は、
ジュース屋ではなく
化学実験をしているらしい。
どんな水を使ったのか、
怖くてこれ以上聞けない。
それはもう、
オレンジジュースとは
言えないのではないか。
とりあえず、
私の背後にいたイモゴンにカップを渡す。
そして母は、
この場から撤退することにした。
