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檜原村で渓流釣りを楽しむ

 梅雨のぐずついた天気が一段落つき、河川の水位も平水に戻りつつあるようなので、一か月ぶりに渓流釣りに出かけることにした。行先はルアーマンの釣り仲間と相談して、檜原村を西から東に流れる南秋川。おそらく10年ぶりぐらいであろうか。何度か短時間竿を出したことはあったが、ちびヤマメしか釣れた記憶がない。さて今度こそ良型のヤマメに巡り合えるであろうか。

東京都陸地で唯一の村


 檜原村といえば、東京都陸地で唯一の村。歴史が深く、戦国時代には小田原北条氏の武将だった平山氏が檜原城を拠点にこの地域を支配していたという。南秋川の笹野では毎年9月に式三番という舞を奉納する。その他、侍のかぶとの形をした屋根をもつかぶと造の家屋が村中にあるなど、歴史と文化遺産を堪能するにもってこいの地域である。もっとも人口はピークだった終戦直後の約6,600人から徐々に減少し、今は1,900人余りとなっている。

笹野の式三番、地元の鎮守である、神明社への奉納舞として伝えられている。


 さて、中央道の八王子ICを出た後、武蔵五日市駅前を通り過ぎて、秋川に沿って檜原街道をひたすら西へ上流へと向かう。この辺りはまだあきる野市であるが、街道がT字路にぶつかると、そこは檜原村であり、村役場はその手前にある。この地点で秋川も北と南に分かれるが、今回は左折して、南秋川のポイントを目指す。しばらくして支流の小坂志川の合流点である笹平の集落でルアーマンの友人を降ろし、彼はここから上流に向かって釣り上がる。私はそこからさらに上流に行った矢沢という支流が合流する辺りに移動する。

北秋川、南秋川は本宿で合流して秋川となる。


 矢沢沿いに走る林道の脇になんとか駐車スペースを見つけ、早速ウェーダー・ウェーディングシューズにはきかえ、ロッドをセットして戦闘準備完了。今回もFish Passで購入したオンライン入漁券のスイッチを押して、釣り開始。(ちなみに入漁券は日釣で2,500円と高い!)小さな沢であるが、良さそうなポイントに毛鉤(けばり)を投げ込むと、早速ちびヤマメをゲット、さらに次のポイントでもちびがくらいついてくる。「やっぱ秋川はちびヤマメしかいない?」と嫌な予感。ちなみに一週間ほど前、この支流の上流でクマ君が出没したというので、そうそうにこの支流を引き上げ、檜原街道に戻って本流を上流に向かって歩いていく。

矢沢のちびヤマメ1号。


 この辺りからは街道のところどころに渓流へのきちんとした降り口があり、かつ、川通しも歩きやすいのでありがたい。その一つを降りて、いよいよ本流で竿を振る。瀬と落ち込み・流れ込みが交互にあらわれていい感じである。ところがまったく反応がない。と、落ち込みのすぐ下の流れの芯の向こう側に、タタミ半畳分ぐらいの水がよどんでいるスペースを見つけた。クモの巣や樹木におおわれていて、釣り人がこのポイントを攻めるのは難しいのでは、とピンときた。そこで狙いを定めて、その水面に毛鉤を投込むと、思い通りに流れの芯から少し外れた緩やかな水面にフライが浮かんだ。とその瞬間、強い流れの底の方から結構大きな魚体があらわれ、くわえたと思った瞬間合わせるが、針かかりせず(泣)。その後いくどとなく毛鉤を投げたが、そいつは二度と水面にあらわれなかった。最低25cmはあったと思う。(逃がした魚は常に大きいといいますが。。。)

いつかリベンジを!


 そのあと、街道に戻ったり、川に降りたりを繰り返すが、全く反応なし。最初に車を止めた矢沢の林道に戻り、速攻でランチ。さっさとおにぎりをポカリとお茶で流し込む。そして、さらに上流のほうに車で移動。人里(へんぼり)、笛吹(うずひき)といった集落を超えて、森沢が出合うあたりで駐車する。ちなみに檜原村にはこのような不思議な名前の集落がいくつかあるが、アイヌ語から転訛したという説があるほか、へんぼりについては、古代朝鮮語で人を意味するフンと里を示すボルを重ねて人の住む里、フンボルが訛ってヘンボリになったという説もある。(檜原村郷土史)

このような石仏、石碑が路傍のいたるところに。


 さて、気合を入れ直して、この辺りにかかる橋のたもとから河原におりると、流れはかなり細くなっている。両脇やぶの中を勢いよくながれる瀬にフライを投込むと、いきなり来ました! が残念ながら15cm未満だったので、リリース。その後上流に向かうと、落ち込みと瀬が交互に続き、いかにも出そうな雰囲気。しかも、いたるところにクモの巣があり、しばらく釣り人が入っていないのではないかと思わせる。しかし、毛ばりのパターンを色々とっかえても反応なし。ぽつぽつ雨も降ってきたので、目の前に現れた小さな橋のたもとから小径をたどって街道に出て、車に戻る。

上流部でゲットしたチビやまめ。ヒレがでかい、大きく育てよ!


 釣り仲間と連絡を取り合うと、彼は下流域で奮闘したようであるが、結果はちびヤマメが6匹。結局秋川はちびヤマメしか釣れないという自分のジンクスを破ることは出来なかったが、幻に終わったものの大きな野生のヤマメがいることは確認できた。渓相が実にきれいだし、秋口に再チャレンジしようと思う。

瀬音の湯、平日夜は空いていますね。
このマイタケの天ぷらは最高でした!


 帰りには人気の日帰り温泉、瀬音の湯で汗を流す。この温泉には年に1度くらいは来るが、アルカリ性で肌がつるつるになるので、いかにもご利益がありそうである。風呂上がりには地元のマイタケ天ぷらそばを堪能した。大自然の中でたわむれ、温泉と地元の食事を楽しむ、まいどのことながら最高の贅沢である。(おわり)

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