見出し画像

浜志"まんの歴史とサバランに酔う

パティシエはおじいちゃま

横浜・伊勢佐木町にある洋菓子店『浜志゙"まん』。
小さい頃からそこのボストンクリームパイのことを知っていました。
いつか食べてみたいと思いながら、気づけば長い年月がたっていました。

先日、テレビでお店が紹介されているのを観たら、ボストンクリームパイを作り続けるパティシエは、なんとおじいちゃま。50年以上前からこの店に入り、80代後半になった今も現役で毎日洋菓子を手がけているそうです。

(この方が作ったケーキを食べてみたいな)
そう思い、週末になるのを待って土曜日に出かけました。

へびやとケーキ

伊勢佐木町は、1丁目から7丁目までまっすぐ伸びる、全長約1.4キロのプロムナード。
関内駅から海を背にして有隣堂本店や元松坂屋のあるにぎやかなイセザキモールを抜け、ずーーーっとまっすぐ歩いていきます。

(そろそろ道が終わるあたりかな?)
ジャック&ベティの近くまで行くと、ようやく瀟洒な構えのお店に到着です。

近くには地元で有名な「へびや」があります。
十代の頃は、ショーウィンドーに飾られたヘビのはく製が今にもこちらをにらみそうで怖かったものですが、この日は定休日。ぶ厚いカーテンが閉まり、静かなたたずまいでした。

浜志゙ まんの歴史

お店は大正2年(1913年)の創業から110年以上続く老舗。もともとは和菓子店として始まり、二代目の代に洋菓子店に変わりました。

店名の「浜志゙ まん」とは、和菓子店時代の人気商品だったおまんじゅうの名前。地元に愛され続け、このお店で美空ひばりさんのバースデーケーキを作ったこともあるそうです。

ボストンクリームパイ

洋菓子店になってからの看板商品は、ボストンクリームパイ。
一人用のミニボストンもあります。それを買う気満々でやって来たのに――

売り切れていました・・・!

行ったのは土曜日の夕方。店長さんは申し訳なさそうに謝ってくださいましたが、そんな時間に人気商品が残っていると思う方が甘かったんですね。

電話向こうのお仲間

ちょうどその時、店の電話が鳴りました。
受話器を取った店長さんが、
「申し訳ありません、もう売り切れてしまいまして……」
と謝っています。
電話向こうの人も、きっと私と同じことを考えていたのでしょう。

残念でしたが、仕方がありません。
ショーケースにわずかに残ったケーキの中からサバランを二つ選びました。

サバラン

帰宅して、紅茶を淹れて、母と一緒にいただきます。
「サバランって最近見なくなったね」と話しながら。

洋酒を使った大人向けのケーキなので普段は食べませんが、久しぶりに見かけて懐かしくなりました。
金紙に包まれ、生地がフタのようにクリームの上に乗っている姿がかわいらしいです。

浜志゙゙ まんのサバラン

フォークを入れると、ブリオッシュ生地から洋酒のシロップがぶわっと染み出してきました。
生地全体がたっぷりと洋酒シロップを吸い込んでいます。
これはすごい。おぼれそうなくらいのつゆだくです。

下戸の母と私は「大丈夫かな……」と心配しましたが、口に入れると、パンチの効いた洋酒の奥から、絶妙な甘さのシロップがふわりと広がりました。

香りもフルーティーで心地よく、栗がアクセントとしてばっちり。
二人ともぺろりと完食しました。

レアケーキ

サバランを見かけなくなったというのは、実際に起きている現象のようです。
・作るのに非常に手間がかかり、量産に向いていない
・デリケートな品質管理を要する
・日持ちがしにくい
・近年のアルコール離れの風潮
がその原因で、サバランを定番商品として扱う店舗が減り、現在では、一部の老舗洋菓子店やフランス菓子の専門店でのみ見かける希少なものとなっているとか。
いつのまにかレアなケーキになっていました。

人気ケーキランキング

サバランはこのお店の人気ナンバー3だと教えてもらいました。
2位はモンブラン。
上位の味はチェックしないといけませんね。

長く愛され続けてきた横浜・浜志゙゙ まんの味をようやく口にすることができ、評判通りのクオリティに満足しました。
次こそは、ボストンクリームパイとモンブランをいただきたいです。

ぽやんと幸せ

食べた後は、洋酒の効果でほどよくほかほか、ほろ酔い気分になりました。
(あー酔っぱらっちゃったなあ)と思いながら、何をする気も起きず、ただぽやんと幸せな気持ちのまま、夜が過ぎていったのでした。

浜志゙゙ まんのサイト






いいなと思ったら応援しよう!