村山籌子の魅力【プチ冒険譚】
村山籌子(かずこ)童話集
「ママのおはなし」より
挿絵:村山知義 富永秀夫
ごあいさつ
こんにちは。
昨日は、
村山籌子(かずこ)さんの童話集が
私のバックボーンになったという
お話をしました。
そして、籌子さんのお話は…
子どもにとって
現実的な話の展開と、
これまた現実的な着地点を
見せてくれる作品だという印象です。
…と、述べました。
もちろん、これは
一面的な語りに過ぎないのです。
そのお話の魅力は、
独特のユーモアとウイット、
そして「ナンセンス」の精神にあります。
…と、Geminiが言っておりました。
私もそれに同意します。
今日は、籌子さんのお話の中でも
「一風変わった冒険譚」を
いくつかご紹介します。
「おなべと おさらと カーテン」
~冒険に出る以前での挫折
青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/001172/files/44990_44459.html
この本にも載っています
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毎日おなじ仕事をするのが
いやになった3人(?)は、
台所から逃げ出そうとします。
ところが、ある問題があって…
というお話です。
結局、逃げ出す計画は
挫折したのですが、
締めの語りが素敵なのです。
「 もし にげだして いたら、
くずやさんに ひろわれて、
かなしい みのうえに なって
いたことでしょう。
ほんとに よかったこと。」
「ママのおはなし」(童心社)より
昭和初期の「屑屋さん」が
どんな立ち位置だったのかは
想像するしかありませんが…
「『かなしい みのうえ』って
どうなるの?」
…と、親を困らせる質問をした
クソガキのなれの果てが、
今ここにいます。
もし現代の言葉で語るなら、
「 てんばいヤーに ひろわれて、
メルカリに しゅっぴんされ、
かくやすで かいたたかれて
いたことでしょう。」
…と意訳してみました。
お子さんへの説明にどうぞ。
「川へ おちた たまねぎさん」
~奇跡の生還を果たした紳士
青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/001172/files/44954_44625.html
この本にも載っています
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ジャガイモが経営する宿屋に
たまねぎの紳士が泊まりにきます。
これだけ聞くとシュールですが、
宿屋の名前もイカしているのです。
「じゃがいも・ホテル」
ええ、そのまんまですね。
あいにく、その日は満室で
紳士を泊められる部屋など
どこにもありません。
…ありました、ひとつだけ。
「では、ちかしつで
よろしければ おとめします。」
案内され、地下室に泊まった
たまねぎの紳士でしたが…
翌朝、その姿は忽然と
消えうせてしまいます。
読者は、たまねぎ紳士が
どんな怖ろしい目に遭ったかを
知っているのですが…
(そう、地下室には
おそろしい電気仕掛けの
箱があったのです…)
じゃがいもは、心配して
新聞広告を打ちます。
以下は意訳です。
『昨晩、当ホテルに宿泊した
たまねぎ氏が行方不明。
情報提供者には、
賞金を 1 円差上げます』
大正~昭和初期の 1 円ですよ。
ちなみに、籌子さんの童話
「きりぎりすの かいもの」では
きゅうりの値段が 2 銭。
ぼったくり価格で 4 銭です。
1 円だと、きゅうりが 50 本
買える計算になりますね。
しかし、謎が謎を呼ぶ展開です。
江戸川乱歩の世界に近いですね。
さて、たまねぎ紳士の
運命や、いかに。
あとは、読んでのお楽しみです。
むろん最後は、
たまねぎ紳士が生還して
ハッピーエンドになりますので
ご心配なく。
擬人化の使いかたの妙
…しかしこれ、
たまねぎだから笑えるけど
人間だったらシャレになりません。
このあたりが
村山籌子童話のすごいところです。
あと、現代だったとしても
シャレになりませんね。
野菜くずは下水へINです。
たぶん。
たまねぎさんは、
下水処理場まで流されて
かなしい身の上に
なっていたことでしょう。
…あと、この
たまねぎさんの冒険譚
なにげに凄いんですけれども。
戦前の人たちって
けっこう体力があったんだね。
シメ
本当は、もうひとつ
お話をご紹介しようと思ったのです。
しかし、ご存じのように
字数をかなり使ってしまいました。
今日のところは、この辺で。
次回予告
明日は、
籌子さんの童話のなかでも
猫にまつわるお話を
拾いあげてみたいと思います。
たぶん、この方
かなりの猫好きですね。
猫好きの勘が、そう言っています。
それでは、また。
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