AIは行間を読めないこと
こんにちは。
記事を見ていただき、ありがとうございます。
私は現在、SF長編小説を書いています。
で、書きあがった部分を
AI(おもにChatGPT)に見せて
アラを探したり、微調整をするのですが。
今回は、
『AIが出してくる「余計なお世話」な案』
についてお話ししようと思います。
バトルシーンを書くときの心得
先日、ようやくバトルシーンが書きあがりました。
この小説は「リアルロボットもの」なので
バトル=話のクライマックスであり、腕の見せ所ですね。
さて、このバトルシーンですが。
私には、気をつけていることが、いくつかあります。
「セリフを短く」
バトル中は、極度の緊張と集中状態にあります。
集中している最中に、長いセリフを話すのは違和感がありますね。
それでも、どうしてもキャラの心情を説明したい場合は
それが手に構えているのは、レーザーナイフ。
セラミック製の刀身にレーザーの刃をまとう、近接格闘戦用の武器だ。
(この距離で、あの武器のロックオンだと…!?)
こちらもロックオンするか、避けるか。
この例のように(心の声)を使ったりします。
「心情描写も短く」
その刹那でやりとりしているバトル中に、
複雑な心情が描写されるのも、違和感があります。
ようは、これ一瞬一秒ごとが
生きるか死ぬかの世界なんです。
あーだこーだ、うだうだうだうだ…。
「そんなこと思ってられるか!」
というのが私の思うところなのですが。
もちろん、地の文も同様です。
ただ、状況の説明はしなければ
「読者が置いてけぼりを食う」ので
できるかぎり簡潔に、必要に応じて書くようにしています。
ようは「短く簡潔に」
「それでいて鮮烈に」
…を心がけて文章を紡いでいます。
もし、キャラの情感があるとすれば
それは、描写していない「行間」にあります。
皆までは書かない。
だが、この丁々発止のやりとりから
「行間」を読んでくれ。
…という感じなのですが。
どうやら、AIは
その辺がわかっていないようなのです。
「いらない説明」が多いAI
だいたい、上記に気をつけて私が書いた
バトルシーンをAIに読ませるとですね。
「いらない対案」が返ってくることがあります。
もうね。
せっかく「削っている」心情描写を
なにゆえ、わざわざ明示的に説明するのか。
「お前は行間を読めていないのか」と。
…そうですね。
AIは行間を読めないものでした。
ChatGPTは、わりと行間を読んでくれると思っていましたが。
でも、「小説」を書かせると、やはり下手です。
ChatGPTが書いた小説
試しに、ChatGPTが書いてくれた
第39話(未発表)の「草稿案」があります。
AIにしては良く書けていると思いますが、
いろんなツッコミどころを含めて
槍玉に上げてみたいと思います。
(来る…)
コウは、ヘルムモニター越しに白銀の宇宙をにらんだ。
その向こう、敵機“BN(ベーヌ)”の一機――ジェラルディーン・ネズミー中尉機が、一直線にこちらへ向かってくる。
(まだ戦う気なのか)
レーダーの照準が、こちらを追い続けている。
“WN(ヴァーン)”はもう限界に近い。レイピアの出力も下がってきていた。
――あの時、逃げていれば助かったかもしれない。
でも、彼女は逃げなかった。
(あれが、あの時すれ違った…あの人の、本当の顔か)
緊張で乾いた口を引き結びながら、コウは操縦桿を握りなおした。
(やるしかない。殺さずに、止める…!)
さっきまでの相手とは違う。
彼女は“理性の中で覚悟している”。こちらの命を奪うことすら含めて。
ならば、自分の“決意”が、試される番だ。
まず、私の小説をずっと見ていただけあって
ある程度は、私の好みを知っているようです。
ですが、どうも
「薄い内容に、文章量が多すぎる」
感じがするのです。
私なら、別の情報を足して「内容を濃くする」か、
あるいは「文章をシェイプアップ」しますね。
もうひとつのツッコミどころは、これです。
ネズミー中尉は本部からの情報によって
「“WN(ヴァーン)”のパイロット=コウ・シュジーン」だと知っているのですが。
対して、コウの方は目の前の量産機の機体に「誰が乗っているかは知りようがない」のです。
しかし、ChatGPT案では
あたかも戦闘中に敵味方の交信が行われているかのように
コウが「この機体にあのネズミー中尉が乗っている」と知っていることを前提で書かれています。
どうやって知ったんだ。
まさかニュータ○プ(皆まで言うな)
いやまあ、そこですよね。
AIの限界は。
また、いらない描写がたくさんあります。
「白銀の宇宙をにらんだ」とか。
「緊張で乾いた口を引き結びながら」とか。
いらんやろ。
「自分の“決意”が、試される番だ」
とかいう説明も余計ですね。
戦闘中に試すも試されるも、そんな余裕ないやろが、と思います。
それで書きなおしてみる
では、先ほどのChatGPT案を
私が書きなおしてみると、こうなります。
実際に書いた原稿から、
「別の情報」を足した部分を略して
前後の文章をアップしたいと思います。
考えている余裕はない。
もし、相手が捨て身でコウを殺しにきているとすれば。
コウは振り返った。
その“BN(ベーヌ)”がレディエイション・ソードを振りかぶったまま突進してくる。
(中略)
だが、この“BN”は違った。
(…おれを殺すまで、一歩も退かない気だ)
決してヤケになっているのではない。
狂気ではなく、強い意志と理性に裏打ちされた「覚悟」のようなもの。
それが、一挙手一投足にあらわれている。
けれど。
「こんなところで―――」
(殺されるわけにはいかない!)
コウはレディエイション・レイピアを振りかぶった。
狙いをつけたのは、体幹中央のコックピット。
同時に盾で身を守りながら突進する。
ChatGPTに引きずられて文章が長くなりましたが。
どうでしょうか。
AIには書けない文章になったのではないかな、と思います。
また、もしChatGPT案のほうが魅力的だと思った方がいらっしゃったら、ごめんなさい。
いろんな感じ方があるので、それも「正解」だと思います。
実際、ChatGPT案には、ときどきインスピレーションを貰ったりもします。
ChatGPT案を見て「もっと自分らしく!」と発奮する。
これも、ひとつの使い方なのかな、と思ったりもします。
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