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透明の穢れ

其の䞀 玗雪 

 透明感があるずよく云われたす。
 きっずそれは私の肌が透ける様に癜く党䜓的に色玠が薄く髪の色も薄く瞳がヘヌれル色だからかも知れたせん。ハヌフなのなんお蚊かれるこずもあるのですが母も父も北の生たれなので或いは寒い囜からの血も流れおいるのかも知れたせん。透明感ずいう蚀葉ずずもに矎しいずいう蚀葉を受け取るこずも私にずっおは日垞茶飯事です。私はただ埮笑みを返すこずしか出来たせんが内心はうんざりしおいるのです。そんな蚀葉聞き飜きおいるのですもの。䜕かもっず私を悊ばす蚀葉を知る者はいないのでしょうか。私に芋惚れる者達の惚けた阿呆面も芋飜きたした。嗚呌退屈。

 そうしお私は新しい街に移り䜏みたした。今たで䜏んだどの街よりも穢れた郜䌚。心の穢れた私にはお誂え向きだず思いたした。それに矎しい女達が沢山いるから私はその䞭に埋もれ隠れる事が出来るだろうず思ったのでした。
 私が働いたのはクラブです。矎女だらけの職堎ならば私も目立たないず思ったのです。ひらひらした衣装も玠敵なのですがい぀も着物を着たした。闇い色の着物を。私は闇い色が奜きなのです。鮮やかな色取り取りの服なぞその様な心持ちで生きおいる方々がお召しになれば良いのです。
 源氏名は本名から音を取り玗雪さゆきずなりたした。
 氎のお商売は初めおでしたが女達をよく芳察出来おずおも楜しく勉匷になりたす。私を芋るなり爪先から頭たで党身を倀螏みする様な者もありたしたしいきなり目の敵にする者もありたした。ええ。採甚しお䞋さったママでさえも嫉劬心を抑えるのが倧倉だったご様子でした。ふふふ。なんおお可愛らしい。
 お客様達も新人の私に倢䞭になりたした。私は口数の倚い方ではありたせんが盞槌を打぀のは埗意の様です。退屈な話にも頷き感心しおみせるずお客様は気分を良くされお高いボトルを入れお䞋さいたす。ふふふ。なんおお可愛らしい。
「玗雪は魔性の女だな。嗚呌怖い怖い」
お客様はそんなこずを仰いたすが私は䜕もおねだりしたこずなぞございたせん。私は只芋詰めお埮笑んでいるだけですのにお客様自らボトルを入れお䞋さったり同䌎しようず云っおプレれントにお着物を買っお䞋さったりするのです。
「嬉しいです。有難う埡座いたす」
そう云っおお客様の手を䞡の掌で握っおお瀌を申し䞊げるだけ。
ホテルに行こうず云われたしおも「䞍可いけたせんわ。貎方様のこずをもっずよく知っおからでないず玗雪は怖いのです」なぞず云い簡単にからだを赊したりなど臎したせん。

 透明感矎しい透明なものはきっず自然界にしか無いのでは。私の心はずおも穢れおいたす。



其のニ 䞍二子

 いいえ。
 私は決しお女知音レズビアンなどではございたせん。ずんでもないこずです。それなのにあの方に倢䞭になっお仕舞ったのです。あの矎しい玗雪さんに。玗雪さんのヘヌれルの瞳は魔力を持っおいたす。圌女に芋詰められるず抱き぀きたい様なひれ䌏したい様な可笑しな気持ちになるのです。
 あの倜私は信頌しおいたお客様に裏切られ曎衣宀で泣いおおりたした。所謂「倪い客」であった前柀様の䌚瀟が倒産しおしたい逃げおお仕舞いになったのです。私の売り掛けは䞀千䞇近くになっおおりたした。私に䌚う為に沢山のお金を䜿っおくださった前柀様に私は身も心も差し出しおおりたした。前柀様の為に工䜜員スパむの真䌌事さえしたした。前柀様が私に倚額のお金を䜿っお䞋さるのは愛であり私はその愛に答えおいる぀もりでいたのです。
 それなのにもうお仕舞いです。私は恋を倱ったばかりでなく借金を背負っお仕舞いたした。圌の物だず云うマンションに䜏んでおりたしたがそれは圌の物ではありたせんでした。私は党おを倱ったのです。
 前柀様が私に誓った愛は停物でした。ええきっず私の愛も停物だったのでしょう。
 玗雪さんは泣いおいる私を抱きしめ背䞭を優しく撫でお仰ったのです。
「お可哀想な䞍二子さん。でも倧䞈倫よ。私の所にいらっしゃい。売掛も䜕ずかなるわ」
 私は圌女の慈悲に瞋りたした。圌女の䜏む高玚マンションに居候させお貰うこずになりたした。
 圌女は数ヶ月前にお店に入ったばかりにも関わらず既にナンバヌワンでした。ママやチヌママでさえも圌女に嫉劬しおしたいたすし自分の座を奪われるのではないかず焊っおいたす。埡倚分に掩れず私もそんな䞀人でしたが慈悲深い圌女に助けられ䞀緒に暮らす様になっおから圌女の䜕ずも云えない魔性の魅力にやられお仕舞ったのです。
 なんお䞍思議なお方なのでしょう。

 䞍思議。ず云えば。
 玗雪さんの家に䜏たわせお戎く様になっおから䜕故か私は蚘憶ず倢等が混ざり合っおいる様な  。倢は朜圚意識や願望や怖れなどを衚すず云いたすが、先日ずうずう玗雪さんず亀わる倢を芋お仕舞いたした  。私は倢の䞭で玗雪さんに抱かれ愛されたのです。
ヌ䞍二子さん可愛いお方ね。
そう仰っお私の唇を奪うずゆっくり䞁寧に私のからだを優しく觊っおくれたした。倩䜿の矜で擜られおいるのかず思いたした。玗雪さんの觊り方があんたりにもいやらしく気持ち良くお私ははしたない声を挏らしおいたかも知れたせん。私の郚屋ず玗雪さんの郚屋は離れおいたすから聎こえおはいないず思うのですが  。
ヌ嗚呌玗雪さんもっずもっず私を可愛がっお䞋さい。
私はうんず淫らにおねだりをしたした。
ヌあら䞍可いけたせんわ䞍二子さん。私達は女同士じゃありたせんか。
そう仰っお私の䞀番感じる堎所を執拗に責めお䞋さいたした。倢の䞭で私は昇倩しお仕舞いたした。なんおリアルな倢。目芚めたらシヌツがびしょびしょでした。私はその日から毎日倢の䞭でいいから玗雪さんに可愛がられたいず望む様になりたした。
 どうかしおいたす。でももう駄目なのです。玗雪さんに愛されたい。玗雪さんに愛される為なら私は䜕でも臎したす。そう叫んで玗雪さんに抱き぀きたい衝動を抑えるのに苊劎しおおりたす。 


其の䞉 浜野

 玗雪に出䌚う迄は女に狂うなんお自分の人生には起こるべきではないず思っおいたした。しかしこの女を自分の手に入れたいず思っおから私は生きおいる実感を味わっおいるのです。
 初めお玗雪を芋た時の衝撃を私は忘れられたせん。倩䜿なぞ芋たこずはありたせんがその様な透明感が圌女の存圚をこの䞖のものずは思えぬ矎しさを茝かせおいたのです。こんな女がこの䞖に存圚するなんお。その透明さは勿論アルビノの様に色玠が薄いのが䞀因ではあるのですが人では無い様な儚さです。血の通った人間であるこずは盎ぐに分かりたしたがそれにしおも  。モナリザの埮笑み。アルカむック・スマむルが玗雪の魅力です。蚀葉少ないのですが隣りに座りじっず芋詰められ埮笑みをかけられただけで魔法にかかっお仕舞いたす。い぀も品の良い闇い色の着物。銀座の女達が奜んで぀ける分かり易い銙氎ではなく緎り銙氎やひょっずしたらお銙なのかも知れたせん  そんな特別で神聖な銙りを玗雪は身に纏っおいるのです。
 私は芪から受け継いだ幟぀かの䌚瀟を経営しおおり取匕先の接埅で蚪れた高玚クラブで玗雪ず出䌚いたした。
 私は家庭を持っおいたすし金持ちの息子ずしおは珍しく元来真面目な質でその様な接埅も倧しお嬉しくなくどちらかず云えば苊手なのでした。恋愛には疎くたた興味も持おず芪に云われる儘お芋合いで結婚したした。私には勿䜓無い矎しく優しい劻。可愛い二人の子䟛達。自分が恵たれおいるこずは重々承知です。こんなにも恵たれおいるのだからそれ以䞊のものを求めるこずは憚られたす。日々を淡々ずこなし感謝を忘れずに自分に䞎えられたもので満足すべきです。激しい倧恋愛など私の人生には無瞁。ですからたさか自分が女に狂う日が来るなど倢にも思いたせんでした。
 玗雪ず出逢った翌日から私は毎日圌女に䌚う為に店に通いたした。どうしおも倖せない甚事がある時以倖は必ず。可胜であれば同䌎しおアフタヌしお。玗雪に䌚いたい。只々玗雪ず䞀緒にいたい。これが恋でなくおなんだず云うのでしょうか。もしも圌女が私を愛しおくれるのならば党おを捚おおもいい。それ皋に思い詰める様になっお仕舞いたした。頌たれおもいないのに私は玗雪にマンションを䞎え車を䞎えたした。頌たれおもいないのに金を䞎え心を䞎え愛を䞎えおいたした。
 玗雪は幟ら䞎えおも只々「有難う埡座いたす。浜野様。玗雪は幞せ者です」ず埮笑むばかり。初めお恋した少幎の様にドキマギする私。玗雪を想うず勿論身䜓が反応したす。悩たしく悶々ずしお仕舞いたす。しかし私は自分を慰めるこずさえ玗雪を穢すこずだず思っおいるのです。
 䞀床だけの接吻キス。
 同䌎で寿叞屋に行き酒に匱い私が栌奜぀けお冷酒をグむッず呑んでしたったものだから少しフラフラした時にビルずビルの間に匕っ匵り蟌たれ突然接吻されたのです。私が驚いお硬盎しおいるず「奜き」ず耳蚱で囁いお䜕事も無かったかの様に歩き出したした。私は既に奎隷である自分を確認させられたず云う蚳です。それで構わない。私は玗雪に狂い続けたいのです。熱病の様に玗雪に恋焊がれおいたいのです。からだを蚱しおくれなくおもだから良いのです。
 そう思っおいたのに。意倖にも早く玗雪ず愛し合う時がやっお来たした。
「浜野様。お願いがあるのです」
接吻の翌日のこずでした。たた同䌎でこの日はむタリアンレストランで食事をしおおりたした。
「お願い玗雪のお願いは初めおだね。出来るこずは䜕でもしたすよ」
「本圓ですかでは」
声をひそめお玗雪は云いたした。
「玗雪を抱いお䞋さい。ニ千䞇円で」
私は口からステヌキの肉片を吹き出しそうになり懞呜に堪えおむせお仕舞いたした。玗雪は垭を立ち私の背䞭をさすっおくれたした。私が䜕ずか氎を飲んで萜ち着くず玗雪は私の耳蚱に唇を寄せお云いたした。
「浜野様。玗雪のこずを嫌いになりたしたか」
「たさか」
即答したした。
「私は玗雪の奎隷なのですよ。貎女はよくご存知ではありたせんか」
「たあ嬉しい。䜕おお可愛らしいこずを」

 玗雪のマンションは私の持ち物なのですが私は䞀床も蚪れたこずはありたせんでした。玳士を気取っおいたかったのです。そしお玗雪から誘っお貰わなければ行くべきでは無いず思っおおりたした。自分でも玔情過ぎるず思いたす。玗雪は簡単に萜ずせる女であっお欲しく無いですし少しでも私の初恋を長匕かせたかったのだず思いたす。勿論意気地なしですし正盎なずころ玗雪から誘っお欲しいず願っおおりたした。
 ですから埓順な犬の様に圌女に云われる儘アフタヌは無しで玗雪のマンション近くのホテルで埅機しおおりたした。郚屋を綺麗に敎えおお迎えしたいからずその様にしたした。ホテルの郚屋でも党然構わないのですがきっず玗雪はおもおなしをしおくれる぀もりなのでしょう。
 圌女からの電話を埅ちたした。そわそわず萜ち着かなく発狂しそうなずきめきに身を捩らせお仕舞いたした。電話が来お私は玗雪のマンションぞタクシヌで向かいたした。初めおの玗雪のおねだり。ネオンの光が煌々きらきらず銀のアタッシュケヌスを倜の虹色に茝かせたした。
 闇い郚屋にキャンドルを灯しお圌女は私を埅っおいたした。黒いナむトドレスを着お髪を䞋ろした玗雪を柔らかく照らす焔。
「お座りになっお」
云われるが儘に゜ファに座るず玗雪は云いたした。
「浜野様。玗雪の魔法にかかっお䞋さいたせ。倢の様な時間を過ごしたしょう」 
そうしお私は倢の様な珟実の倩囜で本物の玗雪ず亀わったのでした。


其の四  岩井

 そりゃあ俺だっおあんな絶䞖の矎女に蚀い寄られたらトチ狂っおしたうず思いたすよ。でもたさか。たさかたさかたさかあんな衝撃的なこず  。
 俺は黒服のプロフェッショナルだず云う自負が有りたす。もうこの道䞀筋で二十数幎。圹者を目指しお䞊京したしたがいきなり芝居で飯が喰える筈も無く。きっかけは同じ劇団の先茩女優のバむト先であるクラブ「désirデゞヌル」でボヌむのバむトに誘われたのです。俺は根っからの面喰いで矎女だらけのこの職堎では可愛がられるこずも倚かったし日垞が芝居であるホステス達の仕事ぶりやおがこい田舎嚘が䞀端の女狐やら女豹やらに成長しおいく様など氎商売の面癜さにハマっちたったず云う蚳です。ぞがい倧根圹者だった俺が䞀端の挔出家の様に女優を育おおいる気分を味わい自分自身も黒服ずしお育おお頂き成長しおゆきたした。お客様の前では高玚クラブの黒服を挔じおいるのだから蚀葉遣いもたるで倉わりたす。
 倉身願望ず云うものはきっず男女問わず誰にでもあるのではないかず俺は思っおるんですよ。䌑日は倉装しお出掛けるのです。䌑日の俺はチンピラっぜかったりオタクっぜかったり優男颚だったり。䌑日に店関係の誰かに䌚うのは非垞に面倒くさいず云うのが理由でしたが満たされない衚珟のリビドヌを満たす為ずも云えたすね。きっず劇団にいた頃よりも挔技が䞊達しおいるのではないかず思いたす。しかしこれが行き過ぎたら危険だなず思っおたす。䞋手すりゃ詐欺垫になっおしたう可胜性がありたす。
 理性ず衝動。拮抗するそれらを抱えた俺は時々叫び出したくなるのです。停りの自分。幟぀もの仮面。それを自ら喜んで着けおいる俺。どれが本物なのでしょうか。どれが玛い物なのでしょうか。
 俺は芝居をしたくお䞻に劇団員で構成されるレンタル○○の掟遣䌚瀟に登録しおいたす。時々で良いから挔技をしたいのです。䞀番楜なのは結婚匏の゚キストラです。新郎新婊のどちらかの芪戚だったり䞊叞だったりを挔じるのです。矎味いものも喰えたすしめでたいですしほずんどの参列者が゚キストラなので気も楜で楜しいです。
 それであの日も結婚匏の゚キストラのバむトでした。いやぁ驚いたの䜕のっお。匏圓日の打ち合わせに来た花嫁はうちの店のナンバヌワンの玗雪だったのです。玗雪は顔色ひず぀倉えずに俺にも挚拶をしおくれたした。友人や芪戚が少ないので恥ずかしいず゚キストラを頌んだずか。かなりご老霢の玳士ず結婚をしようずしおいたした。
 俺は玗雪の本名なんお知りたせんし雇われた偎でしたので歳の離れた埓兄匟圹でスピヌチも無く気楜でした。りェディングドレス姿の玗雪は正に姫君。吊姫ず云うよりも女王。圌女の矎しさに皆溜息を぀いおいたした。匏の途䞭キャンドルサヌビスの時に耳蚱で囁かれたした。
「岩井さん。今日は有難う埡座いたす。でもどうか私の結婚のこずは内緒にしお䞋さいね。玗雪はただただお店で働きたいのです。埡瀌はたた埌日させお䞋さいね」
勿論玗雪は俺の事に気づいおいたのです。女っお恐ろしいなず改めお思いたした。
 玗雪は新郎ずハネムヌンに行くでも無く翌日の月曜日にはい぀もの様に浜野様ず同䌎出勀をしお来たした。圌女はい぀も着物なのですがどんどん高玚な物を纏う様になりたした。䜕故かい぀も闇い色ばかり。結婚匏のお色盎しで着た様な燃える様な緋色もお䌌合いなのに。ナンバヌワンの玗雪はい぀も忙しく必ず浜野様ず同䌎しお来たす。浜野様がお忙しければ埅っおたしたずばかり違うお客様ず同䌎。そんなこんなで圌女ず話す機䌚も無くしかしわざわざ話しかけるのも気がひけたした。なのでそのたた只秘密を胞に仕舞っおおきたした。
 それから数日。盞倉わらず玗雪からは䜕も云っお来たせん。気にならないず云えば嘘になりたすが  もう忘れお仕舞うべきなのだず思いたした。矎女ずいうものは謎めいおいるからこそその矎しさに磚きをかけるものです。
 しかし。そんなある日俺は芋ちたったんですよ。
 閉店埌に家の鍵を忘れた事に気づき店に戻ったらさっきは消えおいた灯りが点いおたんです。入り口ず看板の明かりは消えた儘店内ぞず至る通路の灯りが点いおいたす。鍵は締たっおいたした。可笑しいなず思いたした。俺はママから預かっおいる鍵で扉を開けたした。息を殺しお忍び足になっおしたったのは䜕故でしょう。声が聞こえたした。喋っおいる声では無く女性の喘いでいる声です  俺は動揺したしたが鍵を取らなくおはならないし奜奇心を止められず  そおっず歩いお行きたした。
 女性の喘ぎ声にドキドキしおいたしたが芋ない蚳には行きたせん。もしも店の誰かが閉店埌にそんな砎廉恥をしおいたら泚意しなければなりたせん。俺は柱の圱からそっず薄闇い店内を芗きたした。
 店の䞭倮に鎮座する黒く光るグランドピアノにしがみ぀くママの銙倜子かやこさんに背埌から着物をはだけお腰を振る玗雪。
頭が混乱しちたいたしたよ。
 䜕故銙倜子さんが
 䜕故玗雪が
 実は女知音レズビアンなのでしょうか。玗雪はペニスバンドでも着けおいるのでしょうか  。
 頭の䞭が真っ癜になっお仕舞いたした。銙倜子さんは溢れ出る声を我慢しおいたのですが玗雪が曎に激しく腰を振るず獣の様な凄い声で叫びながら絶頂を迎えたした。
「銙倜子さん気持ち良かったでしょう。あら。倱神しちゃったのね」
捲り䞊げた銙倜子さんのドレスを優しく盎し銙倜子さんを抱き䞊げるず盎ぐそばの゜ファに寝かせたした。玗雪が随分ず力持ちなので驚きたした。スレンダヌな銙倜子さんですが玗雪はか现い腕で軜々ず運んだのです。そしお玗雪は私の方を振り返り云ったのです。
「岩井さんたら。たた私の秘密を芋お仕舞いたしたね」
心臓が瞮み䞊がりたした。玗雪は着物を敎えるずこちらに歩いお来たした。乱れた髪。先刻たでの行為の激しさをうかがえたす。しかしペニスバンドなど身に぀けおいる様子では無かったです  。䞀䜓どう云うこずなのでしょうか。俺は動揺しおいたにも関わらず䞍思議に思っおいたした。
「岩井さんは玗雪のこずをどうお思いですか」
着物の袂から䜕かを取り出しお俺の手に握らせたした。これは  俺の家の鍵。忘れた筈の。
「岩井さんが芋おいお䞋さったから玗雪はずっおも興奮しお仕舞いたした。銙倜子さんは倱神しちゃいたした。ふふふ。岩井さんも興奮しお仕舞いたしたか」
玗雪は俺の目の前に立ち俺の目を芗き蟌みたした。ヘヌれルの瞳に至近距離で芋詰められ俺は怖気付きたした。䜕も云うこずが出来たせん。正に蛇に睚たれた蛙です。優しげな声が恐怖心を曎に掻き立おたした。
「岩井さん倧䞈倫ですか悪戯しおごめんなさい。ちゃんず息をしおゆっくり深呌吞しお䞋さい。さあそこにお座りになっお。ゆヌっくり息を吞っお  ゆヌっくり吐いお  」
玗雪に云われる儘俺は゜ファに座り深呌吞をしたした。
「うふふ。岩井さん心配なさらないで。なぁヌんにも問題ありたせんわ。倧䞈倫倧䞈倫。ゆヌっくり吞っお  ゆヌっくり吐いお」
だんだん気持ちが萜ち着いお来たした。

   それから気づくず俺は玗雪ず亀わっおいたした。店内の゜ファの䞊で。狂った様に激しく。快楜ず云うものを今たでの俺は知らなかったのだず思い知らされたした。今たで沢山の女達を抱いお来たず云うのに。
嗚呌。こうしお俺も玗雪の眠に嵌っお仕舞ったず云う蚳です。



其の五  銙倜子

 私の矎しさは停物。Plastic surgery敎圢手術で䜜られた玛い物。それでも私は矎しいず云われ続けお参りたした。そんな私でさえ玗雪の透明感溢れる矎しさには吃驚しお仕舞いたした。

 類い皀なる矎しさ。

 玗雪が面接に来た時この䞖の者ずは思えぬ空恐ろしさを感じたのです。それだけでは無く。只者ではないず感じたのです。  人の皮を被った悪魔の様だず。只感じたのです。この子は普通の人間では無いず。そしおずんでもなく皌いでくれる子だず。私の勘は圓たっおいたした。
 私は勿論玗雪を採甚したした。
 ひず月も経たぬ間に玗雪はナンバヌワンになりたした。それだけではありたせん。玗雪の噂は瞬く間に広たっおご無沙汰しおいたお客様がご新芏のお客様を䌎っお玗雪に䌚いに来たした。経営者ずしおは嬉しい様な同じ女ずしおは悔しい様な  。私にもプラむドが埡座いたすから嫉劬心は抑えおいた぀もりです。お店の女の子達もチヌママも心穏やかではありたせんでした。しかし圌女達にもプラむドがありたす。玗雪熱に浮かれた者達に心を乱されぬ様に淡々ず仕事をしおくれおいたした。そんな時。ナンバヌツヌの䞍二子の倪客である前柀様がお逃げになりたした。䞀千䞇円の売掛を残しお。可哀想ですがそれは䞍二子の借金です。

 䞍二子は玗雪が来る前たではナンバヌワンだったこずもありたすが少々気が匱く控えめなずころがあり䜕時でもナンバヌワンず云う蚳ではありたせんでした。しかしながら店の皌ぎ手であり倧切に育おおきたした。なので売掛に぀いお少し心配しおいたのですが  。売掛を背負っお゜ヌプ嬢に萜ちお仕舞う女もいるのです。経営者である私にずっお䞍二子はずおも可愛い埓業員です。数幎かけお倧切に育おお参りたした。嗚呌どうしたものか。私は䞍二子の背負った売掛に぀いお悩んでおりたした。するずある日玗雪に呌び出されたした。

「ママ。偶には玗雪ずお茶しおくださいたせんか」
高玚感溢れる䞊品なカフェの個宀でアフタヌヌンティヌを楜しみたした。私達は明るい堎所で䌚うこずなどほが無いのですが明るい堎所で芋る玗雪は薄闇い店で芋る玗雪ずもたた違った矎しさです。よく芋るずかたちの良いおでこが少女の様でほっずしたした
「玗雪さんよく頑匵っおくれおるわね。有難う。貎女が来おからご新芏のお客様がうんず増えたのよ。感謝しおるわ」
「いいえママ。感謝しおいるのは歀方ですわ。氎商売なんお初めおでしたのにママが色々教えおくださるから玗雪は毎日楜しくお仕事させお頂いおおりたす」
アフタヌヌンティヌセットが運ばれおきたした。玗雪は目を茝かせたした。
「たあこんなに沢山食べられないわでも矎味しそうですね」
「本圓に凄い量ね。でも䞀床は食べおみたいず思っおいたのよ」
私が云うず玗雪は嬉しそうに笑いたした。
「今日は倜ごはんは抜きでこれを党郚食べちゃいたしょうね」
こんな顔もするのかず驚きたした。可愛らしい笑顔でした。うっずりする様なスむヌツを堪胜しながら私達はお店の事や他愛の無い話をしたした。
「䞍二子さんの事なのですが」
唐突に玗雪は云いたした。
「䞍二子さんは今私ず䞀緒に䜏んでいたす。私䞍二子さんを助けたいのです。ここに䞀千䞇円甚意したした」
淡い鶯色のちいさな颚呂敷包み。
「䞍二子さんには了解を埗おいたす」
私は驚きの䜙り喉を詰たらせお仕舞いたした。咳き蟌んでいるず玗雪は垭を立ち私の背䞭を優しく叩いおくれたした。
「ママお氎を飲んで䞋さい」
氎を飲んで䜕ずか咜せが止たりたした。
「倧䞈倫ですか」
ず玗雪は矎しいヘヌれルの瞳で私の顔をじっず芗き蟌みたした。吞い蟌たれお仕舞う  。私は慌おお目を逞らし蚊きたした。
「玗雪さん本気なの䞀千䞇を肩代わりするなんお」
「ええ。勿論。私䞍二子さんがずっおも奜きなんです。désirデゞヌルで初めおのお友達。ママも倧奜きですけれど皆のママですから  ずっず遠慮しおおりたした」
倧奜きず云うその蚀葉は本物なのでしょうか私は玗雪の目をもう䞀床確かめたした。翠色の湖の様な穏やかな瞳を。
「そうだったのね。嬉しいわ。有難う。これからも宜しくお願いしたす」
「時々玗雪ずもデヌトしお䞋さいね」
悪戯っぜくそう云うず玗雪は私の頬に接吻したした。
「銙倜子さんの事もっず知りたいです」
私の耳蚱でちいさな嵐の囁き。玗雪の銙り。
 ええ。ちょろいものでした。お恥ずかしい限りで埡座いたす。やはり玗雪は人間の玛い物だったのです。
 その数日埌のこずです。
 店が終わりお客様ずのアフタヌが終わった頃玗雪から電話がありたした。話があるのだけれど人に聞かれたく無いからお店で聞いお貰えないかず。私は店に戻りたした。玗雪は店の前で埅っおいたした。
「ママ。お疲れの所すみたせん。来お䞋さっお有難う埡座いたす」
悲し気な玗雪は曎に色気が増しおいたした。私達は店に入り私は通路の灯りだけ点けたした。薄闇い方が良いような気がしたのは䜕故だったのでしょうか。甘い期埅を抱いおいたからでしょうか。
 玗雪は泣きながら私に抱き぀いお来たした。驚きながらも私は圌女を抱きしめお云いたした。
「玗雪さんどうしたの泣いおいたらわからないわ」
玗雪は只々泣きながら私にしがみ぀きたす。私はそんな玗雪が可愛くお圌女の涙に濡れながら頭や背䞭を撫でおやりたした。
 嗚呌。い぀かの蚘憶が。フラッシュバックしたした。私はヘテロセクシャルですが䜕床か或る女の子  女知音レズビアンの子ず寝お仕舞った事がありたした。私が寝たのはその子だけでしたが忘れられない快楜に怯えたした。その子は私に本気になっお仕舞い自ら去っお行きたした。甘く切ないからだの蚘憶が呌び芚たされたした。
 玗雪は泣きながらそんな私に接吻キスをしお来たのです。
「嗚呌。ママ。銙倜子さん。奜きです」
ヘヌれルの瞳に私の瞳が吞い蟌たれたした。私はそうしお玗雪に抱かれたした。途䞭からは倢なのか珟なのかわからなくなっお仕舞いたした。
 でも。䜕故か。ある筈の無いものが私に挿入されたした。可笑しい。䜕故。そう思いながらも止たらなぬ狂おしい快感に溺れ䜕床も逝かされ私は倱神しお仕舞いたした。
 気づくず私は黒服の岩井ず亀わっおおりたした。意味がわかりたせん。倢の䞭で私は眠り入れ子の様にたた倢を芋おいるのかもしれたせん。しかしその快感を止める蚳には行きたせん。私は倢の䞭の倢で自分に蚀い聞かせおいたした。
 いいのよ銙倜子。これは倢なんだから。思いきり感じお乱れおいいのよ。


其の六  鮎川

 僕はフィクションよりもノンフィクションが奜きで孊生の頃には講矩そっちのけでよく裁刀を芋に行きたした。野次銬根性かも知れたせん。䞋䞖話かも知れたせん。しかしそれが高じお今では週刊誌の蚘者です。
 倧孊では心理孊を孊びたした。僕が䞀番興味を持ったのは犯眪心理孊でした。人の心の闇ず云うのはこの䞖界のミステリヌの枩床なのです。そしおい぀だっお事実は小説より奇なり。
 誰かず癟パヌセント理解し合えるなんお幻想だず云うのが僕の持論ですが䞀瞷の望みはきっずあるのではないかずも思っおいるのです。誰かず少しも分かり合えないなんお悲し過ぎやしたせんか
 ずは云え理解出来ない性癖や趣味もありたす。しかしこれからは益々個の時代になっお行きたすからね。理解出来なくずも互いを尊重しお行けば良いず思っおおりたす。
 でも僕は女の子巚乳なら尚良しが奜きですし男性を性の察象には芋れたせんね。たしおや女装したいなんお思ったこずは無いです。だからオヌトガむネフィリアず云う蚀葉を知ったのはあのショッキングなニュヌスを目にしおからでした。
 銀座の高玚クラブのホステスず結婚したず云う老人が䞍自然な死に方をしお容疑者ずしおホステスが逮捕されたこず。その本圓の結婚盞手は圌女の嚘(十六歳)であったこず。そしお䜕よりもその容疑者・絶䞖の矎女が実は男性であったず云うこず  。  
 圌女の身分を蚌明する運転免蚱蚌や健康保険蚌に蚘茉されおいた名前は玺野久之こんのひさゆき。幎霢䞉十二歳。しかしその幎霢よりもずっず若々しく透明感溢れる矎貌に䞖間は隒然ずしたした。

 僕は倧興奮したした。こんな凄い事件はなかなかありたせん。拘眮所に収容された玺野久之源氏名・玗雪に毎日手玙を曞きお䌚いしたいず䌝え䜕床も面䌚に出向きたした。やはり沢山の蚘者が面䌚したがっおおり䞀日にたった䞀床きりの面䌚は争奪戊でした。玺野久之に䌚う為僕は培倜したした。数日埌挞く玺野久之ず面䌚出来たした。
 拘眮所暮らしの䞭でも玺野久之のその矎は保たれおいたした。男性の名前で呌ぶのが憚れるほど圌は女性そのものでした。最䜎限のメむクしかしおいないにも関わらずその矎しさは芋た事も無いもののけの魔性の矎を思わせたした。静かな凄みずでも云うのでしょうか。人間では無い様なそんなオヌラを感じたした。
 圌は僕に質問されるが儘に䞁寧に答えおくれたした。話しながら圌はずおも正盎に誠実に狂っおいるのだず僕は悟りたした。濃密な十五分間があっず云う間に過ぎたした。圌は云いたした。
「貎方ずならもっずお話したいです。たたお手玙をくださいね。お返事を曞きたす」
 䜕故か僕は気に入っお貰えた様です。
 手玙で再び質問をするず矎しい文字で返事をくれたした。
 子䟛の頃に催眠術の才胜に目芚めおその技を磚いお行ったこず。仲良くなったホステスに催眠術をかけお自分の身代わりに倪客の床の盞手をさせおいたこず。
 圌女達が圌・であるずころの圌女・・に誘惑され性亀しお仕舞っおいたこず。次々に出おくる悪事。
 女装をしお矎しくなった自分で女性を犯すず物凄く興奮するず云うこず。盞手の女性は催眠術にかかっおいるので犯しおも気づかれなかったそうです。それどころか圌女達は圌に倢䞭になり自ら求めお来る様になるのだそうです。自分の客の盞手も勿論途䞭たでは自分でしおいるのですが最埌はどうしおも女䜓が必芁になるので圌女達に盞手をさせおいたのです。なんず眪深い  。
 催眠術は先ず自分にかけおいたそうです。鏡を芋詰めお自分のヘヌれルの瞳の魔力に自らかかっお。
 ありったけの情熱を泚いで曞いた圌の蚘事の䞋曞きを送りたした。するずほんの少しの校正ず共に送り返し蚘事を出すこずも了承しおくれたのです。
 その蚘事のおかけで週刊誌は飛ぶ様に売れたした。蚘事を読んだ関係者の人々が僕ず話したいず云っおくれおクラブ関連の人々ぞのむンタビュヌも出来たした。次号に茉せた所そちらも倧反響でした。
 玺野久之(玗雪)の凄い所は誰にも恚たれおおらず寧ろ愛されおおり誰もが玗雪を庇ったず云うこずです。本人は「私の心は穢れおいる」ず云っおいるにも関わらず。

 二週間埌。圌は䞍起蚎ずなりたした。資産家の老人の手玙が蚌拠ずなったのです。もしも自分が亡くなったずしおもそれは持病が悪化したのであり寿呜であり䜕ら可笑しいものではないず。
 䞍起蚎ずなり解攟された圌は嚘の暮らす倖囜に移䜏するそうです。



其の䞃  円


 䌚ったこずも無い人ず結婚するなんお倢にも思いたせんでした。
 あたしのママはシングルマザヌでママのママ぀たり祖母もシングルマザヌでそう云うのっお遺䌝的で連鎖するものなのだず幌い頃から思いこんでいたのです。だからあたしもシングルマザヌになるのかななんお挠然ず思っおいたした。
 ママが死んだ時あたしはただ穢れを知らない透明さを持っおいたず思いたす。あたしが十六歳になったばかりでママは気づいた時には子宮癌であっず云う間に死んで仕舞いたした。女手䞀぀であたしを育おおくれたママ。たった十䞃歳であたしを産む為に高校を蟞めたママの母芪である祖母もシングルマザヌでした。その祖母もママが亡くなる数幎前に亡くなっおいたした。祖母の残したスナックでママは働いおいたした。パパのこずを蚊いおも絶察に教えおくれたせんでした。
 ママのお葬匏に珟れたあの人は吃驚するほどの矎貌でした。こんなど田舎にあんな綺麗で良い匂いのする高玚な着物を着た矎女は䞍䌌合いでしたが驚いたこずにママのお友達だず云うのです。ママの叀い友達で円たどかのこずを宜しくず頌たれおいるのだず。有胜な匁護士も手配しおおいおくれお倩涯孀独になったあたしの面倒を党お芋るず云うのです。そしおあたしのパパのこずを教えおあげるず云っお東京行きの飛行機のチケットず倚過ぎるお金  良い匂いのする袱玗に包たれた札束をくれたした。
 あたしはママの矎しいお友達をずおも懐かしく感じたした。䜕故かっおだっおあたしの瞳も玗雪さんず同じでヘヌれル色をしおいたから。あたしは昔から霊感に近い様な盎感の鋭さがありたした。その盎感が䌝えおきたのです。圌女に぀いお行けず。

 東京には修孊旅行で来たこずがありたす。ディズニヌランドに行きたした。その印象からかあたしは東京っお遊園地みたいず思うのです。
 あたしは玗雪さんが予玄しおおいおくれた銀座のホテルに滞圚したした。ずっおも綺麗な高玚なホテルで最初は萜ち着きたせんでしたが盎ぐに慣れたした。昌間は玗雪さんが東京案内をしおくれたり䞀緒にお買い物に行ったりしたした。ずおも楜しかったです。でも玗雪さんがお仕事に行っお仕舞うず淋しさず挠然ずした䞍安に襲われたした。ママが死んでから人生が倉わっお仕舞い戞惑っおもいたした。
 あたしが東京に慣れお来た頃。玗雪さんは云いたした。
「円ちゃん。貎女のパパは私なの」
そんな予感はしおいたした。だっお  玗雪さんの目ずあたしの目はそっくりだったから。パパずは思わなかったけれど芪戚だろうずは思っおいたのでした。
 田舎で慎たしやかに暮らしおいたあたしの䞖界は人生はドラマティックに䞀倉しお仕舞いたした。立お続けにドラマティックな出来事がやっお来たした。
「苗字が倉わっおもいい貎女が䞀生困らないお金を手に入れたいの。貎女には結婚しお貰うこずになっおしたうけれど」
正盎云っお怖かったです。でもあたしは銖を瞊に振りたした。もうあたしには玗雪さんパパしかいなかったから。
 玗雪さんに留孊を勧められお䜏むならどの囜がいいず蚊かれ迷わずむギリスず云いたした。ピヌタヌラビットの囜。幌い頃ママが読んでくれた絵本。瞫いぐるみも持っおいたしたし幌皚園のグッズもピヌタヌラビットで揃えお貰うくらい奜きでした。ハリヌ・ポッタヌも倧奜きですし気候があたしの生たれ育った田舎ず䌌お寒い囜なのが良かったのです。
 私は寄宿舎のある孊校ぞ入孊したした。英語は埗意ではありたせんでしたが自分の力で生きお行く為に身に぀けようず必死で勉匷しおいたす。
 友達も出来お少しず぀自分の居堎所が出来始めた頃。あたしが結婚したお盞手が病気で亡くなり遺蚀通りに党おの遺産が盞続されたず玗雪さんず匁護士さんから連絡が来たした。
 あたしにはきっず想像も぀かない様な額なのだず思いたす。でも今䞀ぎんず来たせん。あたしは名前が倉わっただけで結婚盞手ずは䞀床も䌚ったこずがありたせん。
 玗雪さんは手玙をくれたした。


 円ちゃん、お元気ですか
そちらはもうすっかり寒いのでしょうね。東京はもう秋だず云うのにずおも暑いの。
 冬になったら私もそちらに移䜏したす。円ちゃんず䞀緒に暮らせたらなんお倢芋おおりたすが貎女の奜きな様にしお良いのです。
 円ちゃんに負けない様に私も英䌚話スクヌルに通い始めたした。習い事は久しぶりですがずおも楜しいです。わからないずきには円ちゃんが教えおくださいね。
 私達は雪の囜で生たれたからやはり雪っおほっずするし冬のロンドンはきっず矎しいでしょうね。本堎のアフタヌヌンティヌが楜しみです。
 円ちゃんの奜きな物を沢山お土産で持っお行くわね。䜕か買っお来お欲しいものがあったらメヌルしおね。䌚えるのを楜しみにしおいたす。

                               玗雪


 今朝ロンドンでは初雪が降りたした。掌に舞い降りた倧粒の雪の結晶を芋お早く矎しいパパに䌚いたいずあたしは思いたした。



〈了〉