わたしと東京 〜彼女の暮らす街へ〜
それは、いまから30年ほど前…。
1990年代の半ば。元号が、昭和から平成へと変わってしばらく経った頃の話です。
私は、短い間でしたが東京で暮らしていました。当時私が住んでいたのは、品川区の大崎駅近くのアパート。立正大学の学生さんたちで賑わっていた街でした。
そのとき仕事の関係で知り合ったのが、敦子さん(仮名)。彼女は川崎市出身で、当時文京区の水道橋駅近くのマンションで独り暮らしをしていました。
彼女とは、休日に江戸東京博物館へ行ったり、よく浅草寺へ詣ったり、浅草寺近くから遊覧船に乗って春のうららの隅田川を下ってお台場まで行ったりもしました。
あの頃、スカイツリーはまだ、なかった。
その後、21世紀を迎えた年、2001年に私は関西へと帰ってきたのですが、彼女との付き合いは1年ほど続き、お互い月に1〜2回は新幹線や飛行機で東京と関西とを行き来していました。
東京…
その響きを聞くと、いまでも彼女の住む街へ行くワクワク感が、彼女の笑顔が、彼女の柔らかい声が、私の心の中に蘇ってきます。
あれから30年。
彼女はどうしているのだろうか…。
※noteコラボ企画「わたし私と東京」応募作品
©2026 九條正博(Masahiro Kujoh)
