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恋に恋して、恋から逃げていた

高校生の頃は、周りのみんなが「彼氏ができた」とか、「好きな人がいる」とか、そんな恋愛の話をしていた。
わたしも、恋愛の話がしたかった。

初めての彼氏だと周りに思われていたのは、入学後すぐの宿泊研修でペアになった男の子だった。
一緒にカヌーをこいで、「恋が始まったのかもしれない」なんて思っていた。

友達伝いにメアドを聞かれて、舞い上がったのを覚えている。
メールでやり取りをして、メールで告白された。

だけど、デートを一度もしないままGW明けに学校へ行くと、一気に夢が覚めた。

「あ、無理かもしれない……」

そう思って、すぐに別れることになった。

それでもわたしは、性懲りもなくまた好きな人を作る。
今度は、ちょっと目立つグループにいる穏やかそうな人だった。

でも今思えば、これは完全に“周りを意識した恋”だった。
かっこいいと言われている彼を好きになっている自分が、好きだったのだと思う。

たまにメールをして、たまに挨拶をする。
それだけで満足だった。

そのうち彼には可愛い彼女ができて、わたしの恋も自然と終わった。

そしてまた、性懲りもなく好きな人を作る。
今度はテニス部の寡黙な男の子だった。

でも笑うと、なんだかあざらしみたいで。
たぶん、顔がすごくタイプだったんだと思う。

教室から見えるテニスコートを、よくぼーっと眺めていた。
その彼のことは結構長い間好きで、バレンタインにチョコを机に入れたり、年賀状を交換したりもした。

ある時、遊ぶ約束をした。

だけど直前になって急に怖くなった。
兄の引っ越しの手伝いが入ったと嘘をついて、わたしはその約束を断ってしまった。

高校生の頃のわたしは、完全に“恋に恋していた”のだと思う。
彼氏が欲しかったわけじゃない。
ただ、片思いをしていたかった。

それ以来、その彼とは少し気まずくなってしまった。

そんなことをしているうちに、高専からの編入生がやってきた。

「一目惚れしたから、一緒に写真撮って」

そんなふうに、まっすぐアプローチをしてくる人だった。

少し悪そうな雰囲気で、目立つグループにいる、一つ年上だという噂の彼。
自分とは違う世界の人みたいで、未知で、とても魅力的だった。

だけど友達が彼のことをすごく嫌っていて、
「友達が嫌っている人と付き合うなんて、あり得ないな」と思っていた。

何度かデートに誘われたけれど、応えることはなかった。


そんなふうに、わたしの高校時代は“恋に恋していた”時間だった。

好きな人ができるたびに浮かれて、
でも本当に距離が近づきそうになると怖くなっていた。

あの頃の自分は恋愛がしたかったというより、青春の中に“恋”というものを置いてみたかっただけなんだろうなと思う。


スタエフでも高校生の頃の話をしました。


こまち

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