「マミー♡」と呼ぶ小学生男子
「マミー!」
小学生二年生の息子はまわりを気にせず、わたしに抱っこをせがむ。
学校行事でも、隙あらば、
「マミー!ふんふん」
鼻息荒く駆け寄って、しがみつく。
(こんなことしてる子、いないんだけど……)
まわりの目があまり気にならないみたいだ。
先日、いじめについてのアンケートがあった。小学二年生は一番いじめが多いらしい。
どきっとする。
大丈夫そう……。だけど、彼なりに我慢して、随分経ってからトラブルを話すこともある。
「息子くんは、人気者ですね」
そんな杞憂をよそに、面談で担任の先生はさらっと言った。
「やった、やられた、どちらのトラブルもきかないです。ただちょっと……幼いかな?(笑)」
「はは……」
幼いのは、分かってますとも。
「マミー♡」
今日もわたしを見つけると、大声で駆け寄ってくる。まわりから、微かな笑いが溢れる。
いつまでこんな風なのかな。
苦笑いしながら、背中を撫でる。ごつごつとした背骨が、手のひらに当たる。
娘が産まれるとき、当時3歳だった息子を実家に預けた。たった一週間。
その間に、できていたはずのトイレができなくなり、あちこちでおしっこをするようになっていた。
あの夜、突然ママがいなくなって、どんな気持ちで過ごしていたんだろう。
くすぐったがって、背中をよじる。笑い声が、手のひらに響く。
ぴょん、と飛んで、
そして、あっという間に走り去っていく。
