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これ経費になる?

「これ経費になる?」よくある4つの疑問を税理士が解説(カフェ代・スーツ・自宅家賃・ランチ)

※ この記事は Instagram リール「これ経費になる?クイズ Vol.1」の補足解説です。
リールでは ○△✕ でテンポよくお伝えしましたが、実際の税務は「ケースによって変わる」ことがほとんどです。
短い動画だけだと誤解が生まれやすいので、ここでは一つずつ、条件や例外まで含めて整理します。


はじめに:経費かどうかは「事業に必要か」で決まる

まず大前提として、経費(必要経費)になるかどうかは、

「その支出が、事業を行ううえで必要だったか」

で判断されます。

同じ「コーヒー1杯」でも、取引先との打合せで飲んだのか、ひとりの休憩で飲んだのかで扱いが変わります。
つまり「何を買ったか」よりも「何のために使ったか」が大事、ということです。

この視点を持っておくと、以下の4つもスッと理解できます。


① 打合せのカフェ代 → ○(会議費)

結論:取引先や従業員との打合せであれば、会議費として経費にできます。

  • 喫茶店やカフェでの打合せにかかったコーヒー代・軽食代は、業務上の打合せであれば「会議費」にあたります。

  • ポイントは「誰と・何のために」会ったかを説明できること。

注意したいこと

  • ひとりでカフェに入って作業しただけの場合は、打合せではないため経費性が弱くなります(私的な支出とみなされます)

  • 領収書の裏には「○○社・△△の打合せ」のように、相手と目的をメモしておいてください。

  • 高額になりすぎる飲食は、会議費ではなく交際費として扱われることもあります。

リールでは「○」とお伝えしましたが、正確には「打合せなら○」です。ひとりの分まで何でも経費、ではない点にご注意ください。


② スーツ代 → △(実は微妙)

結論:個人事業主のスーツ代は、原則として経費にしにくい支出です。

意外に思われるかもしれませんが、これは税務でよく論点になるテーマです。

なぜ微妙なのか

  • スーツは「仕事でも着るが、私生活でも着られる」もの。こうした支出を 家事関連費 と呼びます。

  • 仕事専用と私用の線引きが難しく、「これは100%仕事用」と言い切りにくいため、経費として認められにくいのが実情です。

  • 過去の裁判でも、スーツ代の経費性は否定された傾向があります。

例外的に検討できるケース

  • 制服・作業着・特定の現場でしか使わない衣服など、私生活では使わないことが明らかなものは経費にできる場合があります。

  • 法人が役員・従業員に貸与する制服等も、一定の条件で認められることがあります。

「スーツも経費でしょ?」と思われがちですが、個人事業主では原則むずかしい、というのが正確なところです。


③ 自宅兼事務所の家賃 → ○(事業で使う分だけ)

結論:自宅で仕事をしている場合、事業に使っている分は経費にできます。

  • 在宅で仕事をしている方は、家賃のうち 仕事で使っている割合 を経費にできます。これを「家事按分(かじあんぶん)」といいます。

  • 按分の基準は、たとえば「仕事部屋の面積 ÷ 家全体の面積」や「仕事に使う時間」など、合理的に説明できる基準で決めます。

注意したいこと

  • 家賃の全額を経費にすることはできません。あくまで事業に使う分だけです。

  • 持ち家の場合は、家賃ではなく減価償却費・固定資産税・住宅ローンの利息などを按分対象として検討します(ローンの元本は対象外)。

  • 電気・通信費なども、同じ考え方で按分できます。

ポイントは「全部はダメ、でも使った分はOK」。按分の根拠を残しておくことが大切です。


④ 一人ランチ → ✕(原則むずかしい)

結論:仕事の合間にひとりで食べるランチ代は、原則として経費になりません。

  • 食事は、仕事をしていてもいなくても必要なもの。そのため、ひとりの昼食代は 私的な支出(家事費) とされ、経費にはなりません。

  • 「仕事中に食べたから」という理由だけでは、経費にはできない、ということです。

例外的に検討できるケース

  • 取引先との会食・打合せを兼ねた食事 → 会議費・交際費になり得ます(①と同じ考え方)。

  • 出張中の食事 → 旅費規程にもとづく日当などでカバーできる場合があります。

  • いずれも「ひとりの普通のランチ」とは区別されます。

「経費で落とせるランチ」は、あくまで業務と結びつくものだけ、と覚えておくとよいです。


まとめ:迷ったら「説明できるか」で考える


経費の判断は、最終的に 「税務署に聞かれたとき、理由を説明できるかどうか」 が一つの目安になります。
そして、ここで挙げたものはすべて「原則」であり、個別の事情によって結論が変わることも珍しくありません。

「うちの場合はどうだろう?」と迷うものがあれば、判断を後回しにせず、お気軽にご相談ください。
正しく経費にできるものは、しっかり経費にしていきましょう。


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税理士法人牧野会計 名古屋丸の内オフィス
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いただいた疑問は、次回のクイズと解説でとりあげます。


※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する税務アドバイスではありません。
※ 実際の判断にあたっては、必ず税理士等の専門家にご相談ください。
※ 制度・取扱いは2026年6月時点の情報にもとづきます。


【出典・参考】

  • 国税庁タックスアンサー No.2210 必要経費の計算

  • 所得税法(家事関連費・家事按分の考え方)

  • 国税庁 交際費・会議費に関する取扱い

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