すっとスリ抜ける三毛猫
会社から帰ると、
おばあちゃんの三毛猫が玄関にいる。
若い頃のように駆け寄ってはこない。
ゆっくり、ゆっくり歩いてくる。
しっぽは、ちゃんと立っている。
足元でスリスリする。
私は頭をなでる。
そのまま背中を、マッサージするみたいに触る。
冬毛で、少しふわっとしている体。
抱っこしようとすると、
怒るわけでもなく、
ただ、すっとスリ抜ける。
無理はしない。
でも、離れない。
それが、今の私たちの距離だ。
抱っこはできないけれど、
それもいいかなと思っている。
玄関で待っていてくれるだけで、
今日も悪くなかったと思えるのだから。

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