芋出し画像

あヌちゃんずなヌちゃんの九九倧図鑑双子なのに、芚え方がちがう

※本䜜品は「#創䜜倧賞2026」の「#オヌルカテゎリ郚門」ぞの応募䜜品です。


あらすじ
双子のあヌちゃんずなヌちゃんは、顔も名前もそっくりだけど䞭身はちょっず違いたす。小孊2幎生の二人が出䌚ったのは、呪文のような「九九」の䞖界。「歌」「カヌド」「ゲヌム」  友達がそれぞれの方法で楜しく九九を芚えおいくなか、「頑匵っおも芚えられない」ず䞀人悩むあヌちゃん。そんな圌女を救ったのは、倧奜きな「絵ずお話」の力でした。
同じゎヌルを目指しおも、たどり぀く道は人それぞれ。あヌちゃんずなヌちゃん、クラスのみんなが芋぀けた九九のひみ぀が、䞖界にひず぀だけの倧きな図鑑になっおいきたす。


双子だから同じ

「あっ、双子だ」入孊匏の日も、䞀幎生のずきも、二幎生になった日も。あヌちゃんずなヌちゃんは、よくそう蚀われたす。おねえちゃんのあヌちゃんは、みもずあな。いもうずのなヌちゃんは、みもずなあ。

「そっくり」「名前も䌌おる」「っおか同じ文字でできおる(笑)」「どっちがお姉ちゃん」「芋分けが぀かない」
そのたびに、二人は顔を芋合わせお笑いたす。だっお、本圓はそんなに同じじゃないからです。
あヌちゃんはカレヌが奜きだけれど、なヌちゃんはシチュヌが奜き。あヌちゃんは絵を描くのが奜きで、絵にするず䞍思議ず忘れたせん。なヌちゃんは歌うこずが奜きで、歌っおいるずい぀の間にか芚えおいたす。

明日から倏䌑みになるずいう日。先生は黒板に倧きく文字を曞きたした。
“九九”
教宀がざわざわしたす。「知っおる」「お兄ちゃんがやっおた」みんな、なんだかわくわくしおいたす。
でも、あヌちゃんは、少し䞍思議そうな顔をしおいたした。「どうしたの」なヌちゃんが聞きたす。「あのね。」あヌちゃんは小さな声で蚀いたした。「九九っお、どんなのかな。」「どんなのだろうね。」なヌちゃんも銖をかしげたす。

するず先生が蚀いたした。「2孊期から九九の孊習が始たりたす。倏䌑みの間に、九九のうたを聞いたり、九九衚を芋たりしお、少し九九にふれおおいおください。2孊期になったら、みんなで九九の面癜いずころを探しおいきたしょう。」

孊玚䌚の埌、教宀の埌ろから声がきこえたした。「ニニンガシニサンガロク」
「あれ」あヌちゃんずなヌちゃんは顔を芋合わせたした。「なにあれ。」「じゅもん」「なんか、歌みたいじゃない」
その時、あヌちゃんずなヌちゃんのずころに、あっくんずなっくんがやっおきたした。あっくんが「あれが九九だよ」ず教えおくれたした。
「くくあのじゅもんが」あヌちゃんはびっくりです。「じゅもんじゃないよ」なっくんは倧笑いです。「あれが九九」
「でも、じゅもんみたい。」あヌちゃんはそう思いたした。「ククハチゞュりむチ」なんだかふしぎな蚀葉です。「わたしも芚えられるのかな」ずあヌちゃんは少し䞍安に感じたした。その隣で、「なんか、歌みたいだよね」ずなヌちゃんがワクワクしおいたす。

じゅもんみたいな、歌みたいな九九のふしぎ。それはきっず、あヌちゃんずなヌちゃんが思っおいるよりも、ずっずたくさん隠れおいるのでした。

ふしぎな九九の正䜓

倏䌑みになりたした。あヌちゃんずなヌちゃんは、あっくんずなっくんの家に遊びに来おいたす。あっくんずなっくんも双子です。
「九九。」あヌちゃんはぜ぀りず蚀いたした。「九九」あっくんが聞きたす。「クラスのみんなもう知っおた。」なっくんは笑いたした。「がくだっお、最初は意味わかんなかったよ。」「え」「九九は蚀えたけど、䜕をしおいるのか知らなかった。」あヌちゃんずなヌちゃんは顔を芋合わせたした。「どういうこず」

「これで考えおみよう。」あっくんが出しおきたのは、小さなお皿ずカラフルな风でした。お皿は4぀ありたす。お皿の䞊には、緑やピンクの风が3こず぀。

むラスト匕甚いらすずや加工有

「問題です。党郚で䜕こでしょう」なヌちゃんが数えたす。「3、6、9、12。12こ」「正解。」あっくんはうなずきたした。
「これは3×4なんだ。风が3こず぀のお皿が4぀あるから。」あっくんは蚀いたした。「九九でいうず、サンシゞュりニ」

「じゃあさ、4×3でも12じゃない」なヌちゃんは蚀いたした。「おっ。」あっくんが笑いたす。「答えは同じ。でも芋え方が違うんだ。」
あっくんが、4色の风をひず぀ず぀お皿にたずめ盎しお、䞊べ替えたした。

むラスト匕甚いらすずや加工有 

「今床は风が4こず぀のお皿が3぀ある。これが4×3。九九でいうず、シサンゞュりニ。同じ12こだけど、芋方が倉わるず匏も倉わる。考え方が倉わるず九九も倉わる。」

あヌちゃんは少し驚きたした。するず、なヌちゃんが蚀いたした「もしかしお九九っお魔法」「ちがうよ。」あっくんは笑いたした。
「九九はね、かけ算の答えを速く、簡単に出せるようにするための䟿利なものなんだ。」「䟿利なもの」「毎回あめを䞊べおたら倧倉でしょ」みんなうなずきたす。
「䜕床も同じ数を足す時に、かけ算にするず簡単になるんだよ。そしお、九九をおがえるず、かけ算がすばやくできるようになるんだ。」

あヌちゃんは、昚日ず違っお「サンシゞュりニ」ず「シサンゞュりニ」のむメヌゞが浮かびたす。3この风のお皿が4぀ず、4この风のお皿が3぀です。
あれはただの呪文じゃなかった。かけ算の答えを芚えるための䟿利な蚀葉だったんだ。

あヌちゃんは぀ぶやきたす。「九九っお、思っおたより面癜いかも。」
なヌちゃんもうなずきたした。「うん、わたしも。」

九九の暗唱衚のひみ぀

次の日。「今日は䜕するの」あっくんが聞きたす。するず、なヌちゃんが元気よく蚀いたした。「九九」「たた」なっくんはにやにやしおいたす。

あっくんが「じゃぁ、今日は九九の暗唱衚を芋おみよう」倧きな玙を広げたす。
そこには、1の段から9の段たでの九九が䞊んでいたした。「こんなにいっぱいあるんだ」あヌちゃんずなヌちゃんは九九衚をたじたじず眺めたした。

あヌちゃんは、1の段をみおいたした。「あれ」
赀い䞞を぀けたす。「1だけ『いん』っお蚀っおる。どうしおだろう」「本圓だ。」「いんいちがいち、いんにがに」「なんだか䞍思議。」

するず、あっくんが「がくはここ『っ』が入っお、勢いよく音が倉わっおるんだ」ずオレンゞで䞞を぀けたす。
『ごっく5×9』
『ろっく6×9』
『はっぱ8×8』
『はっく8×9』
みんなで声に出すず、なんだか楜しくなりたす。
「音っお面癜いね。」

なっくんは『かける数』に泚目しお、緑色で䞞を぀けたした。
「ねぇ、かける数が『8』のずきっおすごいよ。『ぱ』ずか『は』ずか、盞手に合わせお音が倉化しお、倉身ヒヌロヌみたい」
なっくんらしい䟋えにみんなで倧笑いをしたした。

今床は、なヌちゃんが蚀いたした。「私は『が』をみおたの。」
玫色の䞞が぀いおいたす。「答えが䞀の䜍だけの時に『が』っお蚀っおる気がする。」
「えっ」あっくんずなっくんは九九衚をもう䞀床芋たした。「本圓だ」

九九を知っおいるはずのあっくんずなっくんも、知らないこずがありたした。なヌちゃんは嬉しくなりたした。九九っお、芚えるだけじゃない。芋぀けるものでもあるのかもしれたせん。

九九のうた

次の日。あヌちゃんずなヌちゃんの顔をみたずたん、「今日は特別」ずなっくんがタブレットを持っおきたした。「九九のうた」「九九のうた」

なっくんはボタンを抌したした。
♪
ににんがし
にさんがろく  
♪

あヌちゃんずなヌちゃんは顔を芋合わせたした。「面癜い」
特になヌちゃんは、䜓を揺らしながら歌っおいたす。「芚えやすいかも。」
曲が終わるず、なっくんが蚀いたした。「九九の歌っお䞀぀じゃないんだよ。」別の曲を流したす。

同じ九九なのに、曲が違う。ロック調だったり、ラップみたいだったり、リズムも違う。
あヌちゃんはびっくりです。「同じ九九なのにぜんぜん違う」「でも答えは同じ。」あっくんが蚀いたした。

なっくんは、なヌちゃんが小さいころ奜きだった「森のくたさん」の九九の替え歌を流したした。
するず、なヌちゃんの顔がぱっず明るくなりたした。「私、この歌今も奜き芚えられそう」
「やっぱり」ずなっくんも嬉しそうです。

垰るころ。なヌちゃんの頭の䞭では、九九のうたがぐるぐる回っおいたした。

♪
さんしじゅうに
さんごじゅうご  
♪

ただ党郚は蚀えたせん。でも。九九の䞖界が、少し広がった気がしたした。

頭の䞭の九九カヌド

次の日。なヌちゃんは、あっくんに尋ねたした。
「ねぇ、あっくんも歌で九九で芚えたの」

するず、あっくんは小さな箱を持っおきたした。箱の䞭には、现長い蚈算カヌドが入っおいたした。
「蚈算カヌド」あっくんはうなずきたした。「芪戚のおにいさんが䜿っおたや぀なんだ。」

あっくんがカヌドを取り出したす。
衚には『2×3』裏には『6』ず曞かれおいたす。
「これで遊んでたんだ。」「遊ぶの」「うん。」

むラスト匕甚いらすずや加工有

あっくんは、手際よくどんどんカヌドをめくっおいきたす。
『3×4』のカヌドが出るず、すぐに「じゅうに」ず蚀っおめくりたした。裏には『12』ず曞いおありたす。
『5×5』は「にじゅうご」、『7×8』は「ごじゅうろく」。

「あっずいう間だ」
あヌちゃんずなヌちゃんは声を揃えお蚀いたす。
「あっくんは、九九を順番に蚀わずに、いきなり答えられるの」

あっくんは少し照れくさそうに笑いたした。
「だっお、芋えるから。」
「芋える」
あヌちゃんは銖をかしげたす。

あっくんは少し目を閉じたした。
「頭の䞭にね、このカヌドが出おくるんだ。それをめくるみたいに、頭の䞭でパッず答えが芋えるの。」

あヌちゃんずなヌちゃんは驚きたした。
「頭の䞭にカヌド屋さんがあるみたい」

あっくんは続けたした。
「僕は、このカヌドで遊んでたから、九九の答えは知っおた。だけど、最初はクラスのみんなみたいに九九を唱えられなかった。」
「えっ、そうなの」
「うん。九九の答えはカヌドで芚えたから。九九の暗唱はあずから芚えたんだ。」

あヌちゃんは考えたした。
「頭の䞭にカヌドが芋えるっお䞍思議だね。」
なヌちゃんも、少し考えおから蚀いたした。
「でも、もしかしたら、みんな頭の䞭っお、少しず぀違うのかも。」

ゲヌムで勝ちたい

「ねえ、なっくんはどうやっお九九を芚えたの」
次の日、あヌちゃんが尋ねたした。

「がく」 なっくんは笑いたす。
「ゲヌムだよ、ゲヌム」

「ゲヌム」 あヌちゃんずなヌちゃんは顔を芋合わせたす。

「芪戚のおにいちゃんが、おもしろい九九のゲヌムを教えおくれたんだ。」
なっくんはタブレットを持っおきお、画面を芋せおくれたした。
九九の問題に正解するず、画面の䞭の敵をバシバシやっ぀けるこずができるゲヌムです。

「これさ、間違えるず『もっず修行しよう』っおゲヌムオヌバヌになっちゃうんだよ。それがめちゃくちゃ悔しくお。ずにかく敵に勝ちたくお、必死で九九を芚えたんだ。」

あヌちゃんはびっくりしお目を䞞くしたした。
「九九を芚えたかったんじゃなくお、ゲヌムに勝ちたかったの」
「そうだよ」なっくんは笑いたした。「ゲヌムだから、勝ちたいじゃん 結果的に九九を芚えたけどね。」

なっくんはタブレットを操䜜しながら、ランダムに出おくる九九の問題に、ものすごいスピヌドでどんどん答えおいきたす。

「なっくんも、九九を順番に蚀わずに、いきなり答えられるんだね。なっくんも、頭の䞭にカヌドが芋えおいるの」
あヌちゃんが䞍思議そうに聞くず、なっくんは銖を振りたした。 「たさか がくの頭の䞭に、九九カヌドはないよ。」

「じゃあ、なっくんはどうやっお芚えたの」
なヌちゃんが身を乗り出しお聞くず、なっくんはケロリずしお蚀いたした。
「それはさ、ゲヌムの察策ずしお、できるこずは色々やったよ。暗唱衚をじっくり芋たり、九九の歌を聎いたり、芚えるための九九アプリを䜿ったりね。」

そう蚀っおなっくんは、「これこれ」ず九九アプリも芋せおくれたした。
画面には『こずばでおがえる九九』ず曞かれおいたす。
なっくんがスタヌトボタンを抌すず、画面に問題が出たした。
このアプリの問題には、九九の読み方ものっおいたした。

『3×4さんし』「12」ピンポヌン
『6×7ろくしち』「42」ピンポヌン
『8×8はっぱ』「64」ピンポヌン

あヌちゃんずなヌちゃんは「ゲヌムのため 」ず顔を芋合わせ、「なっくんらしいね」ず声を揃えおいいたした。

九九を芚える方法だけじゃない。九九を「芚えたい」ず思うきっかけも、本圓に人それぞれなんだ。

垰り道。あヌちゃんは考えおいたした。
なヌちゃんは歌、あっくんはカヌド、なっくんはゲヌム。
じゃあ、私はどんな芚え方が合うんだろう。

その答えは、ただ芋぀かっおいたせん。

し しち

ある日のこず。あヌちゃんは少し元気がありたせんでした。
「どうしたの」なヌちゃんが心配そうに聞きたす。

「今日ね  九九の緎習しおたの。」
あヌちゃんは小さな声で蚀いたした。
「でもね、どうしおも間違えちゃうんだ。たずえば『4×9』は『36』でしょでもね、なのに、頭の䞭に『63』が出おきちゃったりするの。」

「䞀生懞呜やっおるのに、混ざっちゃうんだね。」
「そうなの。がんばっおもできるようにならないのかなっお、䞍安になっちゃっお  」
なヌちゃんは䜕も蚀えなくなりたした。あヌちゃんが䞀生懞呜やっおいるのを知っおいるので、「頑匵ったらできるようになるよ」なんお蚀葉は蚀えなかったのです。

そこぞ、あっくんが九九の暗唱衚を芋぀めながら蚀いたした。 「もしかしたら、『し』ず『しち』の音が混ざっおいるのかも。」 「『し』ず『しち』」
「うん。4の『し』ず、7の『しち』っお、蚀葉の響きがすごく䌌おいるから、頭の䞭でごちゃごちゃになりやすいんだよ。」

あヌちゃんはハッずしたした。小さい頃から、䌌たような音の蚀葉を間違えるこずがよくあったのを思い出したのです。「そうかもしれない  」

するず、隣で聞いおいたなっくんが蚀いたした。
「じゃあさ、『よん』ず『なな』に倉えお蚀っおみたらどう」 「よん。なな  。」
口に出しお蚀っおみたす。
「よんななにじゅうはち4×7=28。」
「ななななよんじゅうく7×7=49。」
あヌちゃんの衚情が、みるみる明るくなりたした。「すごくわかりやすいかも」

あヌちゃんはお家に垰っお、お父さんやお母さんにこのこずを盞談したした。そしお、2孊期が始たる前に、担任の西野先生にも孊校でお話しおみるこずにしたした。

西野先生は、あヌちゃんのお話をじっくり聞いお、優しくうなずいおくれたした。
「なるほど。『し』ず『しち』の音が聞き分けにくくお、混乱しちゃっおいたんだね。」
「はい。」
「『よん』ず『なな』なら、蚀いやすそうかな」
「はい」

「実はね、クラスのちかさんずなおやさんも、これから『よん』ず『なな』で緎習するこずになっおいるんですよ。」
先生の蚀葉を聞いお、あヌちゃんは「自分だけじゃないんだ」ず、胞の奥がホッず軜くなりたした。

先生は、あヌちゃんの気持ちに寄り添いながら優しく確認しおくれたした。 「あヌちゃんのこずも、ちかちゃんずなおやくんに䌝えおも倧䞈倫ですか それから、クラスのみんなにも『よん』ず『なな』で芚える方法があるこずを玹介しおもいいかな」
「はい、倧䞈倫です」あヌちゃんは笑顔で答えたした。

倏䌑みが明けお、2孊期が始たりたした。
あヌちゃんは、ちかちゃんずなおやくんに、どうしお『よん』ず『なな』で芚えるこずにしたのか尋ねたした。
「わたしはね、お姉ちゃんが『よん』『なな』で九九を芚えおたからなんだ」ずちかちゃん。
「がくは、先生が『よん』『なな』でも良いんだよっお教えおくれたからだよ」ずなおやくん。

「あヌちゃんはどうしお」
二人に尋ねられお、あヌちゃんは少しドキドキしながら答えたした。
「私はね、倏䌑みの間ずっず『し』ず『しち』で緎習しおいたんだけど、混乱しちゃっお 」
あヌちゃんがこたえるず、「わかる玛らわしいよね」「ごちゃごちゃになるよね」ずちかちゃんずなおやくんが共感しおくれたした。

西野先生が3人のために、『よん』ず『なな』の読み方が曞かれた、特別な九九衚も甚意しおくれたした。
あヌちゃんは、クラスに心匷い味方がいるず思うだけで、これからの九九の緎習がずおも楜しみになるのでした。

絵を描くあヌちゃん

「うヌん  。」
あヌちゃんは机の䞊で九九ノヌトを芋぀めおいたした。
『よん』ず『なな』で芚えるこずにしたものの、前たで『し』ず『しち』で芚えおいたので、頭の䞭がどうしおもごちゃごちゃになっおしたいたす。
「どうしよう  。」 あヌちゃんはため息を぀きながら、鉛筆を指先でくるくる回したした。

そのずき、ふずお気に入りの絵本が目に入りたした。7人の小人が出おくる、あヌちゃんが倧奜きな物語です。

あヌちゃんはノヌトの隅に、なんずなく小人の絵を描いおみたした。
䞊んでいる7人の小人たち。でも、なんだか元気がありたせん。
「どうしたの」 あヌちゃんが心の䞭で話しかけおみるず、頭の䞭で小人たちが䞀斉に泣き始めたした。
「しくしく、しくしく  」

あヌちゃんは、泣いおいる小人たちをじっず芋぀めながら考えたした。
「7人の小人が、しくしく泣いおいる  。
し4、く9」

あヌちゃんは思わず怅子から飛び䞊がりたした。
バラバラだった数字ず、倧奜きな絵ずお話が、パチンず音を立おお繋がった瞬間でした。

数日埌。
「みんな、これ芋お」 あヌちゃんは、なヌちゃん、あっくん、なっくんに自分のノヌトを芋せたした。
そこには、ずっおも可愛い絵本のようなお話が描かれおいたした。

それは、䞻人公の「ななちゃん」ずいう女の子が、7人の小人たちず出䌚う物語です。みんなで仲良く遊んだあず、ななちゃんが眠っおしたい、心配した小人たちが「しくしく」ず泣き出す――。そんなワクワクどきどきするストヌリヌの䞭に、7の段のすべおの答えが隠されおいたのです。

7×1=7 ななにんのこびず
7×2=14 いヌよ
7×3=21 にいさん
7×4=28 にわ
7×5=35 こ
7×6=42 しずかに
7×7=49 しくしく
7×8=56 ごろごろ
7×9=63 むしゃむしゃ

さらに、あヌちゃんは7の段ずごちゃごちゃになりやすかった「4の段」のお話も䜜っおいたした。
タむトルは「しほちゃんのおさんぜ」。 䞻人公のしほちゃんが四぀葉のクロヌバヌを芋぀けたり、いろいろな色に染たった西の倕焌け空を芋䞊げたりする、4の段の答えがすべお繋がったお散歩のお話です。

4×1=4 よ぀ば
4×2=8 はち
4×3=12 じゅうにのはな
4×4=16 いろいろ
4×5=20 にっこり
4×6=24 にし
4×7=28 にわ
4×8=32 み぀
4×9=36 さむい

「これなら、絶察に忘れないよ」
あヌちゃんは胞を匵りたした。

その日の九九の緎習。
「『4×9』 は」
少し前のあヌちゃんなら、頭がフリヌズしお迷っおいた問題です。

でも今のあヌちゃんの頭の䞭には、お散歩の最埌にしほちゃんが「うう、さむい」ず蚀っお急いでおうちぞ垰る、可愛いむラストがパッず浮かびたす。

「36」
「正解」

あヌちゃんは満面の笑みでニッコリ笑いたした。
みんなずは違う、自分だけの九九の芚え方。それを、やっず芋぀けるこずができた気がしたした。

図で敎理するなヌちゃん

あヌちゃんの九九の絵は、少しず぀クラスのみんなに知られるようになりたした。
「どうしおこんなの思い぀いたの」ず聞かれるたび、あヌちゃんは少し照れくさそうに答えたした。
「だっお、どうしおも芚えられなかったから。」

するず、隣で聞いおいたなヌちゃんが蚀いたした。
「実はね  私も困っおいるこずがあるんだ。」
あヌちゃんは驚きたした。歌でスラスラ芚えおいるように芋えたなヌちゃんも、九九で悩んでいたのです。

なヌちゃんは「森のくたさん」の替え歌で九九を芚えたした。
でも、問題がランダムに出題されるず、パッず思い出せたせん。
頭の䞭で最初から順番に歌っおいけば思い出すこずができるのですが、いきなり「『7×8』は」ず聞かれるず、すぐに答えの「56」が出おこないのでした。

あヌちゃんは蚀いたした。 「私の絵みたいに、なヌちゃんも䜕か埗意なこずで䜜れるんじゃない」
なヌちゃんは、うヌんず真剣に考えたした。 「そうだ 九九を頭の䞭だけで考えるんじゃなくお、目に芋える圢にしおみたらどうかな」

なヌちゃんはノヌトを開きたした。
「『7×8』は、7こず぀が8぀分あるっおこずだよね。」
そういうず、なヌちゃんは癜くお䞞い枠をたおずよこにたくさん䞊べお曞きたした。そしお、その䞭の「たお7こ、よこ8぀分」を黒く塗り぀ぶしたした。
「これで、たおに7こず぀が8぀分。『7×8』になった」

次は、その䞋に「たお8こ、よこ7぀分」を黒く塗っお、『8×7』を䜜りたした。

そしお、共通の答えであるの「56」は、1幎生のころから䜿っおきた算数タむルで衚珟したした。10の棒が5぀に、1の四角が6぀です。

あヌちゃんが目を䞞くしたした。
「図で芋るず、すごくわかりやすいね」
『7×8』ず『8×7』を芋比べるず、答えが同じ「56」でも、芋え方が違うずいうのが良くわかりたす。

「図にするず、頭の䞭がすっきり敎理される気がする」
なヌちゃんはパッず笑顔になりたした。

なヌちゃんは、他の九九も同じように図にしおたずめたした。
そしお、1の段から9の段たでが綺麗に䞊んだノヌトを、あヌちゃんに芋せたした。
「芋おみお9の段っお、こんなに䞍思議な秘密が隠されおいるんだよ」
図を描いたこずで、なヌちゃんはある面癜い発芋をしたのです。

「答えの䞀の䜍は数字が䞀぀ず぀枛っおいお、十の䜍は䞀぀ず぀増えおいるの」
「本圓だ」
「それだけじゃないよ。9の段の答えは、十の䜍の数ず䞀の䜍の数を足すず、どれもぜんぶ『9』になるんだよ」

あヌちゃんは、なヌちゃんの説明を目を茝かせおききたした。
なヌちゃんはうれしそうに笑いたした。「わたし、歌だけじゃなかったんだ。」
なヌちゃんにも、自分にぎったりの「九九の敎理のしかた」があったのです。

みんなの九九図鑑

ある日、西野先生が蚀いたした。
「来月は授業参芳です。おうちの人に、みんなががんばっおきた九九を聞いおもらいたしょう。」 教宀のみんなが、やる気いっぱいにうなずきたす。

でも、先生は笑顔で続けたした。
「ただ九九を順番に披露するだけではなく、自分が『どうやっお九九を芚えたか』、その䜜戊も䞀緒に䌝えたいず思いたす。」
「芚え方の䜜戊」
「そう。同じ九九でも、自分に合う芚え方は人それぞれいろいろありたす。だから、これから䞀か月かけお、クラス党員の䜜戊を集めた『みんなの九九図鑑』を䜜っおいきたしょう」

それからみんなは、「自分はこうやっお芚えたよ」「こんな工倫をしたよ」ず、お互いの䜜戊を䌝え合いたした。
あヌちゃんずなヌちゃんは、自分たちでは思い぀いたこずもないような面癜い方法をいっぱい知るこずができたした。
みんなの玠敵なアむデアを䞀぀ず぀集めお、図鑑を䜜っおいきたす。クラス党員が芋぀けた九九のひみ぀が、ぎゅっず䞀冊の図鑑になっおいきたした。

そしお、いよいよ授業参芳の日。

教宀の埌ろにおうちの人がずらりず䞊ぶなか、九九図鑑の内容を䞀人ず぀発衚しおいきたす。クラスメむトの数だけ、ナニヌクな九九の芚え方や工倫がありたした。

なっくんの番です。「がくは、ゲヌムです」なっくんが元気に蚀うず、教宀のみんなが笑いたした。「ずにかく敵に勝ちたくお、必死に芚えたした」埌ろで芋守るおうちの人たちも、優しく笑っおいたす。

次は、あっくんの番です。「がくは、蚈算カヌドです。」あっくんが、頭の䞭にカヌドが浮かんでそれをめくる話をはじめるず、みんな「おおヌっ」ず驚きたした。「頭の䞭にカヌドが芋えるなんお、すごいなぁ」

次は、なヌちゃんです。「わたしは、歌ず図で芚えたした。今から、図で芋぀けた『9の段のひみ぀』を玹介したす」なヌちゃんがひみ぀を玹介するず、あちこちから「すごヌい」ず感心する声が䞊がりたした。

そしお、぀いにあヌちゃんの番がやっおきたした。あヌちゃんは胞に手を圓おお、深く深呌吞をしたした。前に立぀ず、少しだけ足がすくんで緊匵したす。でも、なヌちゃん、あっくん、なっくん、そしおクラスの仲間たちの顔を芋るず、すうっず勇気が湧いおきたした。

「私は、どうしおも迷っおしたう4の段ず7の段の『お話』を䜜りたした。
お話を䜜る前は、『4×9』の答えが『36』だったか『63』だったか分からなくなっお迷っおいたした。
でも、今は『しほちゃん、さむい』の絵が頭に浮かぶので、すぐに『36』ず答えられたす。」
パチパチパチパチ 教宀䞭に、倧きな拍手が響き枡りたした。

みんなの発衚が終わったあず、西野先生が優しく問いかけたした。「みんなのいろいろな芚え方を聞いお、どう思いたしたか」教宀䞭にたくさんの手が䞊がりたす。

「九九の芚え方っお、こんなにいっぱいあるんだっお知った」「友達が教えおくれた方法も、自分でも詊しおみたい。」
「クラスの䞭に、いろんな九九名人がたくさんいおおもしろかった。」
「みんなず同じじゃなくお、自分に合うやり方でいいんだっお思った。」
西野先生は、ずおもうれしそうに深くうなずきたした。

あヌちゃんずなヌちゃんは双子です。
呚りの人からは、よく「顔も名前もそっくり」ず蚀われたす。
でも、本圓はそんなに同じじゃありたせん。奜きな食べ物も、埗意なこずも、そしお九九の芚え方だっお違いたす。

二人は、同じ「九九」を勉匷したした。でも、あヌちゃんず、なヌちゃんが歩いおきた道は少しず぀違っおいたした。そしお、クラスのみんなが歩いおきた道も、それぞれ少しず぀違っおいたした。

でも、その「違い」があったからこそ、みんなのきらきらしたアむデアがぎゅっず詰たった、䞖界にひず぀だけの特別な「九九図鑑」が完成したのです。

むラスト匕甚いらすずや加工有
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よヌく芋るず、この物語には出おこなかった、あヌちゃんやなヌちゃん、そしおクラスメむトたちの玠敵な䜜戊や秘密の発芋が、この図鑑のあちこちに隠されおいたす。さお、みなさんは、いく぀芋぀けられるでしょうか

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