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yumenotamago
夏の青
水の音をそのまま染めたような、 夏の青を纏っていた。従姉妹のお下がりの浴衣で、今年は私が袖を通す番だった。
賑やかな夏祭りの中、今日ばかりは商店街のど真ん中を歩く。人の流れに運ばれるまま歩いていると、思いがけず打ち水の柄杓を握らせてもらった。
威勢のいい声に応えるように、熱を放つアスファルトめがけて思いきり水を撒いた。
ぱしゃり、とひらいた水はたちまち地面に吸い込まれ、その後を追うように涼風が吹き抜けた。濡れた路面に、浴衣の青がそっと滲んでいく気がした。
耳を澄ませば、からん、と響く下駄の音と寄せては返す祭囃子が、ゆるやかな波を作っている。幾つもの月日を重ねてきたこの青が、ここにしかない夏の色をたっぷりと吸い込んで、胸の奥へと淡く染み込んでいくようだった。
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