中毛猫との暮らしは、毎日がブラッシングとの戦い。
中毛のキャンディは、すぐに被毛が固まる。
ふわふわで可愛い反面、気がつくと背中やお尻周りの毛がバリバリになってしまうのだ。

ブラッシングをすればいい話なのだが、キャンディは ブラッシングが大嫌い。
ブラシを近づけた瞬間、パンチが飛んでくる。
もちろん、大人しくなんてしてくれない。
碧君もブラッシングは好きではないが、短毛なので手入れはずいぶん楽だ。
毛玉ができないからだ。
仲良し同士の猫なら、お互いにグルーミングをしてくれることもあるのだろう。
でも、うちの2匹はそんな関係ではない。
ほどよい距離感を保ちながら暮らしている。
だから、毛玉は人間が何とかするしかない。
さらに困るのが、お腹を壊したときである。
便が緩くなって、お尻周りの毛についてしまうと、最悪の事態である。
風呂場へ直行。
キャンディは大絶叫。
結局、2人がかりで押さえ込み、便がついた毛をハサミでカットすることになる。
「お尻周りの毛だけでも短くカットしてもらおうか。」
そう思ったことは何度もある。
でも、子どもは言う。
「ストレスがかかっちゃうから、やめたほうがいいよ。」
私も、その通りだと思う。
一度、家でバリカンを使おうとしたこともあるが、うまくいかなかった。
キャンディがお腹を壊すと、我が家の平和な日常は一瞬で終わる。
幸い最近はお腹の調子も落ち着いているので、大惨事は起きていない。
最近は、ご飯を食べている隙を狙って、少しずつブラッシングをする作戦にしている。
飛んでくるパンチをかわしながらブラシを入れ、固まった毛は手でほぐす。
さらに、ちゅ〜るを食べている間は比較的大人しいので、その隙に毛玉をハサミでバッサリ。
毎日少しずつ。
そんな地道な作業を続けた結果──

「キャンディの背中、スベスベじゃん。」
子どもが気づいた。
「凄いでしょ。」
パンチをかわし続けた母の努力である。

猫のお世話も、なかなか大変だ。
大人しくしてくれれば、ブラッシングも、爪切りも、お風呂も、お尻周りの毛のカットも、あっという間に終わるのに。
……ほんの一瞬だけ、
「5分だけ大人しくなる魔法があればいいのに。」
そんなことを本気で願ってしまう、母なのであった。
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