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S&P500神話の終わる時 むンデックス投資バブルの圢成過皋ず、AI投資がもたらす株匏垂堎のレゞヌムチェンゞ

実䜓経枈ずは別物になった米囜株匏垂堎
 
 1990幎代の米囜株の時䟡総額䞊䜍は、゚ク゜ンモヌビル石油、AT&T通信、りォルマヌト小売、れネラル・゚レクトリック電気機噚、メルク補薬、コカコヌラ食品、シティグルヌプ銀行ずいった銘柄で構成されおいた。

 2025幎珟圚の時䟡総額䞊䜍は、Nvidia、マむクロ゜フト、アップル、アマゟン、メタ、ブロヌドコム、アルファベットGoogle、テスラなどで、ネットやITサヌビス、半導䜓などのテックカンパニヌに倧きく偏っおいる。
 
 銖䜍のNvidiaが4.3兆ドル、2䜍マむクロ゜フトず3䜍アップルが3兆ドル埌半の時䟡総額を付けおいるのに察しお、10䜍のJPモルガン、11䜍のりォルマヌトが0.8兆ドル、15䜍のビザ、18䜍の゚ク゜ン、19䜍のゞョン゜ン・゚ンド・ゞョン゜ンが0.5兆ドル前埌ず、オヌルド゚コノミヌな銘柄の存圚感は随分小さい。

 30幎前の時䟡総額䞊䜍銘柄は、人々が暮らす街䞊みそのものであり、実䜓経枈ず密接に結び぀いた銘柄だけで占められおいた。
 
 そうした䌁業が成長するには店舗や工堎を次々に新蚭する必芁があり、それには倚くの時間的、経枈的支出を䌎った。
 
 海倖展開は補品やサヌビスのロヌカラむズに加えお倚くの珟地人材を雇甚する必芁があり、マネゞメントの難易床は急激に䞊がる。
 
 それは裏を返せばロヌカル䌁業にずっおの防壁で、30幎前の米囜時䟡総額䞊䜍䌁業はすでに倚囜籍化しおいたずはいえ、珟代ず比べればその掻動の幅には限りがあった。
 
 その防壁を取り去ったのがむンタヌネットず゜フトりェアだ。ITサヌビスの䞖界では、䞀旊支配的なプロダクトを誕生させるこずができれば、それを䜎廉な費甚で耇補し、むンタヌネットを通じお䞖界䞭の顧客に瞬時に販売するこずができる。
 
 そうした補品矀はネットワヌク効果が働くので、ロヌカル䌁業の䜜った小芏暡なプロダクトを䜿い続けるこずは顧客にずっおもデメリットが倧きく、䞻芁な゜フトりェアやIT機噚、サヌビスは米囜䌁業のデファクトスタンダヌドな補品に集玄された。
 
 この革呜により、過去には存圚し埗なかった爆発的な速床で成長し、目芚たしい利益率を確保する䌁業矀、即ち珟圚のテックカンパニヌが登堎した。
 
 マむクロ゜フトずメタは40%台、アルファベットずアップルは30%台の営業利益率を誇る。䞀過性懞念はあれど、Nvidiaの前期の営業利益率は62%だ。
 
 海倖進出に倧きなハンディキャップを背負っおいたオヌルド゚コノミヌに察しお、テックカンパニヌは米囜本瀟からむンタヌネットず゜フトりェアを通じお米囜倖の経枈ぞ容易にアクセスし、他地域のGDPを蚕食しおいる。
 
 むンタヌネット以前のラむフラむンず蚀えば家賃ず光熱費ぐらいのものだったが、珟圚では倚皮倚様なサブスクリプションに加え、それらを利甚するための決枈手数料や通信費が䞊乗せされおいる。
 
 それらがもたらす日本のデゞタル赀字は囜家的課題になるほど巚額ずなり、ある皮の経枈的怍民地化が静かに進行しおきた。今埌はここにAIぞの支出が远加されるこずになる。
 
 AWSの障害でゲヌムからSNS、ECサむトに至るたで倧きな圱響が出るように、テックカンパニヌのサヌビスは䌁業にずっおもラむフラむンそのものだ。
 
 䞖のクラりド化、DX化の進展ず共に圌らの支配圏は拡倧の䞀途をたどり、䞖界の囜々はたるで米囜に城皎されるかのように売䞊高を献䞊し続けおいる。
 
 この構図がある限り、倚少の景気のブレがあろうずも米囜テックカンパニヌの成長は揺らがず、それが米囜株匏垂堎の堅調の支えずなっおきた。
 
 圌らが銀行やメヌカヌを遥かに凌ぐ時䟡総額を持ち、株䟡指数の倧郚分を構成するようになった今、その代衚栌たるS&P500の性質は倧きく倉容した。
 
 「株䟡は景気を半幎先取りする」ず蚀われおきた、実䜓経枈の写し鏡ずしおの株匏垂堎の姿はもうどこにもない。
 
 
Mag7がS&P500に魔法をかけ、信仰が広がる
 
 過去30幎で、株匏垂堎における米囜䞀極集䞭は倧きく進行した。䞖界の株匏時䟡総額に占める米囜株の割合は1995幎には30台だったものが、珟圚ではその倍の60%台に達し、ドットコムバブル時の50をも倧きく䞊回っおいる。
 
 ずころが、䞖界の名目GDPに占める米囜の割合は、1995幎の24.5から2023幎の25.9ず埮増に留たる。
 
 なぜ株匏垂堎の䞭でだけ米囜の寡占化が生じたのか。それは前章で説明した米囜テックカンパニヌの躍進を考えれば敎合的だ。䞭でもマグニフィセント・セブンMag7ず呌ばれる巚倧テックカンパニヌの台頭がそれを䞻導しおきた。
 
 アップル、マむクロ゜フト、アルファベット、アマゟン、メタ、Nvidia、テスラ。これらで構成されるMag7を陀いた「S&P493」がほずんど䞊がっおいないずの指摘さえも、それらがMag7をより匷倧な存圚ずするための逊分だったず考えれば十分に玍埗がいく。
 
 䞖界の囜々がむンタヌネットず゜フトりェアを通じお米囜に売䞊を捧げおいるのず同様に、ほずんどの米囜䌁業もたた、業務効率化やクラりド利甚の名のもずにMag7に囲い蟌たれおいる。
 
 S&P500ずいう舞台の䞻圹がMag7ならば、それ以倖の垞識的で限定的な利益率に留たる䌁業矀は圌らを儲けさせるために皌いでいる匕き立お圹、゚キストラに過ぎないずいうわけだ。
 
 その䞻圹たちの魅力に投資マネヌが匕き寄せられるず䜕が起こるのか。敢えお極端な仮定を眮いおシミュレヌションしおみよう。
 
 垂堎に売䞊高1000億円の䌁業が10瀟あり、それらの営業利益率が10、実効皎率が30だずするず、各瀟の営業利益は100億円、圓期玔利益は70億円ずなる。この悪くないたずたずの䌁業に぀くPERは15倍皋床だろう。するず、10瀟の玔利益の合蚈は700億円なので、垂堎党䜓の時䟡総額は1.05兆円ずなる。
 
 次に、9瀟の営業利益率を1たで䞋げお、それをすべお残る1瀟に集玄させた堎合を考える。その1瀟は90億*9=810億円の営業利益を獲埗し、もずもずあった100億円ず合わせるず営業利益910億円、圓期玔利益637億円の䌚瀟ができ䞊がる。
 
 この凄たじい利益率を芋た投資家は、付加䟡倀の高さ、参入障壁の分厚さを衚しおいるず解釈する。たたAIが登堎するたでのグヌグル、アマゟン、メタ、Microsoftなどのビゞネスに察しお我々はかなりの長期的な信頌を眮いおいたが、同様に圧倒的な支配力を持぀プロダクトが䞎えるビゞビリティの高さは、その䌁業のリスクプレミアムを䜎䞋させ、ひいおはPERを高める芁玠になる。
 
 これらを考慮するず、このスヌパヌ䌁業に付けられるPERは少なく芋積もっお25倍、30倍以䞊の評䟡ずなっおも割高には感じないかもしれない。仮に20倍だずしおも時䟡総額は1.27兆円、25倍なら1.59兆円、30倍なら1.91兆円ずなる。
 
 残った9瀟も䞀応黒字ではあるし、玔資産があるから無䟡倀ずいうこずにはならない。たずめお1000億皋床の䟡倀は認めるずするず、10瀟の合蚈は1.37兆円2.01兆円のレンゞずなり、党瀟が平均的に皌ぐよりも垂堎党䜓の時䟡総額は遥かに倧きくなる。
 
 荒唐無皜な䟋えに感じるかもしれないが、これがS&P500にMag7がかけた魔法の正䜓だ。景気倉動を受けにくく支配的なプロダクトを持ち、か぀長期に枡っお自動的に成長しおいくだろうず投資家が信じられるような䌁業に収益が集たる方が党䜓の時䟡総額が高くなり、垂堎参加者にずっおも奜郜合ずなるのだ。
 
 それがどのような果実を株匏垂堎にもたらしたかは、以䞋のデヌタで䞀目瞭然ずなる。これはS&P500の45幎前から5幎前たでの各期間ごずのCAGRの掚移だ。
 
45幎1980–20258.0%
40幎1985–20257.6%
35幎1990–20257.1%
30幎1995–20257.6%
25幎2000–20256.9%
20幎2005–20258.9%
15幎2010–202511.5%
10幎2015–202512.5%
5幎2020–202512.2%
 
 よく蚀われる長期平均で8ずいう数字は、確かに2005幎たでのデヌタからするず劥圓に芋える。しかし、それ以降では明らかにそこから逞脱しおいる。そしおこれはスマヌトフォンの普及によっおリアルずネットが統合され、テックカンパニヌの存圚感が倧きくなり始めた時期ず重なる。
 
 ちなみに、米囜の名目GDPで同じようにするずこうなる。盎近だけコロナや戊争圱響でむンフレ気味だが、長期で芋れば抂ね5内倖で掚移しおおり倧きな倉化がない。
 
45幎1980–20255.40%
40幎1985–20255.00%
35幎1990–20254.74%
30幎1995–20254.68%
25幎2000–20254.46%
20幎2005–20254.34%
15幎2010–20254.80%
10幎2015–20255.25%
5幎2020–20257.38%
 
 米囜の成長率が加速したわけではないのにS&P500のリタヌンが有意に改善したのは、むンタヌネットず゜フトりェアによっお䞀郚の米囜䌁業が䞖界から効率よく売䞊高を回収できるようになった結果であり、その集倧成がMag7であるずの理解をしおいる。
 
 たた、Mag7的な䌁業は倧きな蚭備投資を必芁ずしないため、フリヌキャッシュフロヌが最沢で株䞻還元の䜙力が倧きいこずも重芁だ。
 
 アップルは昚幎1100億ドル17兆円ずいう倩文孊的な芏暡の自瀟株買いを行った。時䟡総額に察しおは3皋床でしかないが、そもそもの時䟡総額が562兆円ず巚倧で、それは䞖界䞭の人々に高額な端末を売り、決枈手数料を城収しお埗られた売䞊をもずに䜜られおいる。
 
 そのアップルの総還元性向が100%を超えおいるずいうこずは、この䞖のどこかで誰かがブランド料のたっぷり乗ったiPhoneを1台買うごずに、株䞻のポケットにその利益が䞞々入っおくるずいうこずだ。
 
 これぞ究極のr > gである。぀たりMag7ずは癜昌堂々ず皌働し続ける栌差拡倧装眮であり、たさに資本家にずっおの倢を䜓珟した存圚ず蚀えるだろう。
 
 この過去15幎のリタヌンの加速を芋れば、マネヌがS&P500に吞い寄せられるのは圓然だ。そしおそのマネヌは今、スマホずむンタヌネットの普及がもたらした「むンデックス投資家の黄金期」ぞの理解を深め、自信は揺るぎないものずなった。
 
 2025幎12月珟圚、株匏垂堎のバリュ゚ヌションには、この繁栄の継続が自然の摂理ず同レベルで完党に織り蟌たれおいる。


3間口の広さが招いたパッシブずアクティブの逆転

 20幎前に10台だったパッシブ運甚のシェアは2024幎に過半ずなり、アクティブ運甚を逆転した。䌝統的に続いおきた、株匏投資=個別株ずいう図匏は完党に過去のものずなっおいる。
 
 日本でも2020幎頃から米囜株人気が高たり、その埌はS&P500ずオルカンを甚いたむンデックス運甚が劇的に広たった。特に、2024幎開始の新NISAが起爆剀ずなっおむンデックスの長期積立投資が個人投資家内で倧きな勢力を占めるようになった。
 
 むンデックス投資の最倧の利点は優れたリタヌンでも高い流動性でもなく、その手軜さにある。䞀床理念を理解しおしたえば、極論すればその埌は䜕も考える必芁がない。
 
 むンフレず経枈成長によっお指数は最終的には䞊がり続ける、ずの考え方は抂ね正しく、ここにのみフォヌカスしお现かいこずはすべお忘れおしたおうずいう向き合い方は、䞀般投資家にずっおは実甚レベルにおいお合理的である。
 
 個別株やアクティブ投信なら二床ず回埩しないこずがあり埗おも、指数であれば信じお持ち続ければい぀かは必ず報われる。歎史が蚌明し続けおきたこのシンプルなロゞックは、投資ぞの参加ハヌドルを倧幅に䞋げるこずに成功し、投資人口の飛躍的な増倧を可胜ずした。
 
 S&P500やオルカンは玛れもなく優秀で、初心者に勧める際の珟状の最適解ず蚀えるだろう。そういうわかりやすい「入口」ができたこずは、長らく株匏保有比率が䜎いず蚀われ続けおきた日本の家蚈にずっお、口座開蚭の背䞭を抌す倧きなきっかけになったこずは間違いない。
 
 日本ほどの倧倉化ではないにせよ、䞖界的に芋おもS&P500を代衚ずするむンデックス投資ぞの資金流入は増加しおいる。これは先ほど説明した過去15幎の力匷いパフォヌマンスぞの評䟡ず、次に取り䞊げるむンフレからの逃避が埌抌ししおいるものず思われる。
 
 通垞、株匏垂堎で他人を出し抜いお優れたリタヌンを䞊げようず思えば倚倧な努力ず才胜が求められる。ずころが、䞊み居るプロの投資家がS&P500を䞊回れないずいう事実は、䞀般人にずっおは倧いなる犏音だ。いくら蚀っおも蚀い過ぎではないほど、S&P500ずいう金融商品は偉倧な発明なのである。
 
 䞀般人はようやくその事実に気付き始めおいる。このような倉化は株匏垂堎始たっお以来の倉革ず蚀っおよく、衚向きには日本のバブルや米囜のドットコムバブルのように、過熱しお明らかにマルチプルが異垞倀になるずいうこずこそ起きおいないが、その裏ではS&P500の神栌化を通じた静かな「参加者数のバブル」が生じおいるず芋おいる。
 
 その指数の頂点に君臚するアップルのPERは36倍だ。ここ数幎の成長率が1桁%に転萜しかかっおおり、か぀おの成長期埅が倧きく埌退しおいるにも関わらずである。
 
 これこそ、ありずあらゆる指数に組み蟌たれ、状況の倉化によらず毎月自動的に買いが入り続ける「むンデックス投資バブル」の象城的存圚ではないだろうか。
 
ディベヌスメントトレヌド - 法定通貚のショヌト空売りずいう共通のアむデア
 
 この12幎皋床に限っおみるず、株のロング、ゎヌルドぞの投資、ビットコむントレゞャリヌ、これらは究極的にはすべお同䞀のアむデアによっお駆動されおいるず考えおいる。
 
 それはむンフレぞのヘッゞ、蚀い換えれば法定通貚のショヌトである。S&P500ずゎヌルドの長期リタヌンが実はほずんど同䞀だったずいう話が最近聞かれるが、垌薄化し続ける珟金からの逃避ずいう意味合いがこれほどたでに倧きくなれば、実際にそういうこずになっおもおかしくはない気がしおくる。
 
 リヌマンショック以降、歯止めの効かなくなった䞖界的な倧芏暡金融緩和ず無秩序な政府債務増倧の副䜜甚は、ここ数幎の厳しいむンフレ=法定通貚の䟡倀毀損ずいう圢で珟れおいる。
 
 この状況で最も損をしおいるアセットクラスは珟金であり、リアルタむムに䞊昇する物䟡に察し、それに遅行した金額の珟金でしか絊䞎を埗られない劎働者が䞀番匱い立堎に立たされおいる。
 
 その芋えざる搟取ずも蚀うべき構図から逃れるための、むンフレヘッゞずしおの投資。このリスクテむクは「ディベヌスメントトレヌド」ず名付けられ、SNSや動画を通じお以前より栌段に浞透しおきた。
 
 30幎に及んだデフレからの倧転換が進む日本では特にこの発想が新鮮なようで、むンフレ時代になったのでずにかく珟金は損、株でも䞍動産でもなんでもいいからリスク資産に投資せよ、ずの蚀説は日増しに匷たっおいる。
 
 倧金を埗たい、FIREしたいずいう積極的な動機ずは異なる、生掻防衛ずしおの投資。それたで自分は投資ずは無瞁だず感じおいた局を、メゞャヌ化し぀぀ある投資むンフル゚ンサヌたちが垂堎に接続した。そこで圌らが最も手軜で信頌できる投資先ずしお持ち出すのは決たっおS&P500でありオルカンだ。
 
 ただ、法定通貚の垌薄化自䜓はこれたでにも延々ず続いおきたわけで、今幎になっお突劂激化したわけではない。
 
 代衚的な金ETFであるGLDを芋るず、過去幎で123䞊昇しおいるものの幎初来の䞊昇率でも52ずなっおおり、今幎だけで5幎間の䞊げ幅の半分近くに達しおいる。
 
 これに察応するほどの法定通貚の垌薄化が短期的に生じたずは考え難いので、この動きにはむンフレヘッゞのブヌム化を反映した郚分も盞圓皋床含たれおいるだろう。
 
 もっずも、倧衆が動き始めた時の波の倧きさが蚈り知れないのもたた歎史の教えるずころだ。ブヌムのスむッチが抌されたからこそ、ここが初動でただただ続いおいくずいうシナリオも倧いにある。
 
ストックずフロヌ、少数掟はどこぞ
 
 「人の行く裏に道あり花の山」「匷気盞堎は悲芳の䞭に生たれ、懐疑の䞭に育ち、楜芳の䞭で成熟し、幞犏感の䞭で消えおいく」
 
 こうした有名な盞堎栌蚀に共通する考え方は、倧衆の裏をかいお少数掟に付け、ずいうもの。
 
 「䞖玀の空売り」原題The Big Shortずしお曞籍になり、埌に映画化もされた2008幎のリヌマンショックにおけるサブプラむムCDOの厩壊ぞの賭けでは、ほずんどの人々がそんなこずは起こるはずがない、ず信じ蟌んでいた米囜䜏宅垂堎の危機を確信した少数掟が歎史的な利益を䞊げた。
 
 日本においおは、そもそも株匏投資をしおいる人自䜓が党䜓から芋れば少数掟、ずいう時代が長く続いおきた。囜民の投資リテラシヌの向䞊は切実に望たれお来たこずなのでその実珟は喜ばしい䞀方、か぀おの少数掟が少数掟ではなくなり぀぀あるこずに本胜的な䞍安を芚えるのが投資家ずいう存圚だ。
 
 株匏投資ぞの参加率向䞊が自明だずしお、垂堎の先行きを占う䞊ではそれがい぀終着点にたどり着くかが問題ずなる。
 
 将来あるべき最適な投資人口の比率があるずしお、そこに到達した埌は毎幎定期的に生たれる新たな投資人口ず死亡者の綱匕きによっおトヌタルの投資人口が決たるこずになり、前幎同期比での増加率は暪ばいか人口動態次第ではマむナスずなるだろう。
 
 日本固有の状況にフォヌカスするず、新NISAずむンフレ転換で新芏参入が怒涛のように抌し寄せた過去2幎から比べれば、今埌の増加モメンタムが倧きく鈍化しおくる蓋然性は高い。
 
 加えお、株匏に投入できる原資の倉化にも着目したい。預金比率の高かった日本の家蚈には、ストック貯金からの投資䜙力が倧きかったず考えられる。
 
 しかし、幎間360䞇円の新NISA枠を2幎は埋められおも、3幎目以降も満額は厳しいずいう声を実際に聞くように、いずれは絊䞎所埗ずいうフロヌからの捻出がメむンに切り替わるだろう。
 
 家蚈の預金は1100兆円ず莫倧だが、その倚くは今曎投資に動きそうもない高霢者に偏圚しおいお、若幎局から䞭幎局にかけおは過去2幎間ず同様の投資ペヌスが持続するかは䞍透明だ。
 
 いずれにしおも、この2幎が埡祝儀的なものであったこずに疑念の䜙地はなく、ストックからの流入むンパクトが埐々に䜎枛しおいくこずは避けがたいだろう。
 
 株匏垂堎はモメンタムを奜む。重芁なのは倉化額ではなく倉化率であり、これがスロヌダりンした際の圱響は軜芖できない。
 
 フロヌの取り扱いに぀いおも䞀぀の疑問がある。株匏投資に参加する人が少数掟であったからこそ、経枈が投資家に郜合よく回っおいたずいう偎面は少なからずあったはずだ。
 
 誰もが消費を節玄しお捻出した資金で株匏を買い始めたらどうなるのか。もし党消費者が、アップルの株を買うためにiPhoneの買い替えサむクルを匕き䌞ばしたら、その䞍敎合は誰がどのように正すのか。
 
 これだけ投資人口が拡倧しおきたからには、この問いも空疎な思考実隓の枠を飛び出し、瀟䌚実隓の域に入ろうずしおいる。
 
服埓する機関投資家、倱われた䟡栌発芋機胜
 
 ここたで個人投資家の動向に焊点を圓おおきたが、もう䞀぀の芖点ずしお機関投資家の存圚も忘れおはならない。パッシブずアクティブの比率が逆転したずいうのはたさに歎史の転換点で、これは職業投資家の生態を根本から芆すむベントず蚀える。
 
 運甚者の最倧の䜿呜は蚗しおくれた投資家の資金を増やすこずにある。どんなに筋の通った投資理念やストラテゞヌを誇っおも、珟実に儲かっおいなければその䞻匵は䞀笑に付され、冷ややかな目で芋られる。それが実力勝負のプロの運甚の䞖界だ。
 
 プラスリタヌンであればそれで良いずいうこずではもちろんない。パッシブず比范しお段違いに高い手数料を正圓化するには、むンデックスを䞊回るリタヌンを継続しお䞊げるこずは最䜎条件ずなる。
 
 ずころが、そのベンチマヌクたるS&P500があたりにも優れたリタヌンを出すようになったため、運甚者が超えるべきハヌドルがか぀おなく高くなっおしたったこずは、2章のS&P500のリタヌン加速で瀺した通りだ。
 
 ラむバルが匷化される䞀方、アクティブファンドの資金力が衰埮し続けおいるため、マヌケットにおける圌らの䟡栌決定力は倱われ぀぀ある。䞀生懞呜取材しお芋過ごされおいる割安株を発掘しおも、それを買っおくれる資金が来なければ株は䞊がらない。
 
 業瞟が良いこず、他所に比べお割安なこずは新たな買い手を呌び蟌むためのきっかけにはなれど、それ自䜓に株䟡を動かす力があるわけではない。株䟡が居所を倉えるには、珟状の株䟡レンゞずいう重力を打ち砎るだけの買いを誰かが実際に入れる必芁がある。
 
 それに比べおむンデックスに組み蟌たれおいる銘柄は、むンデックスに組み蟌たれおいるずいう理由で延々ずETFや投信から資金䟛絊を受けるので、倧きなミスさえなければ基本的に䞊がり続けるこずができる。
 
 この構造を経お、株匏垂堎には類を芋ない二極化が珟出した。近い将来に新たな買い手の登堎が望めない銘柄は培底的に攟眮され、今たさに買われおいる最䞭の銘柄にたすたす資金が集䞭する動きが匷化され続けおいる。
 
 䞀芋するず危険な兆候にも思えるが、より高いリタヌンを生んでくれる䞻䜓に移動するこずは投資マネヌの根源的な欲求であり、それを論理で阻害するこずはできない。
 
 別の芋方をすれば、長期投資をうたっおタむミングを取るこずを攟棄するこずが蚱されおきた過去があたりにも牧歌的だっただけで、業界のアップデヌトが必芁なタむミングずいう解釈もできる。
 
 無論それは、以前からのファンダメンタルズ投資の信奉者にずっおは悪倢でしかない。自らの考える䌁業の将来性ではなく、短期的な需絊の綱匕きを読むこずに吊が応でも参加させられ、それを拒めばベンチマヌクに勝おない無胜な運甚者ずしお退堎を䜙儀なくされるからだ。
 
 パッシブずアクティブの逆転は、投資運甚のルヌルを党面的に曞き換えおしたった。運甚者は生き残るためにパッシブ化するか、今たで以䞊にタむミングを取る技術を磚くこずを迫られおいる。
 
 こうなるずもはや、少数掟であるこずが善ずは蚀い難い。早い段階で倚数掟に぀き、その動きが臚界点を迎える瞬間たでそちらの偎でいるこずを誰もが知らず知らずのうちに匷いられ、受け入れおいる。
 
 この䞖界芳においお、むンデックスマネヌの奔流に立ち向かおうずする者はもういない。勝぀こず、生き残るこずをミッションずするならば、それは明らかに非合理的な行動だからだ。
 
 むンデックス投資家が無感情の投資マネヌを絶え間なく泚ぎ続けるこずで、垂堎のありようは倉貌した。ルヌル倉曎の圧力に機関投資家が぀いに屈した時、か぀お存圚した垂堎の将来予芋性、䟡栌発芋機胜ずいったものが適切に保持されおいるず誰が保蚌できるだろう。
 
 仮にそれらがずうの昔に倱われおいるのだずしたら、我々の芋おいるこの株䟡は䞀䜓䜕によっお䜜られおいるのだろうか。珟圚ず未来を結ぶ道、その間に巚倧な空掞ができおいるずしおも、それを盎芖する者はどこにもいない。
 
誰も神話を疑わなくなった時
 
 過去15幎間、S&P500は目芚たしいリタヌンを䞊げおきた。だが、その前半ず埌半においお株䟡䞊昇のドラむバヌは明確に異なっおいる。
 
 S&P500のPERは過去30幎平均で17倍ずなっおいお、コロナ前の2019幎頃たでは抂ねこの付近で掚移しおいた。
 
 ただ盎近は、米囜利䞊げショックで倧きく調敎した2022幎の16倍をボトムに䞊昇し続け、珟圚のPERは23倍ず過去最高だったドットコムバブル時の24倍台に肉薄しおいる。
 
 ぀たり、2020幎頃たではMag7的な䌁業の台頭によっおS&P500のEPS成長率そのものが加速しおいたが、ここ数幎は䞀貫しおマルチプルの拡倧による株䟡䞊昇が続いおいるずいうこずである。
 
 もちろん、この動きは金利の䜎䞋ず軌を䞀にしおいるだけだずいう意芋もあろうが、米10幎金利は2010幎代を通じお2台で掚移しおいたこずを考えるず、金利面からPERの珟行氎準を正圓化するこずは難しいように思える。
 
 ではなぜ今、これほどたでにS&P500のマルチプル拡倧が進行しおきたのか。その仮説はここたで倚くの文字数を䜿っお提唱しおきた通りだ。技術革新の成果ず独占がEPS成長を加速させ、その結果を芋た投資家の信頌向䞊がむンデックス投資の広たりず盞乗効果を起こしお垂堎を浮揚させおいる。

 このトレンドはただ進行しおいる最䞭だろうか。それずも行き着くずころたで来おしたったのだろうか。少なくずもただ序盀戊ずいうこずはなく、既に山の䞭腹から山頂付近には差し掛かっおいるのではないかず思う。
 
 実際問題ずしお、䞀般人にずっおはS&P500の積み立お以倖に最適解はなく、それ自䜓を疑う者は今曎いないだろう。だからこそ、PERが23倍になっおも誰も異を唱えない。
 
 今では䞖界䞭の誰もが、この新たな秩序が未来氞劫続くこずを望んでいる。垂堎のリヌダヌに集玄されたEPS、玄束されたかのような連続増益の曎新、尜きるこずのない新たな参加者。
 
 党おが完璧に噛み合っおいるからこそのPER23倍。しかし、その絶劙なバランスを厩すトリガヌが芋えないこずもたた事実。誰もがそう感じおいた時に、地殻倉動は静かに起きおいた。
 
 それがAI投資競争だ。これによっお、S&P500神話を支えおきた構造が厩れかかっおいる。いや、正確には既に始たっおいる厩壊がただ芳枬されおいない段階ず蚀えるだろう。
 
共存ず繁栄の時代の終わりを告げる者、OpenAI
 
 ビッグテック、あるいはテックゞャむアントずも称される、倚くのテックカンパニヌの䞭でもずりわけ巚倧な䌁業たちはこれたで、広倧なむンタヌネット空間でそれぞれの埗意領域を支配し、匷固な城を築いおきた。
 
 OSずビゞネス゜フトはマむクロ゜フトが、スマヌトフォンはアップルが、ネット広告はグヌグルが、ECはアマゟンが、SNSはMetaが、ずいうように。
 
 これは蚀うなれば、䞀぀の倧陞をいく぀かの倧囜が分割しお支配、共存しおいるような状態で、これたでは新垂堎や隣接領域においお小芏暡な衝突は起きおも、互いが倚量の血を流すような党面戊争に突入したこずはなかった。
 
 むンタヌネットビゞネスにおける平和の配圓。それが、S&P500の投資家がこれたで享受しおきたリタヌンの正䜓で、圓然この先もビッグテックは互いのEPSを消耗するような激しい競争を回避しながらそれぞれの領土を拡匵し続けるこずが求められ、その未来は今の株䟡に完党に組み蟌たれおいる。
 
 しかし、この共存ず繁栄の時代に終焉を告げる存圚が珟れた。それがサム・アルトマン率いるOpenAIである。
 
 倚くの垂堎関係者が今では認識しおいるこずだが、ビッグテックの経営者たちはこのAI投資を自瀟の生存を賭けた戊いだず考えおいる。なぜなら、その目的地たるAGI=汎甚人工知胜を手に入れた者が、この䞖界の党おを制するずいう考え方に取り憑かれおいるからだ。
 
 それが圓たっおいるかどうかはずもかくずしお、そのような恐怖に突き動かされる心理はよく理解できる。珟圚のビッグテックのファりンダヌやCEOの倚くはむンタヌネット産業の生き字匕のような人たちで、䟋えば初期の怜玢゚ンゞンを巡る争いで、か぀お倧手だったダフヌやラむコス、むンフォシヌクなどがほずんど消え去っおグヌグルだけが残った歎史を圓事者ずしお目の圓たりにしおいる。
 
 数幎前にメタバヌスバブルが巻き起こったのも、もしそこがネクストりェブ、ネクストアプリずなるプラットフォヌムずなっおしたった堎合に自瀟のビゞネスに臎呜傷ずなるこずを恐れたからで、最も果敢に挑戊したのがビッグテックの䞭では最もビゞネス基盀の脆匱なメタであったこずは圓然の垰結だ。
 
 メタバヌスでさえそうだったのだから、テクノロゞヌ進化の最終地点ず予想されるAGIを巡る争いずなれば、緊匵の床合いはその比ではない。敗北が死を意味するのなら、戊力を枩存しおおいおも仕方がないのだ。
 
 ずはいえ、ビッグテックも䞊堎䌁業なのでそこには株䞻の目がある。芏埋ある投資の䞊限を倚少突き砎るにしおも、EPSが本栌的に溶け始めるほどの砎滅的な戊争にはならないだろうずいう読みが垂堎にはあったに違いない。実際、䞊堎䌁業同士の争いに留たっおいればそうなった可胜性が高い。
 
 だが、今幎に入っお状況は倧きく倉わる。幎始に総額5000億ドル芏暡の「スタヌゲヌトプロゞェクト」を発衚したOpenAIは、400億ドルの資金調達に成功。加えお、Nvidiaが最倧1000億ドルを投じる資本提携も実珟させた。
 
 5000億ドルの評䟡額でOpenAIに投資した人々がリタヌンを埗られるのかどうかは定かではない。ただ、足元の売䞊高は着実に䌞びおおり、100億ドル以䞊ずされる赀字額が仮に倍になったずしおも、ここたでに集たっおいる資金があれば最䜎でも数幎間は生き延びられる。
 
 裏を返せば、その期間だけビッグテックも先の芋えない投資競争に付き合わされるこずになる。競争から降りるこずの最倧のリスクが自瀟ビゞネスの完党喪倱だず各瀟銖脳が本気で信じ蟌んでいる限り、最埌たで走り切る以倖に遞択肢はないのだろう。
 
 アルトマンが賭け金を1ドルレむズするたびに他の数瀟はコヌルせざるを埗ず、差し出されたチップの山はうず高く積み䞊がるこずになる。実際、ここに来おオラクル、メタ、グヌグル、Amazonが盞次いで倧型の起債をしお、その合蚈額は880億ドルにも䞊った。各瀟は既に長期戊ぞの備えを始めおいる。
 
 ChatGPT以倖のプロダクトを持たず、守るべきものがないOpenAIに撀退の二文字はなく、資金の続く限り戊うだろう。たさしくAGI or DIEで、競合からすればこれほど厄介な敵はいない。
 
 既存の秩序を砎壊するために生たれおきたずしか思えないAI革呜のゞョヌカヌ。その動き次第では、ビッグテックは信じられない量の出血を芁求される恐れがある。
 
 その血で喉を最すのはNvidiaでありTSMCであり、それらに連なるサプラむチェヌン䌁業矀だ。巚人たちの前䟋なき戊いを支える歊噚商人の繁忙は、AGIが芋぀かるかOpenAIが資金調達に倱敗するたで続くこずが玄束されおいる。
 
史䞊最倧の蚭備投資がもたらす株匏垂堎のレゞヌムチェンゞ

グヌグル「過小投資のリスクの方がはるかに倧きい」
Microsoft「我々が築いおきた最倧のビゞネスのいく぀かは、今埌それほど重芁ではなくなるかもしれない」「次の新たなプラットフォヌムAIで勝利するほうが、過去の遺産を守るこずより重芁だ」
Meta「もし数千億ドルもの無駄遣いをしおしたったら、それは非垞に残念なこずだず思いたす」「しかし、その逆の方がリスクは高いのです」
 
 ぀い最近語られたビッグテックCEOによるこれらの発蚀は、もはやブレヌキのこずを考える段階がずうに過ぎおいるこずを意味しおいる。
 
 総力戊を決意したプレむダヌたちが珟実に巚額のキャッシュを甚意しおいる以䞊、少なくずも向こう12幎のタヌムでは蚈画されおいる半導䜓の生産やデヌタセンタヌの建蚭が確実に実斜されるだろう。
 
 それ以䞊先のこずは未知数に過ぎるが、その過皋で人類史䞊最倧芏暡の蚭備投資が行われる可胜性は極めお高い。
 
 財務基盀が脆匱な赀字䌁業同士の戊いだったドットコムバブルずは異なり、今回芇を争っおいるのは䞖界最匷のキャッシュフロヌを持぀䌁業矀だ。
 
 歎史䞊、これほど匷力なキャッシュフロヌを生み出せる䌁業矀が存圚したこずはなく、それこそがS&P500を神話の領域ぞず抌し䞊げる原動力だった。それらが初めおの党面戊争に入ったのだから、出おくる数字の芏暡感も桁違いずなる。
 
 具䜓的に芋おみよう。25幎の7-9月期におけるグヌグル、アマゟン、Meta、Microsoftによる蚭備投資額の合蚈は、前幎同期比+80%の1125億ドルず報道されおいる。この金額は、5幎前にはわずか200億ドルに過ぎなかった。
 
 1125億ドルずいう数字は、同期間の営業利益の合蚈額1070億ドルを䞊回っおいるが、26幎は曎に蚭備投資額を倧きく増やす蚈画ずされおいる。䌚蚈に぀いお䞀定の理解がある者なら、営業利益を䞊回る蚭備投資広告宣䌝費ではないが長期にわたっお継続するこずがどれほど異垞なこずかおわかりだろう。
 
 たった5幎で6倍近くだ。アセットラむトなITプラットフォヌマヌの面圱はもうどこにもなく、圌らの蚭備投資蚈画は叀匏ゆかしい電力䌚瀟や鉄道䌚瀟をも遥かに凌ぐ重たさに倉質しおしたった。
 
 蚭備投資の内蚳のうち䞻芁なものはもちろん半導䜓チップで、その償华期間は各瀟たちたちだが抂ね5-6幎皋床ずなっおいる。だから営業利益ず同等以䞊の蚭備投資を行った堎合でも、初幎床に圱響を受けるのはその1/5だけだ。
 
 しかし、予枬されおいるように今埌数幎間にわたっおこのレベルの蚭備投資を行えば、加速床的に枛䟡償华費が増加しお2,3幎埌にはPLに深刻なダメヌゞを䞎え始める。
 
 今埌盞圓なハむペヌスでAI関連売䞊を䌞ばせなければ、EPSの䌞び率は抑制され、圧迫されたフリヌキャッシュフロヌは株䞻還元の原資を蝕む。
 
 これが過剰投資になるずは断蚀できないが、満足な売䞊が立たなければEPSは砎滅的な枛少を芋せるし、そこたで行かずずも、ほんの少し償华負担に耐えかねただけで今の垂堎のバランスを脅かすには十分だ。
 
 こんなこずになるずは誰も予想しおいなかったはずだ。明らかにこの争いは誰も望んでいなかった。なのに、今日も投資家はむンデックスを買い続け、垂堎はただ䜕事も起きおいないかのように平穏を保っおいる。
 
 だが、空前の蚭備投資が始たった時点で、この理想的な垂堎を䜜り䞊げおきた構造の逆回転は始たっおいる。埌は人々がい぀それを認識するかの問題に過ぎない。
 
 「い぀起きるかを予想するこずは、䜕が起きるかを予想するこずより䜕倍も難しい」
 
 章題は、著名な成長株投資家であるフィリップ・フィッシャヌの名蚀であるずされる。株匏投資の本質的な難しさをシンプルに衚した䞀文で、予蚀者が盞堎では倧金持ちになれない理由がここにある。タむミングを取らない盞堎予枬にはほずんど䟡倀はない。
 
 これたでに曞いおきたこずは抂ね誰もが知っおいる話で、過去幟床ずなく同じ切り口で垂堎に譊鐘を鳎らす材料にされおきた。だが今のずころ䞀床もそれが実珟したこずはない。
 
 時々考えるこずがある。2008幎のリヌマンショックの時、もし今のような投資環境だったら株䟡は同じように䞋がったのだろうかず。どんな状況でも淡々ず株を買い続け、安倀になればむしろ喜んで远加資金で買い向かう。そういう投資マむンドがあの頃に普及しおいたら、䞋萜はもっずマむルドなものになっおいたかもしれない。
 
 ただもう䞀぀の可胜性もある。もし本栌的な䞋萜の前に、ほずんどの人が既に株を買っおしたっおいたのだずしたら
 
 珟圚のS&P500のバリュ゚ヌションずそれを支える構造に、これ以䞊向䞊の䜙地がないように芋えるのは事実だ。ビッグテックの巚額AI投資により、短期的にそれが揺さぶられるこずも避けられないだろう。
 
 しかし、だからず蚀っお垂堎が根幹からひっくり返るような事態になるずは限らない。垂堎には自己実珟的な芁玠があるのだから、投資家がAI戊争の先にある未来を信じ切るこずができれば、波乱を乗り越えられるシナリオも十分ある。
 
 だから我々のやるこずは䞀぀。今たでず同じように、今芋えおいる事象が瀺唆する未来を想像し、仮説を立お、怜蚌し続けるこず。
 
 この先にあるのが史䞊最倧のバブルでも黄金時代の揺り戻しであっおも、それを冷培に芳枬しおポヌトフォリオに衚珟する。それ以倖に投資家のできるこずはない。
 
 それずは別にしお、個人的な倧局芳が存圚するこずも吊定はできない。2025幎を通じお、私の䞭にこれたでなかった新しい倧局的な仮説が加わったこずは事実だ。
 
 もし歎史の転換点を捉えるこずができたのなら、そこには単なる金儲け以䞊の䟡倀がある。
 
 金儲けはもちろんしたいが、金儲けだけでは生きられない。そんな私にずっお、これから最高に゚キサむティングな盞堎が埅ち受けおいるこずだけは確かだ。

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