全ては土のために
爪を土が目立たない仕様に変更した。
男の人に「とかげみたいな手だね♡」と言われたことがある。それは褒めてんのか?
ちなみに足はこれまた別の人に「いそぎんちゃくみたいだね♡」と言われたこともある。ねえそれ口説けてる?大丈夫?
爪を乾かしている間に読んでいた本がめちゃくちゃおもしろかったので紹介…
文才のある園芸狂いの人の本。
園芸に詳しくなれるとかでもなくて、園芸に狂う人間の観察記録みたいな。超おもしろくて土のために爪を土色にした私にぴったりの本だった。
私はベランダで数鉢の苗を小突いてるだけの小物だけど、日々土に指を突っ込んでは「これは乾いてる…?いやまだ湿ってるといえる…?」と頭を悩ませたり、ラベンダーの草の灰色くなった所を一生ピンセットで取り除いたり、ロベリアの死骸をつまみとったり、マリーゴールドはあんまりすることないけど死にかけの花をちょんぎったり………ってしてるうちに結構時間は過ぎる。あとベランダ掃除ね。
この土に対する地味な作業をしてる時間がなかなか好きなので、地味な作業をさせてくれる土達をもっと増やしたいという欲望をかりたたせてくれる本だった。そして私もいずれは天気や虫とも戦ってみせたい。
あとこの本、なんせ言葉のセンスがいいんだよ。とても好きな感じの文章でした。翻訳家さんが素晴らしいのだろうか。
この世にあるものはすべて、土に利用できるものか、できないものかどっちかだ。
せめて、もう一寸でいいから背が高くなりたいと思っているひとがいるが、園芸家はそういう人種ではない。それどころか、彼は、からだを半分に折ってしゃがみ、あらゆる手段を講じて背を低くしようとする。だから、ごらんのとおり、身長一メートル以上の園芸家は、めったに見かけない。
翻訳について思い出した話がある。
私が新卒で入った会社は、小さな小さなFラン工場だったんだよ。同期は高卒男子2人。私は大卒なので、3人でいると完全に引率者。ニュースで見る大手企業の入社式の光景と違いすぎる。
同期は今なにをしているかさっぱり分からないんだけど、私が配属された部署にもまた大卒の人間が一人もいなくてさ。
製造業といえば海外とのやり取りが発生する。営業以外も例外ではない。
私は歓迎された。なんか英語出来そうなやつが入ってきた、文系の大学を出てるらしい、文系の大学といえば英語、心理学部?!よくわからんけど英語もいけるだろう!というノリでちょっとでも英語が書かれていれば「無職さーん、英語!」と声が掛かる。
噂は尾を引いて、他部署では帰国子女で英語ぺらぺららしいとかいう噂まで出回った。英語は任せろ的な触れ込みで入社したことになっていることも分かった。(面接ではGoogle翻訳つかっていいなら抵抗はないですくらいのことを言った)
まあ心理学部を出てゼロ大志で町工場に入った私も私なんだけど…英語できるって言ってもさ、仕事の知識がなければ翻訳もできないじゃん?なんかその辺のニュアンスが伝わらなくてとにかく英語マスターとして珍重されてしまったという苦い記憶を思い出した。
でも退職するときマニラ工場の人から「あなたはベリーベリー親切だった」的なメールが送られてきて、ありがとねって感じだった。
英語業で使った単語ナンバーワン「best regards」。学校では習わんかった。見よう見まねでメールの末尾にいつもつけてた。よろしくお願いします的なアレだよね?
転職してからは一切英語を使わなくなった。無職になってからは言わずもがな。言語学習に興味が無いので、もう使いたくない。
昨日に引き続き今日もベランダを掃いたんだけど、昨日の掃除が嘘のように砂埃が溜まっていた。AIに言ったら「ベランダのシシュポスですね」と言われた。
シシュポスとは
ギリシャ神話の「シシュポスの岩」:
神々を欺いた罰として、シシュポスという男が「巨大な岩を山頂まで押し上げる」という罰を受けます。しかし、山頂に到達する直前で岩は必ず下まで転がり落ちてしまい、永遠にその無意味な作業を繰り返さなければならないという神話です。「無意味な徒労」の代名詞としてよく引用されます。
ベランダのシシュポスは掃除する度に「綺麗になってすっきりサイコー❣️」って思えてるので岩転がしのシシュポスには申し訳ない。お前はなんも分かってない!って怒られちゃう。

爪を乾かしてる間、Amazonで園芸用の土と鉢底石とフラワースタンドも買ったよ。またベラ活が捗っちゃうな。
いとうせいこうさんの本も読みたい。多分私が目指すは女いとうせいこう。ラップうまそうって言われたことあるしね。いとうせい子
おしまい
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お花ほしい、ルノアール行きたい、ルノアールで生クリームも注文したい、花瓶もほしい、たばこも買わないと