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あと何回一緒に行けるだろう。息子と出かけた雨上がりの愛染まつり

大阪三大夏祭りの一つ、「愛染(あいぜん)さん」の愛称で親しまれている愛染まつりに、昨日、息子と行ってきました。

大阪三大夏祭りとは、「天神祭」「住吉祭」そしてこの「愛染まつり」のこと。
毎年6月30日から7月2日の3日間にわたり、大阪市天王寺区の勝鬘院 愛染堂で開催されています。
「大阪の夏祭りは愛染さんで始まって住吉さんで終わる」と言われるほど、なにわの夏に訪れを告げる大切な行事として、古くから地元で愛されているお祭りです。


初日にお友達が行ったそうで、それを聞いた息子は「俺も行きたい!」と大張り切り。
「じゃあ、比較的時間の融通がききそうな7月1日に行こうか」と約束したものの、その日はあいにくの雨で行けず……。
最終日の昨日も、お友達の家に遊びに行ったきりなかなか帰ってこない息子を見て、「もうお祭りはいいのかな」と思っていました。

ところが、帰ってくるなり「今日、行こうよー」の一言。
(母さんは、これから夕飯の支度もあるのだぞ……) と心の中で思いつつも、一年に一度のこと。
「よし、付き合うか」と少しぶつくさ言いながら、一緒にお祭りへと出かけました。


せっかくなので、このお祭りの特徴や見どころを少しご紹介します。

日本最古の夏祭りと「ゆかた祭り」の伝統

聖徳太子が593年に四天王寺を建立した際、貧しい人々や病人を救うために設けた「施薬院(せやくいん)」が、ここ勝鬘院 愛染堂の始まりとされています。
お祭り自体もその当時からの厄除けの風習を受け継いでおり、日本最古の夏祭りとも言われています。
また、地元では「このお祭りの日に、その年初めての浴衣をおろして出かける」という習わしがあることから、別名「ゆかた祭り」とも呼ばれ、涼しげな浴衣姿の参拝客で境内が大変賑わいます。

初日のハイライト「宝恵(ほえ)かごパレード」

お祭りの初日(6月30日)に最も盛り上がるのが「宝恵かごパレード」です。
紅白の布や愛染かつらの造花で美しく飾られた籠に、公募で選ばれた「愛染娘」たちが浴衣姿で乗り込みます。
「愛染さんじゃ〜!ホ・エ・カッ・ゴ〜!」という威勢の良い掛け声とともに、天王寺公園(てんしば)から谷町筋を練り歩き、愛染堂を目指します。
この掛け声は「21世紀に残したい大阪の音風景」にも選ばれているそうです。(・・・なんじゃそれ? ←心の声)
お寺に到着した後は、籠を高く持ち上げる恒例の「駕籠(かご)上げ」が行われ、メディアなどでもよく取り上げられるお祭りの象徴的なシーンとなっています。

貴重な秘仏の特別ご開帳と法要

お祭りの期間中は、普段は見ることができない貴重な秘仏が特別に開帳されます。
本堂の「愛染明王」は、良縁成就、縁結び、夫婦円満、商売繁盛などの多彩なご利益があるとされる、全身真っ赤な仏様。
また、豊臣秀吉によって再建された重要文化財である多宝塔の内部(大日大勝金剛尊)も、この3日間だけ特別に扉が開かれます。
初日の午後には、四天王寺の僧侶らが出仕し、厄除けや疫病退散を祈る荘厳な法要が営まれます。
神社で行われることが多い「夏越しの祓え」を仏教寺院で行う、大変珍しく貴重な行事なのだそうです。

……と、歴史あるお祭りの解説を並べてみましたが、当の息子はきっと、出店の屋台が見たくて「行こう」と言い出したのでしょう。
振り返れば、私だって子どもの頃はそうでした。

人込みをかき分け、屋台の続く参道を眺めながら、まずは一応お参りだけはしていくことに。
財布の中からなけなしの小銭を息子に渡し、参拝の列に並びました。

すると、そこである貼り紙を見つけたのです。

「とにかくモテたい。ならば愛染さんへ。」

……そんなニュアンスのポスターでした。


(……ちょっと、ちゃらいなぁ。笑)

面白いので、息子にもそのポスターのことを教えてみました。すると、

「おれ、別にモテたくもないし。恋愛とか興味ないし。」

と、なんともそっけないお返事。
まさか息子の口から「恋愛」なんて単語が出てくるようになるとは思わず、母は内心、ものすごくびっくりしてしまいました。

まあ、確かに別にモテなくていいよね。
モテたらモテたで、いろいろとややこしい問題が出てくるかもしれないし……。
なんて、特段モテた経験のない母は一人で先回りして心配してしまいましたが、ふと我に返って思いました。

不特定多数にモテる必要なんて、きっとない。
人生のここぞという大事な場面で、自分が「この人に気に入られたい」「大切にしたい」と思う相手にだけ、まっすぐ思いが伝わればそれでいいな、と。
そんなことを考えさせられた一幕でした。


帰りがけ、お祭りの王道であるベビーカステラを買い、二人でつつきながら家路につきました。

体が大きくなり、少しずつ大人びた口をきくようになってきた息子。
あと何回、こうして一緒に夏祭りに行けるでしょうか。

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