世界
一夏の恋を形成するための計算式、素粒子が踊る思い出の最中、慈しむ先々での衝突や、空白で揺らぐクォーク、暗澹とした奴隷の国に降り注ぐケミカルな雨、雷に味がしないと泣き叫ぶ赤子たち、暗喩に潜む悲劇的な妄想の電車に乗るナルシシズムに支配された会社員たち、立場をひけらかす権力者たちの渦や、たちまちに現れる幸せそうな演技、偽善的な神を崇めるだけの青春にめり込むハンマー、慢性的な憎しみを、カタルシスに至らせるための消耗品たる語源、元素記号を食べ散らかすペリカンの群れや、看板を飲み込む土砂、サバ缶の中での核開発や、讃美歌により汚れたドレス、このカオスを詰る人身御供たる私の側頭葉を走る蟻一匹でも、偉大な命である事を忘れがちな現代人が云々と、サディスティックな感情を抑えるために嘯くアニミズムの数々、最愛の人を折り込んだ本の中、彼方まで靡く意味の経路、複製された原理の上を走る彼女たちの保身のようなものにより、囚われた精神の渦のようなもの、固執するほどに、下賎な核融合を試みる敵愾心、原始的な希望を携え、獲物を追い、彷徨い続ける事に、値なんてものは、存在せず、今この瞬間を生きるためだけに、費やされた命の輝きのようなものに照らされた道筋、偽装された真実が腫れ上がり、今に通れなくなるだけの道筋や、見捨てられてしまった君たちの、できない約束により、燃やし尽くされた街並みに備わるリビドーが、火災旋風を巻き起こし、すべてを、業火で包む頃、ことごとくに遮られ、猜疑心ばかりを増幅させ、些細な事で、苦しむだけの人々が卑下する自己の森で、囚われの身となった自らを救う旅などに出かけ、デカダンスに取り憑かれたボードレールの亡霊にすら集り、度重なるエゴを収納するための器たる身体を保ち、守るためだけに、詩的な栄養を吸い込むストローみたいな口。
