ドイツ・ブンデスリーガで躍動するボスニア・ヘルツェゴビナ代表のストライカーたち W杯に挑む、セルゲイ・バルバレス監督(Sergej Barbarez)のチームにフォーカス!
リーグで紡がれた、ストライカーの系譜

2000/01シーズン、ドイツ・ブンデスリーガでFCシャルケ04のエッペ・サンドとともに22ゴールを挙げ、リーグ得点王に輝いたボスニア・ヘルツェゴビナ代表選手がいる。セルゲイ・バルバレス。現ボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督である。ヘルツェゴビナ=ネレトヴァ州の州都モスタール出身のアタッカーは、1992年に受けたトライアルに合格し、ハノーファー96でプレーを開始。
その後は、1.FCウニオン・ベルリンやハンザ・ロストック、ボルシア・ドルトムントを経て、2000年にハンブルガーSVへ加入し、トマーシュ・ウイファルシや高原直泰などと同時代に活躍。ブンデスリーガでは通算330試合に出場して96ゴールを挙げる活躍をみせた。そんな彼が2024年4月、世論の人気もあり、対立も噂されたヴィコ・ゼリコヴィッチ会長の指名を受けて監督に就任した。
優秀なコーチ陣に加え、エスミル・バイラクタレヴィチやケリム・アライベゴヴィッチといった国外出身ながらボスニア・ヘルツェゴビナにルーツを持つ若手を積極的に起用し、チームを再建してみせた。とくにバルバレス監督の下での最大のサプライズは、W杯予選のプレーオフ決勝・イタリア代表戦。大国を相手に果敢に挑んだチームは、PK戦を制してW杯決勝進出の切符を掴んだ。
W杯本大会でも「台風の目」として注目を集めるボスニア・ヘルツェゴビナ代表だが、そんな同国代表の選手たちは現在、まるでバルバレスの足跡を辿るかのようにドイツ・ブンデスリーガで躍動している。アライベゴヴィッチにしても、バルバレスの古巣バイエル・レバークーゼンと契約を締結した。本テキストでは、とくにドイツの地で躍動するストライカーに注目して紹介する。
Ⅰ. エディン・ジェコ

Edin Džeko
所属クラブ:FCシャルケ04
生年月日:1986年 3月17日(40歳)
出身:サラエボ, ボスニア・ヘルツェゴビナ
身長:193cm 利き足:右足
ブンデスリーガ2部の第32節フォルトゥナ・デュッセルドルフ戦に勝利したことで、シャルケは4シーズンぶりとなる1部昇格を決めた。同チームでエース級の輝きを放つのが、エディン・ジェコだ。マンチェスター・シティFCやASローマでストライカーといして活躍した彼は、今冬に同胞のミロン・ムスリッチ監督率いるチームへ加入すると、9試合で6ゴールを挙げる活躍をみせた。
ジェコは、キャリアの初期にもドイツで活躍した。2008/09シーズンにはVfLヴォルフスブルクでグラフィッチと2トップを組み、リーグ優勝に貢献。翌2009/10シーズンには22ゴールを挙げてリーグ得点王に輝いた。高身長を活かした空中戦、右足から放つ強烈なシュートなどストライカーとしての才能に溢れる40歳は、代表でも直近9試合で6ゴールを挙げるなど存在感を放っている。
Ⅱ. ハリス・タバコヴィッチ

Haris Tabaković
所属クラブ:ボルシア・メンへングラードバッハ
生年月日:1994年 6月20日(31歳)
出身:グレンヘン, スイス
身長:196cm 利き足:右足
2025/26シーズンのブンデスリーガには幾つかのサプライズがあったが、その最たる例がハリス・タバコヴィッチの活躍だろう。昨季、TSG 1899 ホッフェンハイムでリーグ戦22試合3ゴールしか挙げられなかった31歳のストライカーが、今季リーグ戦31試合で11ゴールを記録したのだ。しかも、スカッドが充実しているとはいえないボルシア・メンヒェングラードバッハで、である。
196cmと圧巻の体格を誇るタバコヴィッチだが、最大の魅力は「走力」。ポストプレーやヘディング弾も武器だが、一瞬の抜け出しやゴール前での得点嗅覚に優れ、試合終盤でも活躍するスタミナも持ち合わせる。イタリア代表とのW杯予選のプレーオフ決勝で決めた同点弾に、彼の魅力が凝縮されているだろう。代表でも直近4試合3ゴールと好調なだけに、本大会での活躍に期待だ。
Ⅲ. エルメディン・デミロヴィッチ

Ermedin Demirović
所属クラブ:VfBシュトゥットガルト
生年月日:1998年 3月25日(27歳)
出身:ハンブルク, ドイツ
身長:185cm 利き足:右足
ジェコ、タバコヴィッチと並び、W杯本大会で飛躍を期待されるのがエルメディン・デミロヴィッチだ。セバスティアン・ヘーネス監督率いるVfBシュトゥットガルトで活躍する彼は生粋のボックスストライカーで、一瞬でラインの裏を突く得点嗅覚や点で合わせる能力に秀でる。FCアウクスブルクに所属した2023/24シーズンから3シーズン連続で2桁ゴールを記録する実力者だ。
代表では直近7試合で1ゴールしか挙げられていないものの、献身的なプレーでチームを支えた。またトップ下を務めた経験もあるため、様々な起用法が考えられる。「ボスニア・ヘルツェゴビナ代表が2026年W杯出場を決めたら、ビールを振る舞う」という約束通り、4月27日にファンとのビール・パーティーを開催したことでも話題となったデミロヴィッチ。本大会でも、彼の活躍に注目だ。
後書きに代えて リーグを彩ったスター

ブンデスリーガで活躍したボスニア・ヘルツェゴビナ代表選手は、他にも存在する。筆頭がヴェダト・イビシェヴィッチ。2008/09シーズン、ラルフ・ラングニック監督率いるホッフェンハイムで17試合18ゴールを記録して脚光を浴び、その後はVfBやヘルタ・ベルリンで活躍。2013年、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表がW杯初出場を決めたリトアニア代表戦の決勝点を決めたのも彼だった。
また2008/09シーズンにブンデスリーガでアシスト王に輝いたズヴェズダン・ミシモヴィッチ、若くしてシャルケで台頭したセアド・コラシナツ、FCザンクトパウリの守護神二コラ・ヴァシリ、ホッフェンハイムで活躍したエルミン・ビチャクチッチなど、数多くの選手がブンデスリーガで活躍した。多くの南スラヴ系住民が暮らすドイツで、スター選手たちが眩い輝きを放っている。
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