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ブッフェルヘアデ(Büffelherde):2018/19シーズンのアイントラハト・フランクフルトが擁したレジェンド的3トップ


ブッフェルヘアデとは?

2018/19シーズンのドイツ・ブンデスリーガにおいて、衝撃的な強さを誇ったチームがある。アイントラハト・フランクフルトだ。ニコ・コヴァチ監督政権下で2018年のDFBポカール王者に輝いたクラブが、コヴァチの後任となったアドルフ・ヒュッター監督のもとでさらなる輝きを放ったのだ。とくに印象的なプレーを披露したのが、アンテ・レビッチルカ・ヨビッチセバスティアン・ハラーの3トップである。

ブッフェルヘアデとは、上記3人のコンビ、あるいはその3人を擁したチームを総称して表す用語だ。この3人のフォワードは、ブンデスリーガだけでなく、UEFAヨーロッパリーグでも猛威を振るった。ヨビッチはリーグ戦での17ゴールを含む27ゴール、ハラーはリーグ戦14ゴールを含む19ゴールを挙げるなど、レビッチの10ゴールも合わせて、公式戦計56ゴールを3人で記録したのだ。

輝きを放ったのは、3人のFWだけではない。左足の鋭いクロスで知られたセルビア人左WBのフィリップ・コスティッチ、3バックの中央でリベロとして活躍した長谷部誠、運動量を武器に活躍した右WBダニー・ダ・コスタなど、多くの選手が輝きを放った。選手たちの能力を引き出したヒュッター監督の戦術も見事だった。ラングニック派閥の1人として知られる同氏のプレッシング戦術は躍進の鍵だった。

本テキストでは、なかでも輝きを放った3人のFWの活躍を振り返る。




Ⅰ. アンテ・レビッチ

Ante Rebić
加入年:2016年
生年月日:1993年 9月21日
出身:スプリト,クロアチア
身長:185cm 利き足:
2018/19シーズンのリーグ成績:28試合 9ゴール

2018/19シーズンのフランクフルトの躍進を語るうえで、最も欠かすことのできない重要な人物だったのが、アンテ・レビッチだろう。2012年に1部昇格を果たしたフランクフルトは、2015/16シーズンのリーグ戦を16位で終え、降格プレーオフを争うほどに凋落したクラブだった。しかし、その流れを一変させたのが、ニコ・コヴァチだった。同氏と秘蔵っ子のレビッチが加入したクラブは復調する。

2016/17シーズンはリーグ戦を11位で終えたうえDFBポカール決勝に進出。翌2017/18シーズンには決勝でFCバイエルン・ミュンヘンを破り、30年ぶりにDFBポカール王者に輝いたのだ。同決勝でバイエルン相手に2ゴールを挙げた優勝最大の立役者がレビッチだった。レビッチの活躍そのものがフランクフルト復活の象徴であり、驚異の3トップを形作る礎となったといえる。

レビッチは、左サイドを主戦場とする右利きのウインガー。しかし、2018/19シーズンはトップ下の位置で起用されると、器用さとドリブルでの推進力を武器に違いを作った。レビッチ最大の魅力はシュート能力で、細かいタッチで相手を翻弄したうえ、精度と威力を兼ね備えたシュートを左右両足から放つことができる。2019年1月19日のSCフライブルクで挙げたミドルシュートはあまりに鮮やかだった。


Ⅱ. ルカ・ヨビッチ

Luca Jović
加入年:2017年(レンタル)
生年月日:1997年 12月23日
出身:ロズニツァ,セルビア
身長:181cm 利き足:
2018/19シーズンのリーグ成績:32試合 17ゴール

シーズン終了後の2019年に、王者レアル・マドリードCFが触手を伸ばしたころからもわかるように、同季のフランクフルトで印象的な活躍をみせたのはルカ・ヨビッチだった。とくに第8節フォルトゥナ・デュッセルドルフ戦では1人で5ゴールを挙げるなど、抜群の得点力でチームを牽引。左右を問わず、威力と精度のあるシュートを打つ能力を武器に、ヨビッチはシーズンを通じて公式戦27ゴールを記録したのだ。

セルビアの強豪レッドスター・ベオグラードで最年少出場記録を塗り替えた経歴の持ち主であるヨビッチは、無理な体勢からでも得点を奪う嗅覚を備えた生粋のストライカー。リーグのインタビューに対しても、「僕はボックス内のキツネで、常に良いポジショニングを取っている」と語っている。2021年に復帰した際には、クラブは自身にとって「大切な存在」と語るなど、クラブ愛を示した。


Ⅲ. セバスティアン・ハラー

Sébastien Romain Teddy Haller
加入年:2017年
生年月日:1994年 6月22日
出身:リス=オランジ,フランス
身長:190cm 利き足:
2018/19シーズンのリーグ成績:29試合 15得点

クラブの象徴だったレビッチ、若く勢いのあるストライカーのヨビッチと比較すると、セバスティアン・ハラーの存在は一見地味だったかもしれない。しかし、実際には3トップのなかでもっとも高い実力を誇ったのはハラーだった。190cmと高身長ながら、高い身体能力と確かな足元の技術を誇った彼は、相手チームがゴール前にブロックを形成した際に崩しの起点となる役割を果たした。

一列降りてトップ下のような役割を果たすプレー、クロスにワンタッチで合わせて得点するプレーなど、幾度となくチャンスに関わり、結果的にはリーグ戦で15ゴール9アシストを記録したのだ。2017/18シーズンVfBシュトゥットガルト相手に決めたバイシクルシュートも、彼がどれほどの才能の持ち主かを如実に表しているだろう。能力と派手さを兼ね備えた前者2人に負けず劣らずの実力の持ち主がハラーだった。


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