埋もれた良作を、5本。
noteを書き始めてから、作品がずいぶん増えた。
新しいものを書けば、
当然、新しい作品がいちばん上にくる。
その次を書けば、
ひとつ前の作品は下がっていく。
そうやって気づけば、
ずいぶん奥まで来てしまった。
でもアクセス解析を見ていると、ときどき思う。
これ、
もう少し読まれてもよかったんじゃないか。
たくさん読まれた作品が、
必ずしも自分の好きな作品とは限らない。
逆に、
あまり読まれなかったのに、
読んだ人はかなりの割合でスキを残してくれた作品もある。
つまり。
まだ見つかっていないだけの作品が、あるのかもしれない。
そこで今回は、
過去の記事を数字から掘り返してみた。
基準にしたのは、
単純なビュー数ではない。
あまり多くの人には届いていない。
でも、
読んでくれた人はスキを残してくれている。
そこから候補を拾って、
最後は自分でもう一度読み直した。
今の私が読んでも、
もう一度誰かに渡したいと思えるもの。
5つ、ありました。
1|私たちは、もう友達じゃなかった
120ビュー/35スキ。
スキ率、約29%。
久しぶりに会った、
地元の友達の話です。
昔は毎日のように一緒にいた。
でも大人になった私たちは、
まったく違う人生を歩いていた。
友達を失ったわけじゃない。
今の人生が嫌なわけでもない。
それでも、
彼女たちを見ていると、
自分が一度も歩かなかった人生を
想像してしまった。
これは友情の話でもあるけれど、
選ばなかった人生を、
少しだけ振り返った話なのかもしれません。
2|私は、私の人生を選んでいない
92ビュー/24スキ。
スキ率、約26%。
私はずっと、
自分で人生を選んできたと思っていた。
恋愛も。
仕事も。
人との関わり方も。
でも振り返ってみたら、
寂しいから誰かを求めて、
怖いから先に諦めて、
必要とされたくて自分を差し出していた。
それを本当に、
「自分で選んだ」と言えるんだろうか。
私が作品の中で何度も書いている、
「OS」というもの。
その意味が、
いちばん短く分かる作品かもしれません。
3|OSの女|第2章 間違った前提の恋愛
83ビュー/21スキ。
スキ率、約25%。
私はずっと、
欠落した男ばかりを選んでいた。
一番になれない人。
誰かのものだった人。
求めてくれるけれど、
私だけを選んではくれない人。
それでも、
求められると弱かった。
必要とされることで、
自分には価値があると思えた。
当時はそれを、
恋愛だと思っていた。
でも今振り返ると、
私は男を選んでいたというより、
自分の中にあった前提を、
何度も確認していたのかもしれない。
「ダメな私は愛されない」
母との関係で作られたものが、
恋愛の中でどう繰り返されていたのか。
いくつもの恋愛を並べて、
あとから自分の人生を見直した話です。
4|私を透明にした「お前には聞いてない」の一言
56ビュー/12スキ。
スキ率、約21%。
今回の5本の中で、
いちばん読まれていない作品です。
これは、仕事の話。
私は80歳近い社長に気に入られ、
社長室に自分だけの「指定席」を持っていた。
相手が何を言ってほしいのか。
次にどんな相槌を打てば喜ぶのか。
私はなぜか、
そういうことが分かってしまう。
だから、
特別な存在になれた。
でもある日、
私の指定席に別の女性が座った。
そして会議中、
何かを言おうとした私に、
社長は言った。
「お前には聞いてない」
恋愛の話ではありません。
でも今読むと、
「選ばれることで、自分の価値を確かめていた私」
が、ここにもいました。
5|お前はダメだと言った母が、最後は私の勝ちよと笑った。
114ビュー/20スキ。
スキ率、約18%。
母が死んだ日、
私はなんとも思わなかった。
もちろん悲しかった。
でも私と母の間にあったものは、
悲しいという一言だけでは、
うまく説明できなかった。
「お前はダメだ」
何度もそう言われて育った。
大人になってからも、
その声は私の中に残った。
そんな母が癌になり、
最期の4か月を、
父と私と三人で過ごした。
25年、家に帰らなかった父。
ずっと父を待っていた母。
ある日、母は笑って言った。
「最後は私の勝ちよ」
母を看取ったあと、
私は母にも、
私の知らなかった人生があったことを知った。
母を許した話ではありません。
母をただ憎むことも、
できなくなった話です。
全部、違う話に見えるけれど
友達の話。
仕事の話。
風俗で働いていた女の話。
恋人ではなかった男の話。
そして、
自分の人生を自分で選んでいなかった話。
こうして並べると、
ずいぶん違うものを書いている。
でも、
やっぱり同じところに戻ってくる。
人とどう繋がるのか。
どうして私は、
こんなふうに人を求めるのか。
どうして選ばれたかったのか。
どうして、
大切にされることより、
不安定な場所を選んだのか。
母のことも。
恋愛のことも。
仕事のことも。
夫のことも。
たぶん私はずっと、
人との関係の中で、
自分がどう作られてきたのかを書いている。
だから、
全部違う話に見えるのに。
やっぱり、
全部、繋がっている。
