私が出会った愛すべき男たち 七|親友の彼氏だった男
親友の彼氏だった男。
もともとは彼の方が先に友達だった。
そのあと彼女を紹介されて、
三人で過ごすことが増えた。
彼は付き合ってからも、
時々私を呼び出した。
私は断れなかった。
好きだったわけじゃない。
ただ、
求められることに弱かった。
でも会うたびに、
好きになっていったのは彼じゃない。
彼女だった。
一人暮らしの私にご飯を作ってくれて、
落ち込んでいる日は外に連れ出してくれた。
人を大切にする人だった。
私はそんな人を、
ずっと裏切っていた。
彼とは、
案外あっさり終わった。
でも彼女のことだけは、
今も思い出す。
彼女の家で食べたご飯の味も、
笑いながら名前を呼んでくれた声も。
あの男のことは忘れた。
でも、
親友だった彼女だけは、
忘れられない。

▶︎この話のあとがき※翌日公開
創作ノート 七|親友の彼氏だった男を書いたあとに、タイトルに違和感が残った理由
