私が出会った愛すべき男たち 五|彼女がいるのに、「もっと甘えてもいいんだよ」と優しくしてくる男
日曜日は、彼女の日だった。
それは出会った頃から決まっていた。
だから私たちは、
金曜の夜か、土曜の夜だけ会った。
昼には会わない。
平日も、
連絡はしなかった。
どこまでなら近づいていいのか。
二人とも、
ちゃんと知っていた。
それでも、
境界線を越えてしまう夜があった。
名前のない人に、
わがままは言えない。
日曜日の彼を、
私は知らない。
私には見せない顔で、
笑っていたのかもしれない。
もっと一緒にいたい。
その言葉は、
何度も喉まできて、
そのまま飲み込んだ。
それなのに。
「たには甘えてもいいんだよ。」
逆に、酷だよ。
その優しさ。

▶︎この話のあとがき
創作ノート 五|彼女がいるのに、「もっと甘えてもいいんだよ」と優しくしてくる男を書いたあとに、あの一言だけ消せなかった理由(後日公開予定)
