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開拓村プロジェクトメンバーインタビュー

藤井牧場社内横断の「開拓村プロジェクト」。その前期メンバーである牛舌(ペンネーム)さん、亀尾さん、谷さん、山田さんに、インタビューしました。
「なぜ北海道に?」「なぜ酪農の世界へ?」「なぜプロジェクトに参加しようと思った?」。
「みんなの森」でたき火を囲みながら行ったインタビューを互いに聞きながら、知っているようで知らなかった各メンバーの思いについて深く知る機会にもなりました。
「星好き」という共通の趣味が明らかになり、開拓村プロジェクトにも星に関わる何かが生まれるかもしれません。

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▲森の中で、たき火を囲んで座談会

(五十音順で紹介)

プロジェクトメンバー#1 哺乳課 牛舌さん(神奈川県出身、入社1年4か月目)

Q:どうして酪農の仕事に?

高校生の時に留学したりしながら、自分が本当にやりたいことは何かをずっと考えてきました。なかなかそれが見つからず遠回りもしましたが、それでも小さい頃からの「動物が好き」という気持ちだけは自分の中でブレないと思いました。そこで、動物に関わる仕事を探す中で、「動物が好き」という気持ちを受け入れてくれた藤井牧場に飛び込んでみました。

牛は関われば関わるほど、本当にかわいい存在です。今は哺乳課に所属していて、生まれたばかりの子牛の世話をしています。子牛は生まれてすぐ、感染症を防ぐために母牛から離されるのですが、そこから私たちが母牛の代わりをしてあげます。羊水で濡れた体を大きなバスタオルで何度も何度も拭いてあげると、子牛が立ち上がり、母牛からの初乳を飲みます。そこまでを2時間以内にできれば、ひと安心です。母牛の代わりに子牛と向き合う責任は重大ですが、たくさん触れ合うことができて幸せです。

Q:富良野未来開拓村プロジェクトでやってみたいことは?

「これがやりたい!」というよりも、今は大きなプロジェクトに少しでも自分が役立てたらうれしいと思っています。経験を重ねながら、自分に何ができるかを考えていきたいです。藤井牧場に飛び込んだとき、それまで考えもしなかった新しい世界が広がっていたように、今回もそんなふうになることを期待しています。

仕事のリフレッシュのひとつが「星を見ること」です。仕事終わりに近くの日の出公園まで車を走らせて、2時間くらいずっと星を見ていることも。街灯も建物もない広大な場所だからこそ、見たことのない星々で空が埋め尽くされています。
ここには、私の知らなかった景色が広がっている。そう考えると、多くの人に新しい景色を見せられるような場所をつくることが、私がやってみたいことなのかもしれません。

▲生まれたての子牛

プロジェクトメンバー#2 哺乳課 亀尾さん(福岡県出身、入社1年5か月目)

Q:どうして酪農の仕事に?

前職ではインターネット関連のコンサルティング業で起業していました。とにかくがむしゃらにやって、「自分が売ろうと思えば売れないものはない」というくらいの実績ができたとき、ふと「自分は本当に価値のあるものを、本当に必要な人の元に届けられているだろうか?」と思いました。それは、中学生の時にコンビニで感じた違和感に通じるもので、「便利なものが1か所に集中することで、逆に足りなくて困る場所が生じるのでは?」という、誰かの「よかれと思って」が、見えないところで別の何かの引き金を引いてしまっているような感覚でした。

そこで思いきり振り切って、人間が日々生きていくために本当に必要なこと、つまり命を支え、命と向き合う仕事がしたいと思い、僕と同じく動物好きな妻と一緒に藤井牧場とご縁がつながりました。藤井牧場の、牛を大切にする姿勢に共感しています。 

Q:富良野未来開拓村プロジェクトでやってみたいことは?

僕の考える本質的な「豊かさ」とは、半径3メートル以内の人たちを笑顔にすることです。酪農の現場で言うと、やっぱり酪農の基本は「牛を見る」ことだし、それがしたい人たちが集まっているのが藤井牧場なんです。ただ実際には目の前の作業に追われ、牛と向き合う時間が満足に取れないこともある。そこを、前職などで培ってきたスキルや経験を活かして、データ収集システムの構築やAIの活用によって現場の労力を減らすことにつなげていきたいですね。
あと実は、僕も星がすごく好きなんです。中学生のころから宇宙やタイムマシンが大好きで。仕事終わりに空を見上げると天の川が見えるのが最高です。太古の昔から人は星を見て季節のめぐりをとらえ、思いを馳せてきました。そんなことにも触れられる場所を開拓村につくれたらと思っています。

▲仕事終わりに見上げる満天の星空
▲天の川が見えることも

プロジェクトメンバー#3 搾乳課 谷さん(東京都出身、入社9年)

Q:どうして酪農の仕事に?

私は新卒で藤井牧場に就職しました。小さい頃からとにかく牛乳が大好きで、進学先も酪農系大学を選びました。卒業後の就職先として研究職か現場職かを悩んだとき、恩師が「結局は現場を知り、現場で試行錯誤することが大切」と教えてくれました。そこで、インターン生として藤井牧場で働いてみたことが最初のきっかけです。第1牧場(八幡丘ファーム)では、牛の快適さを第一に考え「砂のベッド」を導入しています。牛が心身ともに健康であることが、ダイレクトに牛乳の品質に関わるからこその取り組みですが、藤井牧場ほどの規模でこうした最新の仕組みを導入することは、並大抵の経営判断ではできないと思いました。こうした「牛ファースト」な姿勢が自分にすごく合うと感じ、ここで働いています。

▲牛がのびやかに過ごす「砂のベッド」

Q:富良野未来開拓村プロジェクトでやってみたいことは?

藤井牧場はギガファームと呼ばれる規模ですが、酪農業界の多くは小規模の家族経営です。そうした農家が日本の酪農、ひいては食卓の牛乳を支えています。家族経営だと休みを取ることも難しく、経営も安定しづらいため、その結果引き継ぐ人も減って…という悪循環に陥りがちです。開拓村では様々な大学や企業、自治体との連携が進んでいますが、そうした小規模な酪農家の経営の持続可能性にも展開できるような取り組みができることを期待しています。
個人的なことで言えば、私は2歳の娘を育てているのですが、この辺りは住民自体が少なく、小学校も閉校しており、一番近い学校も近々街の方の学校と統合予定です。人が来る目的・機会がどんどん減ってしまうことで、子育て環境だけでなく、暮らしやすさ自体が危ぶまれてしまいます。開拓村プロジェクトの中で、うちの近所に「みんなの森」ができたことは画期的だと思っています。人が集まれる場所・集まる目的があれば、地域は元気を取り戻せると思う。自分のためだけでなく、未来の世代のためにも、そういうことに関わっていきたいですね。

▲人が集う場所「みんなの森」

関連記事:森を整える、未来を整える ― 開拓村で始まった「幸せな森づくり」レポート

プロジェクトメンバー#4 搾乳課 山田さん(福岡県出身、入社10か月目)

Q:どうして酪農の仕事に?

大学卒業後、父が経営する動物病院で働いていました。生まれた時から動物に囲まれて育ってきた僕にとって、動物に関わる仕事に就くことはごく自然なことでした。
人間に近い動物としては「ペット」と「家畜」とあり、うちの動物病院では主にペットを診ているのですが、ペットが置かれている不条理な環境や、人間の身勝手さを感じる状況も目にしてきました。そんな中で、いわゆる産業動物である「家畜」に関心をもち、酪農の世界に飛び込みました。
藤井牧場で働くまで北海道には一度も来たことが無かったのですが、学生時代を北海道で過ごした父から「一度は北海道に住んだ方がいい」と言われていたこと、また「どうせやるなら背水の陣でチャレンジしたい」と思ったことが、北海道に来た理由です。

▲真剣に搾乳作業中

Q:富良野未来開拓村プロジェクトでやってみたいことは?

東日本大震災のとき、ペットを助ける仕組みが無く、避難所へのペット同伴が認められなかったり、保護しきれなかったペットが放浪・野犬化して過酷な環境下に置かれたりしたことが問題になりました。その経験を元に、災害派遣獣医療チーム「福岡VMAT」が立ち上がりました。そこに父も携わっていたので、私も同じように動物の命を救い、動物が1頭でも幸せになるような仕組みがつくりたいです。
中学生の頃、歴史の教科書を見ていて、名が遺っている人の数以上に遺らない人がいるのか…と思った時、自分は遺る側にいたいと思いました。「山田奨馬」という名前が残るような大きなことを成し遂げたいので、開拓村もその第一歩として考えています。


今後、開拓村プロジェクトメンバーにもnote記事を執筆してもらう予定です。
山田さんにいち早く書いてもらったこちらの記事は、山田さんの1日をドキュメンタリーのように追うかたちで、搾乳という仕事の幅広さ・奥深さを知っていただけます。ぜひご一読ください。
山田さんの執筆記事:開拓村日記「藤井牧場の1日 ー搾乳“だけ”じゃない、搾乳の仕事」

(インタビュー:Koe和田順子)


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