あれから10年
今ではもう私がサッカーをしていたことも、サッカー選手だったことも遠い昔の記憶と話で、なんならそんな私の過去を知らない人も増えてきたくらいには時が経ちました。
昔は私の経験を言葉に、そして誰かの記憶にどうにか残しておきたくて、誰かの何かのきっかけになれればそんなに幸せなことはないと本気で願って、この場所に思いを書いていたけど。いつからか、サッカーから離れれば離れるほど、私の経験も気持ちも言葉もどこに留めておけば良いのか分からなくなっていたのも事実です。
それでも、日々感じる感情や自分の中から出てくる言葉たちはあって、あの時と変わらず日記には書き留めていたし、このnoteには書いては消してを繰り返したことも、書いて下書きに保存だけされた言葉たちが残っていたりもします。そして、今もずっと私の中だけに留まっている想いや言葉たちももちろんあるのですが、この数年いろんなことを経験して、考えて、こうして何年かぶりになんだかここに言葉を残しておきたくなったので、今書いています。
私の身体と心が悲鳴を上げてサッカーが出来なくなったあの日から10年が経ちました。
身体の悲鳴を自分自身の弱さだと言い聞かせて自分に嘘をつき続けていたあの日々も、グラウンドで崩れ落ちるようにして倒れてしまったあの日のことも、病院で診断結果を聞いて最悪なはずなのに安堵してしまった日のことも、ただただ、サッカーがしたい。たったもう一度だけでいいからサッカー選手になりたい。その想いだけで乗り越えてきたあの日々も、ほんの少しだけ動けたりボールが蹴れたりして、こんなにも幸せなことはないと噛み締めていたあの日も、諦めるという選択肢しかない現実を突きつけられて絶望したあの日のことも、悔しくて、苦しくて、どこにも、誰にも、ぶつけることのできないどうしようもない感情と葛藤している日々も、何もかもを投げ捨てて消えてしまいたいと思ったあの日も、私がサッカーをしていた遠い昔のあの日々も、サッカー選手として生きたあの瞬間も、人や言葉に支えられて救われている日々のことも、10年経った今でもやっぱり鮮明に覚えているし、忘れず、自分の中に大事に抱えて生きています。
そして、今でも願いが叶うなら何がしたい?と聞かれたらサッカーがしたい。もう一度だけサッカー選手になりたい。そう迷いなく言葉にしちゃうくらいにはたまらなくサッカーが好きです。
強くなりたくて、この経験を無駄にしないんだと、この経験が何かにきっとなる、間違いなんてない。自分で選択して、自分で責任を持ってそれを正解にするんだと、嘘でも無理やりにでもいいから言い聞かせて、そして、そう言うことでしか自分を保てなかった10年前のあの時から、本当の意味で自分自身を、あの時の出来事や感情たちを少しずつ咀嚼して受け入れてちゃんと前に進めているんだなと10年経ってやっと思えるようになって、感慨深い気持ちになっています。
沢山の人に支えられて、助けてもらって、到底1人では生きることなどできない私で、もちろんそれは今も変わらずなのですが。あの日々は、あの出来事や感情とは、私が、私1人が、逃げずに、目を背けずに、向き合い続けてきたからこその、今だとも思っていて。誰にも委ねなかった。私が、私だけが、自分でちゃんと抱えてきたもの。もちろん今でもふとした瞬間に想いを馳せては苦しくもなるし、羨ましく思ってしまうこともあります。受け入れるにはまだまだ時間がかかっている感情も言葉もあるけれど、そのどれもが間違いなく、今の私を作っていて。あの時の全てが、無駄じゃなかった、今に全部繋がっている。そう素直に思えています。
気持ちや感情に蓋をして、無かったことにしたくて、本当に無かったことになったものも、どうにもこうにも無かったことにはできなかったものもあるけど、今は無かったことにはしたくない、それがどんなことでも、自分でちゃんと抱えて生きていきたい。そう受け止められる強さをほんの少しは持てるようになりました。(もちろんサッカーのことだけではなく全ての出来事や感情に対しても。)

とんでもなく前置きが長くなりすぎてしまいましたが、あの時から10年。
私は今ボールが蹴れています。遊びでフットサルができています。信じられません。

10年前には想像もできなかった今があります。あの時諦めなくて本当によかった。もちろんボールが蹴れた次の日には膝は腫れて痛くなることもあるし、なんともない日もたまにはあったりするのですが、前十字靭帯5回断裂しても、ボールが蹴れるようになりました。こんな奇跡あってもいいのかな。
今はただただボールが蹴れることが楽しくて楽しくてしょうがないです。たまらなく幸せです。
いつかまた蹴れなくなってしまうその日がくるまで、私はこの幸せを噛み締めていたいです。
そして、高校で誰よりも一緒にサッカーがしたかった、一緒にピッチの上に立ちたかった美穂と今こうしてまた一緒にボールが蹴れています。奇跡。嬉しすぎるのでここに残しておきます。

他にも一緒にボールを蹴りたい人たちがたくさんいます。この嬉しさを伝えたい人たちも沢山。是非みなさん私と一緒にボールを蹴ってください!嬉しさを一緒に噛み締めたいです。よろしくお願いします。
それから、私は今サッカーの世界からは離れてコーヒー屋さんでバリスタをしています。今はこの仕事が楽しくてたまらなく好きです。

サッカーしかない、サッカーしかできないと思って生きていた時には想像もできなかった、していなかった今がここに確かにあって。今までのことが全部ちゃんと繋がっていて、サッカーをしていて本当に良かったと何度も何度も思い返すことがあります。怪我をして良かったなんてやっぱり一生思うことはないけれど、私にしか経験できなかったこと、あの経験をしたからこそ、今の私がここにいるのだと胸を張って言えるようになりました。あの時から少しは成長して、前に進めているのかな。そうだといいな。
あの時からずっと、自分はどう在りたいのか、どう生きていきたいのか、を考え続けています。答えはまだ全然見つかっていないけど、これからも自分と向き合い続けて、愛を抱えて、まっすぐに素直に誠実に、そしていろんな感情を経験したい。過去でも未来でもなく今をちゃんと生きていきたい。そう思います。
これからもみなさんどうぞよろしくお願いします。
そして、またいつか、ここに言葉を残したくなる日がきたら書きます。
最後になりますが、とてつもなく長い文章を時間を使って読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。嬉しいです。
強く、優しく、柔らかき人間になろう。
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