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横浜ダービー、雨のち晴れるや否や


イントロダクション

ダービーとは

2月26日、久しぶりに「横浜ダービー」が開催されます。横浜を舞台にして行われるJリーグのダービーマッチですね。

ローカルダービー
同一の行政区画の範囲内や、地理的に近隣関係のある異なった行政区画に本拠地(ホームタウン)を置いているクラブチーム同士の試合の事を指し、その地名や地域名を頭に付けて「○○ダービー」という。

Wikipedia

Jリーグにもたくさんのダービーがありますね。大阪ダービー、静岡ダービー、東京ダービー…
でも、私としては…「横浜市出身・在住・在勤で地元愛が大爆発している私」としては、真にダービーといえるのは横浜ダービーだけです。いや、だけだったのです。
(註:他サポの方々には、それぞれの理由で自分たちのダービーマッチがNo.1だと考えていると思いますが、それはそれで正しいし、疑義や否定はまったく持ちません。大丈夫。)

三沢まりの、ダービーを語る

今年1月、マリノスサポーターの祭典「みなトリ祭」での「Footrico!」公開生放送にゲストとしてお招きいただきました。その中で、横浜フリューゲルスのこと、そして横浜フリューゲルスとの横浜ダービーのことをお話しする機会を頂きました。関係各位に感謝。

そのときに「想い」は供養できたと考えていたのですけれど…
いざ、横浜FCとの対戦が近づいてくると、このときの語りへのセルフ返歌というかアンサーソングというか、まだ言葉を紡ぎたいという想いがたくさん湧いてきます。
というわけで、今一度、語りたい。
試合のプロモーションも兼ねて🙄(なにせ2月の平日ナイトゲームだからチケットの売れ行きが心配で心配で…)


横浜ダービーとは何だったのか(93-98)

「横浜フリューゲルス」という存在

横浜ダービーといえば、横浜マリノスと横浜フリューゲルスの試合。横浜という日本最大の都市を舞台にした、ライバルによるダービーマッチ。

そう。ライバル対決、なのです。
先ほど挙げた「Footrico!」公開生放送でも語りましたけれど…
Jリーグがブームだったあの頃は、マリノスサポーターもフリューゲルスサポーターも、特に横浜出身だと知られると、大抵こう訊かれたものです。

「なぜマリノスが好きなの?フリューゲルスは?」
「なぜフリューゲルスが好きなの?マリノスは?」

答えはもちろんこうです。

「は? なにそれ。横浜にウチ以外のチームなんか無い」

存在の全否定🤣
(今はかなり○○な社会になってきたのでアヤシイが)もちろん、存在を全否定するような発言ができるのは、むしろその存在を認めているから。何を言ったところでそこにあることは誰にも否定できない、否定させない。そんな存在だと認めているからこそ言えるのです。
……もう絶対に言うことはできなくなってしまった…。
そんな禁忌の言葉になってしまったことが、ほんとうに哀しい。悔しい。永遠にバチバチのライバルでいたかった。

なお、これ、同じ街のライバルで相手のことを認めているから言えるのであって、他サポにフリューゲルスを馬鹿にされるとけっこう腹が立つものでした🙂💦

「フリューゲルスサポーター」という存在

サポーターの存在も、同じと言えましょう。
あの頃は、他都市出身者に「マリノスとフリューゲルスはどっちが人気があるの?」なんて訊かれると、よく言ったものです。

「え? フリューゲルスのサポーターなんて横浜にいないでしょ?」

これももちろん、たくさんいるから言えること。
ほんとうにいなかったら、圧倒的に少なかったら、そんなこと気軽に言えない…。
そして、こんなこと言っているのに「そうだよね、フリューゲルスって人気ないよね」なんて言われようものなら、いやいやいやそんなことないですけどあなたになんでそんなこといわれなきゃいけないんですか冗談じゃないですよ、などとまくしたてたくなるわけで。
めんどくさいね🤣

だって、ライバルなんだもん。

「ライバル」という存在

ライバルだと言えるくらい、実力のあるチームでしたね、どちらも。
自分としては…もちろん、横浜ダービーは絶対に勝ちたかった。
でも、フリューゲルスが弱いのは、ダメなんです。ライバルだから。横浜ダービー以外ではフリューゲルスにも頑張ってほしかった。いや、頑張ってほしいというか…応援はしないけれども、応援はしないのだけれども、強いチームであってほしかった。その上で、常にマリノスが横浜ダービーでは勝利し、常にフリューゲルスがマリノスの「1つ下」の順位にいてほしかった、その位置に追いやりたかった。
とっても強いのだけれどどれだけ頑張ってもマリノスには敵わない、という立ち位置に。
だから、理想は

最終節の横浜ダービーで勝ってマリノスが優勝。
負けたフリューゲルスが優勝を逃す。

決勝点がオウンゴールとかだとなおよい。

ですね。

強いライバルとのダービーといえば…
現代では、強豪対決となる川崎フロンターレと横浜F・マリノスの神奈川ダービーでしょうか。一時期「BIG神奈川ダービー」と銘打ったプロモーションをしていましたね。

同じ県内の両クラブでリーグ6連覇。凄い、凄まじい。
でも、「神奈川県勢で独占」と言われても「へーすごいねえ」で終わってしまう感情。どうしても、第三者的というか、客観的というか、ちょっと引いた立場で受け止めてしまいます。
だって…
横浜市民も川崎市民も、神奈川県民意識が著しく低いんですもの。「神奈川県勢」という枠組みにピンとこない。地元感がない。
やっぱり、「同じ都市」という身内で争ってこそのダービーなんですよね!
(このあたり、地域によって地元意識が異なると思いますので、他地域のダービーはまた違う色合いがあると思っています)

あの頃の横浜ダービー

そう、あの頃の横浜フリューゲルスは、
横浜マリノスほどではないけれど匹敵するほど実力があった
横浜マリノスほどではないけれど匹敵するほど人気があった
横浜マリノスほどではないけれど匹敵するほど知名度があった
(註:すべてマリサポ視点の主観です)

同じ都市で、まあどちらが優位かははっきりしているのだけれど(註:マリサポ主観)甲乙つけがたいほど人気・実力ともに拮抗していて、同じホームスタジアムの領有権を争うかのような、トップリーグで行われる戦い。
それこそが、横浜ダービーなのだ!
(なお、この定義は主観が大いに混じっているので、異論は全然あるでしょうし、それを否定する気はまったくありません)

人気・実力ともに伯仲の相手とのダービーマッチは、勝った方が街の王者
勝ったら、街の王として堂々と振る舞い、余裕のまなざしで敗者を見下すような。
負けたら、次のダービーまでは道の端を歩くような。
学校で、勤め先で、次のダービーに勝つまでクラスの端っこやオフィスの隅で小さくなって過ごすような。(比喩ですよ、ええもちろん)
敗者だと笑われても「負けたんだから仕方ない」と飲み込んで堪え、「次こそは見てろよ」と臥薪嘗胆、心に炎を燃やす🔥
そんなことが、街を二分する戦いなのだと互いに思える関係性があるのが、ダービーマッチ。

だから、横浜マリノスと横浜フリューゲルスの横浜ダービーで、いつの日か、日産スタジアム7万席を両チームのサポーターで埋め尽くして横浜市民を驚かしてやるぜ。
そう、いつの日か。

それが夢でした。

見果てぬ夢になりました。

「横浜ダービー」の今、そして未来

紆余曲折の末に辿り着いた現在地

あの合併で、横浜マリノスは横浜F・マリノスになってしまった。
(私がF・マリノスを心から応援できるようになるまでにはかなりの葛藤を乗り越えた、という事実は触れておこうと思います)
あの合併で、横浜フリューゲルスは無くなってしまった。
サポーターたちが後継クラブとして横浜FCを立ち上げ、しかし横浜FCはその成長過程において横浜フリューゲルスの後継を目指す道を自ら閉じてしまった。
そんな歴史的経過もあります。
そして、アジア制覇まであと一歩まで辿り着いたJリーグ屈指の強豪 横浜F・マリノスと、1部と2部を行き来する横浜FCが「~~匹敵するクラブ」だとは、客観的に言えない。実力も人気も知名度も差がありすぎて、ライバルにはなりえていないと言わざるを得ない。
それじゃあダメなのです。
それは、かつてそこに年中行事として存在していた横浜ダービーではない。

ただ、面倒なことに…そもそもダービーマッチには知名度や人気や実力やその時点の順位などの要素なんてまったく関係なく…いや、むしろ下位の者ほど奮起して驚くような結果を見せるのが、ダービーマッチです。
つまり、F・マリノスはいつだって挑戦を受ける立場。足元をすくわれかねない立場。勝つのが当たり前で負けたら酷い扱いを受けかねない立場。
まったくダービーに馴染まない。(註:主観です)

「横浜ダービー」に足りないモノ

では、横浜FCが実力をつけて人気が出れば、あの頃の横浜ダービーの熱狂が戻ってくるかというと…
まだ、足りないと感じる要素があります。

私は、前述の「Footrico!」公開生放送で、今後の「横浜ダービー」への願いとして「互いに敬意を払ってほしい」と言いました。

ピッチ上はバチバチでいい。ダービーマッチだからな。
サポーター同士もバチバチでいい。ダービーマッチだからな。(良識の範囲内で)
クラブも、バチバチでいいと思っています。ダービーマッチだからな。(公序良俗に反しない範囲で)
でも、根底には相手の存在に対する敬意を持ち、それを滲みだすべきだと考えています。
たとえば…
横浜FCがツイッターのハッシュタグで「fmarinos」ではなく「marinos」を使うのは論外なのです。言葉狩りをするつもりはないけれど、その省いた1文字の意味と経緯を考えたら、それは絶対にやっちゃいけないこと。禁忌にわざと触れてくる。なんですか。いくさですか。
煽り自体は、いいと思うのです。いい子ちゃんである必要はない。ダービーマッチだからな。
でも、ダービーマッチの相手は(いやダービーに限らないが…)ライバルであって敵ではない。勝敗や成績を煽るのはいい。存在の認知を誤るのはいけない。

足りないのはメタ

私には、嫌いなクラブがいくつかあります。すまん。
たとえば、審判の目を盗んで嫌なことしたり時間稼ぎをしたりする鹿島。
たとえば、セレモニーでもなんでもブーイングで楽しませまいとする浦和。
とっても嫌いなのですが、それは一次的な捉え方。
メタな視点で見れば…

「くっそー、よくもやりやがったな、この試合は絶対に勝ってやる! いつもより声を張り上げて歌ってやる!」

こう思わせてくれる存在は、より燃える・より盛り上がるという意味で貴重な存在。一次的には嫌いでも、メタ的には大好きなのです。
一次的視点だけに拘泥せずメタ的な視点を持つことは、サッカーを愛する上でとっても大切なことなのではないかと考えています。
そして、メタ的な視点を持つうえでカギになるのが、敬意
ここで言う敬意とは、相手をリスペクトして煽らず仲良しこよしに、などということではありません。もっと深いところに位置する…相手の存在・尊厳に対する敬意なのではないかと。
それを、お互いにもっと持ち、発していきましょう。そう考えています。

エピローグ、そしてプロローグ

今の「横浜ダービー」でも、クラブ、ファン・サポーター、それぞれのレイヤーで相手の存在・尊厳に対する敬意を滲み出しながら熱く煽り合える関係を生み出せれば…そのとき、「横浜ダービー」から、シン・横浜ダービーの進化・深化・真価が見えてくるのではないか。そんな日が来るといいな、つくりだしていきたいな。そんなことを願ってやみません。

そして、この横浜ダービーへの想いを綴ったラブレターのようなこのnoteは、冒頭でご紹介した「Footrico!」公開生放送で今後の横浜ダービーについて語った言葉、これで積年の想いを供養できたと感じた言葉の再掲で締めます。

「ファン・サポーター、クラブ同士が敬意を互いに持てたらいいのかな。
お互いの存在を認めるというか…
(今は、相手の)存在自体が良くないと思っているんじゃないか、というようなムーブが見えることもあるので、それは違うよね、と思う。
同じ街でやっている『仲間』がいてこそダービーとして成立するので、
そこがもうちょっと、ちゃんと確立できるようになったら、また新しいステキな横浜ダービーになるのかな」

Footrico!#316 みなトリ祭公開生放送

……ふむ。
あれれ?
アカン!
この溢れる想い、全然締まりません!🤣

だって、これからも「横浜ダービー」は続き、いつの日か、カギカッコを外して「これぞ横浜ダービー!」と心から言える日が来ることを願っているのだから、締まるものも締まりませんよね。
だって私、「Footrico!」で、こんなこと言いましたもの。

「(フリューゲルスという実力・人気がまぁ拮抗した相手と)同じ街で、同じスタジアムで、ダービーをやると言うのはなかなかない環境だと思うんですよ、世界的に見ても。
横浜の街はこういうダービーができるんだぞ、というのを発信したいなと思いました。当時は。
今も、その思いは、ある。

Footrico!#316 みなトリ祭公開生放送

それではみなさん、良い横浜ダービーを!

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