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キッチンで一番忘れられているのは「ゴミ箱のスペース」です|動線リノベ[12]

― 分別が続かない理由は、意志の弱さではありません ―


“動線”を整えることで、暮らしはもっとラクになります。
一級建築士として、毎日の暮らしが少しラクになる住まいの工夫を発信しています。


キッチンが使いにくい理由として、
収納や動線はよく話題になりますが、
実はとても見落とされがちなものがあります。

それが、
「ゴミの動線」です。

ゴミは、必ず出るものです。
・調理中に出る生ゴミ
・包装材
・空き容器
・食後のゴミ

毎日、何度も発生します。

それなのに、
「どこに、どう捨てるか」が
きちんと考えられていないキッチンは、とても多いのです。

ゴミ動線が乱れやすい理由


ゴミ動線が整わない一番の理由は、
ゴミが“作業の途中で出るもの”だからです。

料理をしながら、

・手が汚れている
・火を使っている
・次の作業を考えている

そんな状態で、
「どこに捨てよう」
「分別どうしよう」

と考えさせられると、

動線は簡単に崩れます。

結果として、
・とりあえずシンク脇に置く
・作業台の上に溜まる
・後でまとめて捨てるつもりが、そのまま

という流れになりがちです。

これは、
だらしないからでも、
分別意識が低いからでもありません。

動線が合っていないだけです。

よくある「続かないゴミ動線」


設計やリノベーションのご相談で、
よく見かけるのが、こんなケースです。

・ゴミ箱がキッチンから離れている
・キッチンのプランは完璧なのに、キッチンの中にダストスペースを置く場所がない
・分別が多く、捨てる場所が点在している
・調理中にフタを開ける動作が多い(キッチンやカップボードの中にゴミ箱が格納されていて、ゴミの蓋を開けるのにツーアクションになるなど)
・ゴミ袋の交換が面倒で、後回しになる

一つ一つは小さなことですが、
ゴミは発生回数が多いため、
負担が積み重なりやすいのです。

ゴミ動線を考えるときの基本


ゴミ動線を整えるときに大切なのは、
「きれいに捨てられるか」よりも、
「作業を止めずに捨てられるか」
です。

・振り向くだけで捨てられる
・手が汚れていても扱いやすい
・分別を考えなくていい状態になっている

こうした条件がそろうと、
ゴミ動線は自然と続くようになります。

ゴミ箱は「作業のそば」にあっていい


よく、
「ゴミ箱は見えない場所に」
「生活感を出したくない」
とのご要望を耳にします。

もちろん、それも一つの考え方です。
でも、
ゴミが出る場所と捨てる場所が遠いと、
動線は必ず崩れます。

調理中に出るゴミは、
調理スペースのすぐそばで受け止められる方が、
ストレスは少なくなります。

扉や引き出しに掛けて使える
生ごみ箱(蓋つき)by amazon


見た目は良い。でも、使われなくなるゴミ箱の話

キッチンの打ち合わせで、
とてもよく出るご要望があります。

「ゴミ箱は、できれば見えないようにしたい」
「食器棚やカップボードの引き出しの中に入れたい」

見た目がすっきりしますし、
そう考えるお気持ちはとてもよく分かります。

実際に、
引き出し内にゴミ箱を組み込んだキッチンを
選ばれる方もたくさんいらっしゃいます。(確かに見た目はスッキリ!)

ただ、これまで多くの住まいを見てきた中で、
一つ、はっきりと感じていることがあります。

それは、
引き出し内に組み込んだゴミ箱が、使われなくなるケースがとても多い
ということです。

理由は、とてもシンプルです。
引き出し内のゴミ箱は、

1、引き出しを開ける
2、さらにゴミ箱のフタを開ける

という、2つの動作(ツーアクション)が必要になってしまいます。

…ほんの小さなことですが、
料理中や片付けの最中には、
この「ひと手間」が意外と負担になります。

結果として、
①引き出しを開けるのが面倒になる
②ゴミ箱が一時的に外に出される
③そのまま定位置に戻らなくなる

という流れを、
これまで本当に何度も見てきました。

もちろん、
引き出し内ゴミ箱を否定しているわけではありません。

実際に、
そのスタイルで問題なく使えているご家庭もあります。

ただ、経験上の実感としては、
7〜8割くらいのケースで、使われなくなっている
というのが正直なところです。

ゴミ動線で本当に大切なのは「動作の数」


ここで大切なのは、
「どこに置くか」よりも、
どういう動作で捨てられるかです。

ゴミは、
料理中・片付け中など、
考える余裕がないタイミングで捨てるもの。

だからこそ、
・迷わない
・止まらない
・ワンアクションで捨てられる

この条件がそろっているかどうかが、
ゴミ動線を考える上でとても重要になります。

ゴミ動線も「縦方向」で考えていい


また、ゴミ動線も
横方向だけで考える必要はありません。

キッチンの動線には、
縦方向の使い方という視点もあります。

限られたスペースの中で、
どの高さに、何を配置するか。

この考え方を取り入れるだけでも、
ゴミの捨てやすさは大きく変わります。

冷蔵庫の脇の隙間にも入ります。
一段、約20ℓの容量
上下2段に重ねられます。
6〜10分別可能。


分別は「考えなくていい仕組み」にする


分別が続かないのは、
ルールが悪いのではありません。

「今、これはどれ?」

と考えさせる仕組みになっていることが原因です。

・よく出るゴミは、迷わず捨てられる位置に
・頻度の低い分別は、少し離してもOK
・一時置きができる場所を用意する

分別は、
判断回数を減らすほど、続きます。

ゴミ動線が整うと、キッチンは散らかりにくくなる


ゴミ動線が整うと、
・作業台にゴミが溜まらない
・シンク周りが荒れにくい
・「あとで片付ける」が減る

結果として、
キッチン全体が散らかりにくくなります。

収納を増やしたわけでも、
掃除を頑張ったわけでもありません。

捨てる流れを整えただけです。

動線を整える、ということ


ゴミ動線もまた、
「正解の配置」があるわけではありません。

・どこで
・どんなゴミが
・どのタイミングで出るのか

それを一つずつ見直して、
動きを止めない流れをつくること。

それが、
ゴミ動線を整える、ということです。
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次回予告

次回は、
フェーズ2のまとめとして、
キッチン動線を見直して、本当にラクになった【まとめ】
をお届けします。

洗濯動線や帰宅動線と同じ構造で、
キッチンがどう変わったのか。

これまでの考え方を、
一つにまとめてお話しします。

👉はじめての方はこちら


毎日の家事が、
少しでもラクになるきっかけになれば嬉しいです。

関 美和|一級建築士
▼プロフィール・活動はこちら
https://miwaseki.carrd.co/

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