洗濯が本当にラクになった理由【実践編】― 動線を見直すときの考え方と、実際に効果が大きかった一例 ―|動線リノベ[6]
“動線”を整えることで、暮らしはもっとラクになります。
一級建築士として、毎日の暮らしが少しラクになる住まいの工夫を発信しています。
ここまでの記事で、
「洗濯動線は距離が短いとラクになる」
という考え方をお伝えしてきました。
では実際に、
何をどう見直したのか。
なぜ本当にラクになったのか。
今回はその中身を、
考え方と実例の両方からお話しします。
洗濯がラクになった理由は、特別な設備ではありません
最初にお伝えしたいのは、
洗濯がラクになった理由は、
高価な設備を入れたからでも、
最新の家電を使ったからでもない、ということです。
変えたのは、たったこれだけでした。
洗濯の「順番」を整理した
その順番の「距離」を短くした
それだけで、
毎日の負担は大きく変わりました。
まずやったのは、「洗濯の流れ」を書き出すこと
最初にしたことは、とても単純です。
洗濯機はどこにあるか
どこで干しているか
どこで取り込むか
どこでたたむか
どこにしまっているか

これを、
紙に矢印で書き出しました。
きれいに描く必要はありません。
「今どう動いているか」が
分かれば十分です。
この時点で多くの方が、
「思ったより歩いている」
「何度も同じ場所を行き来している」
ことに気づきます。
いちばんしんどい「動き」をひとつだけ見つける
洗濯動線は、
一気に完璧を目指す必要はありません。
大切なのは、
いちばん負担に感じている動きを
ひとつだけ見つけることです。
階段の上り下り
乾いた洗濯物を抱えての移動
たたむ場所がなく後回しになること
どれかひとつで十分です。
そこが、
見直すべきポイントになります。
実際に一番効果が大きかったのは、「洗濯機の位置」でした
リノベーションのご相談で、
「洗濯をラクにしたいんです」
という言葉を、とてもよく聞きます。
収納を増やす、
設備を新しくする、
動線を短くする。
さまざまな方法がありますが、
実際にいちばん効果が大きかったのは、
「洗濯機の位置を見直すこと」でした。
洗濯が大変になる原因は、「距離」でした

洗う・干す・しまうの「距離」を短くするだけで、
毎日の負担は大きく変わります。
多くのお住まいでは、
洗濯機:1階の脱衣室
干す場所:2階のバルコニー
という配置になっています。
一見、よくある間取りで、
特に問題がないようにも見えます。
ですが実際には、
濡れた重たい洗濯物を持って
階段を上ることになります。
一回一回は小さな動きでも、
これが毎日、何年も続く。
洗濯が「重たい家事」になる
大きな理由のひとつです。
洗濯機を2階へ移設する、という選択
あるお客様から、
こんなご相談を受けました。
「育ち盛りの子供が多いので
一日に洗濯を三、四回も。そのたびに2階に干しに行くのが
本当に大変なんです…何か根本的に変えられませんか?」
そこでご提案したのが、
1階の脱衣所の中にある洗濯機を 2階へ移設する
という方法でした。
もちろん、
スペースは確保できるか
給排水の配管は可能か
音や振動の影響はどうか
いくつかの確認は必要です。
ですが条件が整えば、
この選択は非常に効果的です。
「負担が軽くなって、いちばん満足しています」
工事後にいただいた、
お客様の言葉です。
『洗濯機のすぐそばで干せて時間短縮になりました。
何より階段を上り下りしなくて済むようになって
洗濯の負担が大幅に軽くなりました。
今回の工事の中で一番これがやってよかったです!』
干す場所であるバルコニーとクローゼットが近いから
乾いた後に、しまうのも楽。
階段を上り下りする必要がなくなり、
洗濯が一連の流れとして完結しました。
特別な設備を入れたわけではありません。
動線を整えただけです。
室内物干しという、もう一つの選択肢
最近は、防犯や天候、
大気汚染の影響もあり、
室内物干しを選ばれる方が増えています。
洗濯機の近くや、バルコニーのすぐそばに
室内物干しを設けるだけでも、
干す
取り込む
一時的に掛けておく
この流れが、とてもスムーズになります。
「ゼロ動線」が目的ではありません
ここで大切なのは、
必ずしも「ゼロ動線」を
目指す必要はない、という点です。
動きが完全にゼロでなくても、
無理なく、迷わず、
自然に体が動く。
そのご家族にとって
ちょうどいい動線が整っていれば、
洗濯はぐっとラクになります。
洗濯をラクにするのは、設備より考え方
洗濯がラクになる家は、
高価な設備がある家ではありません。
「どう動いているか」を
丁寧に見直した家です。
今の住まいでも、
できることは、まだたくさんあります。
洗濯動線セルフチェック(5項目)
最後に、
ご自宅で簡単に確認できる
セルフチェックをご紹介します。
□ 洗う → 干す → しまう が離れすぎている
□ 洗濯物を持って階段を上り下りしている
□ 乾いた洗濯物の一時置き場所がない
□ たたむ場所が決まっておらず後回しになる
□ 下着や部屋着を各部屋に配り歩いている
2つ以上当てはまったら、
洗濯動線を見直す余地があります。
まずは、
「いちばんしんどい動き」ひとつだけを
減らすところから始めてみてください。
次回からは、
洗濯動線で起きた変化を踏まえながら、
他の動線にもこの考え方を
どう広げていくのかをお伝えしていきます。
👉はじめての方はこちら
https://note.com/miwa6567/n/n48dddf02efc0
毎日の暮らしが、
少しでもラクになるきっかけになれば嬉しいです。
関 美和|一級建築士
▼プロフィール・活動はこちら
https://miwaseki.carrd.co/
