【第三十二話】実録・ちぐはぐ地目の土地と農転の壁2─土地家屋調査士にも断られた─
前回【第三十一話】実録・ちぐはぐ地目の土地と農転の壁─司法書士に断られた─の続き
片道1時間半かけて、ようやくたどり着いた法務局。
さて、このちぐはぐな土地をどうすれば受け取れるのか。
第二ラウンドの始まりである。
事情を説明し、持参した書類を確認した
法務局の職員は唸った。
「…一度、農業委員会に確認して頂いて…この土地を調査して」
「申請書類に“不備がなければ”うちは受理します」
……不備がなければ。
ここがミソである。
つまり、必要な手続きを踏んで、
申請書類に不備がなければ、登記上の地目変更はできる。
そう、私は解釈した。
ならば、あとは土地家屋調査士に依頼して
農業委員会に確認しつつ、農転をすれば良い。
近場の土地家屋調査士にはアポをとってある。
その足で事務所に向かった。
そして──。
「申し訳ありませんが、お引き受けできかねます」
……またか。
またしても断られた!
「理由をお伺いしても…?」
「このケースは非常に難しいです。
当時は建設予定の計画書等で許可が降りてますが、かなり昔です」
「またこれから何か建てたりしませんよね?」
「予定はありません」
「ならば、難しいです」
先日、司法書士とも似たようなやり取りをした。
出来ない理由は理解した。
だが、私は“どうしたら出来るか”を知りたいのである。
話を進めるうちに、土地家屋調査士から
ポロッと本音が出た。
「無理矢理申請できない事もありませんが、法務局から問い合わせが来て……最悪の場合は
我々のバッジが飛びます」
流石に一撃で資格剥奪にはならないと思うが、
そこまでのリスクは負えない。見合わない。
そういうことだった。
仕方ない。
これ以上はどの士業に頼んでも似たような返答をされるのだろう。
──ならば、自分達で完遂するのみである。
次の行き先は農業委員会に決まった。
時間も手間もかかるが、ここまで来ると
RPGゲームのようでだんだん楽しくなってきた。
農業委員会はどんな対応をするのだろう?
門前払い?それともアドバイスをくれるのか?
出来れば後者がいい。
ワクワクしながらハンドルを握るのだった。
▶︎次回【第三十三話】実録・ちぐはぐ地目の土地と農転の壁3─農業委員会と草パラダイス─
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