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【日々のこと⑲】本にかこまれて

読書の秋は、立秋から始まる。
8月7日から2日間、シェア型書店で古本市をやった。
店番は基本、ひとりでやる。
なのだが、ひとりでやったのは最初の一回だけだ。
僕は店番の時にイベントをやっているから、人がたくさんいてワイワイしている。
お菓子を食べてコーヒーを飲む。そして、誰かと本のことを話す。あれやこれやと。

話が止まり顔をあげた。ああ、本が並んでいる。
昼ごはんの時間はかなり前に過ぎていた。
読みたい欲が食欲に勝っている。

帰りにスーパーに寄ると、水蜜がたくさん並んでいる。
大きめのいい匂いのやつ2つをカゴに入れた。
家に着く。いなり寿司より先に水蜜を取り出す。真ん中でくるりと切れ目を入れ、ぐるっと回す。あれ。もう一度ぐ、るっ。回らない。硬い。
なんとか種を取り出し口にしてみると、硬い。シャリっとする。
やっぱりあのスーパーのはダメだな。
半分食べて、やめた。

古本市の次の日に独立系書店に行った。
笑顔で迎えてくれた店主さんが「お茶どうぞ」と冷たいのを持ってきてくれた。
わたしもちょっと休憩します、という店主さんと本の話が止まらなくなる。
たった一人の作家を読み続けるとしたら誰がよいかという話題になった。
多作で色々なジャンルを書いていて、エッセイも書いてくれたら最高ですね。誰がいいですかね、としばらく作家の名前を出し合う。
辻村深月、伊坂幸太郎、朝井リョウ。みんないいですねと笑う。

子どものころに読んでいた本の話になった。
星新一、江戸川乱歩と言った店主さんは「こわい感じの本は苦手だったはずなんだけどな」と笑う。
「僕は、赤川次郎をめっちゃ読んでました」
「ああ、赤川次郎っ」
「たくさん読みました」
「同じく読んでました」
子どものころに読んでいた本を、いま再読したらまた違う感想を持つのかもしれない。読んでみるのもいいですねと頷きあい、満足した気持ちでお店を後にした。

そのお店にはなかったので、大型書店にそのまま向かう。再刊行ではない、できるだけ最新の著作を2冊選んだ。限定ですよと言われたブックカバーをかけてもらった。
読もうと思っていた本を積読の棚に戻し、赤川次郎を読み始める。

限定のカバーはノンタン
ノンタン50周年
赤川次郎さんも作家生活50周年
50周年のコラボになった

立秋の旬の果物は水蜜だそうだ。
冷蔵庫から昨日残したシャリシャリの水蜜を取り出す。
奥に水蜜を発見する。旅行に行く前に買っていたやつだ。しわくちゃにしてしまった。
半ば諦めながら、真ん中からくるりと切れ目を入れてみた。
トロリとした汁が手を伝う。甘い匂いが広がり、実は瑞々しい。
大きめにカットする。硬い実の方は細かく刻む。2つを混ぜて、最近気に入っているバニラヨーグルトをかけた。

ヨーグルトをもってソファーに戻る。
栞をはさんでいた53ページから、赤川次郎をまた読む。


#私の二十四節気 #立秋 #読書の秋 #水蜜 #赤川次郎


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