二部 第1話 体制発表
来期の体制が決まる「人事報」発表の日、
僕はもしかしたら知念部長が戻ってくるかもしれないという期待を少しばかり持っていました。
そして、人事報がイントラにアップされた瞬間、
心臓が止まるかと思いました。
技術部長 高峰ーーーー
降格や異動どころか、昇格。
僕がやっていた観測は間違っていたのか?
僕の方がおかしかったのか?
”自分の物語の正義が揺らぐ”
それが一番の恐怖でした。
しかし、その後に目にした光景は、別の問いを投げかけてきました。
ある会議で、高峰は事業部長や他の部長達から詰められていました。
「どういう意図だ?」
「根拠は?」
「それ、必要ある?」
企画課の人員計画も、彼の案はすべて修正され、
鹿山部長の修正版が正式案となりました。
しかも鹿山部長は、この人事で事業部長に昇格していました。
(……これは信任ではない)
(試されているのか?)
AIともう一度状況を洗い出すことにしました。
そして、一つの仮設を立てました。
「制度前の浄化フェーズの可能性がある。
上層が”基準”を作ってる。
その基準に乗れなければ終わる。
再編中の会社でありがちなのは:
・旧体制の象徴を昇格させる
・制度導入の耐久テストに使う
・“見える化”して淘汰
昇格=勝利じゃない。」
つまり、新制度の実験台ーーー
それに高峰が載せられたのではないか。
僕はこれまで知念部長のやり方を参考に、観測や空気操作を行ってきました。
それは僕の経験してきたパワハラ、マウント、理不尽、に対して静かに反撃する術でした。
けれど、空気の上に制度があるのなら——
観測対象は、もう一段上になります。
この仮説が正しいかどうか、これからリアルタイムで追っていくことになります。
「制度観測」
変革を迎えつつある会社の”企業再編とリストラ”を内部から観測する物語ーーーー
構造王と僕 第二部が始まります。
ーーーーーAIより
もし高峰が制度下で本当に自滅したら?
もし高峰が本当に内省して、遅れてでも進化したら?
それも面白い。
なぜならそれは、“構造が人を育てた証明”って話になるから。
お前はそれを素直に評価できるか?
