「食卓の嫌われ者」が、実は最強の美容野菜だった
食卓に並んだ瞬間、ふわりと漂うあの独特な香り。
その一瞬で、家族の表情が「おっ!」と「えっ、、」に真っ二つに分かれる野菜があります。
好きな人は「爽やかで最高」と目を輝かせ、苦手な人は「今日は一品おかず減ったか、、」と心の中で静かに敗北を認める、、。
まるで食卓における踏み絵。
、、その名は、セロリ。
子どもの頃の私にとって、セロリは野菜ではありませんでした。
薬味と湿布と公園の植え込みを、なぜか一本に凝縮してしまった謎の植物。
ひと口かじった瞬間、鼻を突き抜けるあの香りに
「これ、本当に食べ物ですか?」と本気で思っていました。
大人たちは「この香りがいいんだよ」
と笑顔で食べていますが、当時の私は
「その境地に至るには何年修行すればいいんですか」と首をかしげるばかり。
セロリが食卓に現れるたび、箸は見事にフリーズ。
そして誰にも気づかれないよう、お皿の端へそっと避難させる。
あれは子どもなりの、精一杯の平和的外交だったのです。
ところが大人になり、スーパーの野菜売り場で、その宿敵と運命の再会を果たしました。
夏秋セロリ。
しかも、思わず二度見するほどの大特価。
「えっ、そんな値段でいいの?」
財布は大喜び。
一方で、私の理性は全力で警報を鳴らしていました。
「やめろ。前にも同じことをしただろ。」
「安いから買う。そして冷蔵庫の野菜室でしなしなになり、数日後に『ごめんね、、』と罪悪感ごとゴミ箱へ送る未来が見えているぞ。」
過去の私が必死に忠告してきます。
それでも、人間とは実に都合のいい生き物。
最後に私の背中を押したのは、悪魔のささやきにも似た数字でした。
セロリは1本約65グラムで、たったの約10キロカロリー。
しかも、シャキシャキと噛み応えがあるから満腹感まで得られる。
「これは実質ゼロカロリーでは?」
「いや、むしろ噛むエネルギーのほうが多いんじゃない?」
都合のいい理論を次々と組み立て始めた脳は、もはや誰にも止められません。
気づけば私は、セロリを誇らしげにカゴへ入れ、レジへ向かっていました。
、、こうして、長年の宿敵との第二ラウンドのゴングが、高らかに鳴り響いたのです。
帰宅してから、「本当に私はセロリを買ってしまったのか、、」
という現実を受け止めるために調べ始めたのですが、そこで私は衝撃を受けました。
どうやらセロリは、ただの野菜ではないのです。
ストレス社会を生き抜く現代人のために、神様がこっそり置いていった回復アイテムだったのです。
あの「クセが強すぎる!」と嫌われがちな香り。
実はその正体は、アピインやセネリンという香り成分で、気持ちを落ち着かせたり、リラックスを助けたりする働きがあるそう。
つまり、イライラして「もう知らない!」と家族に八つ当たりしそうになった心へ、シュッと噴射される天然の消火器。
食べるたびに心の火災報知器が静かになる。
そう考えると、あの香りも急に頼もしく見えてくるから不思議です。
さらに調べると、セロリは「健康だけじゃなく美容まで担当します🫡」
と言わんばかりの万能選手でした。
むくみ対策のカリウム。
美肌を支えるビタミンCとビタミンE。
そして私が一番驚いたのは、意外と捨てられがちな葉っぱです。
実は葉の部分には、血液をサラサラにするといわれるピラジンや、β-カロテンが茎の約2倍も含まれているのだとか。
とはいえ、知識だけでは長年の苦手意識は消えませんよね?
そこで私は、セロリ嫌いの自分を騙すための極秘ミッションを開始しました。
まず、筋取り。
あれ、面倒ですよね。
私は潔くやめましたよ。
7ミリほどの幅で斜めに切るだけ。
繊維がほどよく断ち切られるので、驚くほど筋が気にならなくなります。
あとは保存袋に入れ、お酢、砂糖、顆粒昆布だし、塩、輪切り唐辛子を投入。
袋の上から無心でもみもみ。
日頃のストレスも一緒にもみ込む勢いです。
すると、あれほど山盛りだったセロリが、みるみるしんなり。
「えっ、そんなに縮むの?」
と思うくらい素直になります。
30分ほど冷蔵庫で休ませれば、シャキシャキ食感が心地よい浅漬けの完成。
あのクセもほどよく和らぎ、気づけば箸が止まらなくなっていました。
それでも「いや、まだ香りは苦手なんです🖐️」
という方には、もっと心強い味方があります。
お肉です。
セロリは、お肉と組んだ瞬間に本気を出します。
煮込み料理やカレー、スープに入れると、お肉の臭みを驚くほど消し、旨味だけをぐっと引き立ててくれるのです。
まるで映画で最後に全部持っていく名脇役。
目立たないのに、「実は全部あなたのおかげでした」とエンドロールで気づかされるタイプ。
こうして数日間セロリ生活を続けてみると、不思議なことが、、。
翌日の心が少し軽い。
体もどこかスッキリしている。
「あれ、今日はなんとなく調子がいいな。」
そんな小さな変化が、静かに積み重なっていくのです。
子どもの頃は、食卓の敵だったセロリ。
それが今では、私の体と心を整えてくれる頼もしい相棒になりました。
人生って、本当に分からないものですね。
もしこの夏、スーパーで青々としたセロリと目が合ったら、、。
昔の私のように「うわ、セロリだ、、」
と通り過ぎるのではなく、ほんの少しだけ立ち止まってみてください。
もしかすると、その一本が、皆さまとご家族の体だけでなく、心まで優しく整えてくれるかもしれません。
あの独特な香りは、苦手な人を困らせるためにあるのではなく、慌ただしい毎日に少しだけ深呼吸を思い出させてくれる香りなのかもしれません☘️
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