彩ふ読書会リポート『ハツカネズミと人間』
8月2日、彩ふ読書会(in大阪)が開催されました。
今回も四つのテーブルに分かれての話し合いになります。
AテーブルとBテーブルが「推し本」CテーブルとDテーブルが「課題本」です。
私は、課題本のテーブルに参加しました。今回の課題本は
スタインベック『ハツカネズミと人間』
です。
私が今回読んだのは、新潮文庫の大浦暁生さんの訳です。
実はこの本、20歳代の時に、1度読んでいるのですが、今回読み直して、本当に良かったです。若い時にはよくわからなかったこの本の良さが、ようやくわかってきたような気がします。
私が参加したのはDテーブル。4人での話し合いになりました。私はレニーの童心に共鳴してドラえもんTシャツを着て臨みました。
まずは、自己紹介で一周してそれぞれ読んだ感想を述べます。一周回ったら、さらに掘り下げたいところを深ぼったり、自由に作品について語り合います。
ここからは、『ハツカネズミと人間』の内容に触れますので、未読の方はご注意ください。
それでは当日出た感想をランダムに書いていきます。
「昔、読んだ時は、救いのない話だと思ったが、今回読んで印象が変わった。全く希望のない話ではないかも」
「最初の風景描写の所は、いかにも翻訳した文章で読みにくかったが、ジョージとレニーが出てきたところから面白くなった」
「カーリーの妻は、話し相手がいなくて可哀想。「カーリーの妻」というだけで小説内に名前が出て来ないところも不憫だ」
「スリムはかっこいい」
「カッコ良くてまともなスリムが、生まれたての犬を平気で水につけていたのがショックだった」
「カールソンはサイコパスなのか。人の気持ちがわからないにもほどがある」
「黒人差別が酷いので、もっと昔の話かと思ったけど、調べるとそんな昔ではなかった」
「クルックスの発言は、彼の深い内面の苦悩を表していて、味わい深かった」
「なぜ、ジョージはレニーと一緒にいるのか」
「ジョージは本当は夢なんか持ってなかったけれど、レニーが夢のことを話すのが好きだったので、彼に引っ張られて夢を持ち続けられたのかも」
「ジョージも、レニーがいなかったら、カールソンのような性格になっていたかも」
「今の日本なら、人が亡くなってたら、すぐに警察に通報するけど、誰もそんなことを言わないし、拳銃を普通に持っているし、なんちゅう、無法地帯かと思った」
そのほか、いろんな意見が出ました。私は
「カーリーの奥さんは、実家を出たかったのなら、カーリーなんかと結婚せずに、映画に出る道を選んだ方が良かったのでは?」
と発言したのですが、
「映画に出してあげる、みたいな誘いは多分嘘なんじゃないか」
という意見が多数でした。
あー、そうかー。騙されてたのかもねー。
「カーリーの奥さんが話し相手がいなくて、人の気を引くために、女性性を利用するしかないのが不憫だ」という意見は、私は新鮮でした。
私は、読んでいる間じゅう、「カーリーも妻もどっちも嫌な奴やなー」としか思っていなかったのですよねー。
そんな「女を武器にする」ばっかりだったカーリーの妻が、レニーとは、お色気抜きの人間の会話を少ししていて、少しホッとした、という意見も出ました。まあ、その後、すぐ亡くなるのですが。
課題本読書会でいつも思うことですが、同じ本を読んでも、人によって、ずいぶん感想が違います。そこが楽しいのですよねー。世界が広がります。
終わった後、少しフリートークの時間もあったのですが、最近読んだ本についてなど、色々と語り合うことができました。
今、話題の村田沙耶香さんの『世界99』は、すごく面白くてインパクトがあるけれど、人によっては、胃腸に来るそうです。なるほどー。今後読む時の参考にします。
本の話をいっぱいして、本当に充実した時間を過ごすことができました。
次回は9月27日に開かれる予定だそうです。
楽しみー。
